どうする? イヤイヤ期

すくすく子育て
2018年6月16日 放送

お着替えイヤ!帰るのイヤ!食べるのイヤ! 魔の2歳児といわれるイヤイヤ期。
ママ・パパにとっては大変な時期ですよね。「激しいイヤイヤには理由があるの?」「親はどう対応したらいい?」など、みんなで考えます。

専門家:
坂上裕子(青山学院大学教育人間科学部准教授 発達心理学)
倉石哲也(武庫川女子大学教授)

子どものイヤイヤ、どう対応すればいい?

息子は着替えが大嫌いです。服を着せようとしても「イヤだ!」と逃げ出してしまいます。例えばお風呂上りのとき、湯冷めしないように早く服を着せたいのですが、30分以上もかかってしまいます。体が冷えることも心配なので、最後は力ずくで着替えさせますが、このままでいいのか悩んでいます。子どものイヤイヤには、どう対応すればよいのでしょう?
(2歳4か月の男の子をもつママより)

イヤイヤ期は、自我が芽生え、自立へ向かう第一歩

回答:坂上裕子さん

“パパやママとは違う意思を持つ自分”ができてくる最初の時期がイヤイヤ期だと考えてください。自我が芽生え、自立へ向かう第一歩なのです。
個人差はありますが、1歳後半くらいからイヤイヤが出てきます。この時期は「イヤ」と言えることがうれしく、挨拶代わりにイヤイヤするようになります。2歳ごろになると、徐々に芯のある主張が出てきて、自分で選ぶこと、決めることにこだわるようになり、聞く耳を持たない状態になります。3歳ころになると、物事に折り合いをつけられるようになり、状況に応じて我慢ができるようになります。

いつまでも着替えが進まないときなどは、どう対応したらいいでしょう?

イヤイヤの原因を考える

回答:坂上裕子さん

この年齢のころは、いろいろな感覚が育ってきて、敏感になる子が多くいます。例えば、洋服のちょっとした肌触りが気になって、着替えを嫌がる子もいます。食べものの好き嫌いが出てくるのも、この時期です。同じ“イヤイヤ”だと考えがちですが、食感の違いがわかってきて、それが原因で「イヤ」と言っている場合もあります。イヤイヤをしている原因を、少し考えてみるのも対応のポイントだと思います。

子どもに選択肢を与えて選ばせる

回答:坂上裕子さん

この時期の子どもは、“自分で選ぶ”ことが重要なテーマになっています。日常生活の中には、子どもが選んでも大丈夫なことがたくさんあります。例えば、保育園に行くとき、どの靴を履くか、どの道を通るかなどです。子どもがイヤイヤになったときは、親が許してあげられる範囲で、できるだけ子どもに選択肢を示して選んでもらいましょう。

イヤイヤとの付き合い方を学んでいく

回答:倉石哲也さん

子どもがイヤイヤになっているとき、行動を観察しながら、どういう気持ちなのか、何が苦手なのかなどを想像してみましょう。そうやって、どう付き合っていけばいいのか練習していきます。例えば、朝起きたときは機嫌が悪いから、無理矢理だと余計に反発するだろう、それなら少し距離を置いてみようと考える。このように、イヤイヤのときの付き合い方を、親と子がお互いに少しずつ学んでいくのだと思います。

子どもの気持ちを認めて、気持ちを切り替える

回答:倉石哲也さん

イヤイヤしている子どもの気持ちを認めてあげて、その後に気持ちを切り替えてあげるのもひとつの方法です。例えば、お出かけをするときに、「まだ遊んでいるから出かけるのはイヤ」となっている。このとき、「はやくしなさい!」とせかすのではなく、「これは楽しいね。これもおもしろいね」と、子どもの体験している世界に親も入ります。その後、「もう少し遊びたいけど、次をやらないとだね」と声をかけて、子どもの気持ちを切り替えてあげるわけです。


言うことを聞かずイライラしてしまうとき、どうすればいい?

娘がイヤイヤするたびに、イライラしてしまう自分に悩んでいます。一度イヤイヤが始まると、どこでも泣いて訴えます。家の中ならまだしも、外出先で大泣きされると、私もどんどん焦って、なんとかしようと思えば思うほどイライラしてきます。激しいイヤイヤが続くと、大きな声で怒ってしまうこともあります。イライラしてしまうときは、どうすればいいのでしょうか?
(2歳4か月の女の子をもつママより)

イライラという感情を持ってもいい

回答:坂上裕子さん

イヤイヤされるのも初めてで、対処のしかたもわからない、子どもも言うことを聞いてくれない。そこで親がイライラしてしまうのは当然です。それでも、子どもは自分をぶつけてくるので、親も身を削らないと対応できない。このとき、“いいママ”という自分に対する基準や、“いい子”という子どもに求める基準が高過ぎると、イライラして、疲れて、悲しくなってネガティブな感情が大きくなってしまうかもしれません。“いいママ”になろうとしすぎてはいないか、子どもに“いい子”を期待しすぎてはいないか、周りの人と話をしながら気持ちを整理してみましょう。
このような感情や経験は、“親”として育っていくために通らなければいけない道のひとつかもしれません。親としてやるべきことをきちんとやっているからこそ、いろいろな感情が生まれ、その感情は持っていいものだと思います。

周りの人たちとの関わりを考える

回答:倉石哲也さん

外でイヤイヤと泣かれると、困ってしまうし、周りの目が気になってしまいますよね。そこで、周りの人たちが「どうして泣いているのかな」など、少し関わってくださると、ママも少し気持ちが切り替えられると思います。でも、けげんな目で見られることもあり、余計に焦ってしまいますよね。
子どものイヤイヤの気持ちを落ち着かせるのは難しいので、「これは無理だな」と思ったら、抱きかかえてその場を去るのも方法です。そのとき「子どもが泣いているのに、周りの人たちは冷たいね」と自分に言い聞かせると、少し楽になるかもしれません。もしくは、周りの人たちに「申し訳ありません」と頭を下げると、声をかけてくれるかもしれません。
苦労されていると思いますが、周りの人たちとの関わり方もいろいろあるので、切り替えていくのもひとつの方法だと思います。

子どもの良いところを褒めてくれる場所へ

回答:坂上裕子さん

イヤイヤ期のときは、子どもの良い面が見えなくなりがちです。そんなときは、自分ひとりで子どもと向き合っていると、よりひどくなってしまいます。外に出て、子どもの良いところを褒めてくれる人がいる場所に行きましょう。そうすると、「自分もよくやっている」「この子もこんなにかわいいところがある」と思えてくるのではないでしょうか。

親子の信頼関係があるから、子どもはイヤイヤできる

回答:坂上裕子さん

いろいろな顔があってのママ・パパです。やさしくしてくれたり、一緒に楽しんで遊んでくれたり、疲れてぼんやりしていたり、イライラしていたり。その全部がママ・パパなんです。イライラしたからといって、赤ちゃんのころから築いてきた親への信頼は、簡単には崩れません。むしろ、しっかり親子の信頼関係ができているからこそ、思い切ってイヤイヤできるのです。


ママ友に子どもの愚痴を言ってしまう。やめた方がいい?

最近、子どもがイヤイヤ期に入り、つい、ママ友に子どもの愚痴を言ってしまいます。子どもの悪口を言っているようで、自分が嫌になります。愚痴はやめたほうがいいのでしょうか。
(2歳3か月の女の子をもつママより)

愚痴を言うことはとても大事

回答:倉石哲也さん

愚痴は、悪いことのように言われますが、こうした“甘え”の行為は大人にとっても実は大切なものです。大人でも、誰かに甘えたい、誰かに頼りたいと思うときがあります。相手やタイミングが難しいところですが、愚痴を言うと、気分転換になり気持ちが楽になります。人を選んで、しっかり愚痴を言うことをおすすめしたいと思います。パパ、きょうだい、ママ友など、愚痴を言える方がいるとよいですね。

お互いに健闘をたたえると考える

回答:坂上裕子さん

ママ友と「愚痴を言う」ことを、「お互いに健闘をたたえる」と考えましょう。エネルギーのかたまりのような子どもたちに、毎日、身を擦り切らせて付き合っているのですから、健闘をたたえあう感覚で話ができるとよいのではないかと思います。


すくすくポイント
先輩ママに聞いた「イヤイヤ期への接し方のヒント」

イヤイヤ期の子どもにどうやって接してきたのか、イヤイヤ期を卒業したお子さんをお持ちの先輩ママたちに、そのヒントを聞いてみました。

トイレにこもる

今思えば、私に余裕がなく、子どもも振り回されて大変だったと思います。私自身が「もうイヤ」となることもあり、そんなときは、トイレにこもってみたりしました。子どもは、驚いて「ママどうしたんだろう」と、かえって落ち着くこともありました。親も冷静になれるし、1人になる時間があってもいいのではないかと思います。
(6歳児と5歳児のママ)

別の話をして気持ちをそらせる

例えば、幼稚園に行くときにイヤイヤされても、行く時間が決まっています。しかたがないので、「自分でやらなくてもいいから、私がやっちゃえ」と、子どもには着替えや歯磨きのことは言わずに、ひらすら全く別の話をして気をそらせて、着替えさせたり、歯磨きさせたりしていました。
(8歳児と5歳児のママ)

年上の子に見本を見せてもらう

“ライバル心”をくすぐるとよいかもしれません。例えば、「スプーンはイヤ!手で食べたい」とイヤイヤしたら、お姉ちゃんや年上の子にスプーンを持ってもらって、「お姉ちゃん上手に持っているよ」と言います。すると、持ってくれたりしました。
(3歳児のママ)

子どもの言うことを聞いて少し待つ

「イヤだ」と言うのは、基本的に着替えやご飯など生活面のこと。それに関しては、「やめてもいいよ」と言って放っておくと、少しの時間、子どもが無言になりますが、しばらくすると自分からやってくれます。
(11歳児と5歳児のママ)

先輩ママたちは、いろいろな方法を試しながら、イヤイヤ期の子どもに接していました。
みなさんも参考にしてみてください。

※記事の内容や専門家の肩書などは放送当時のものです