気になる! 子どもの友だち関係

すくすく子育て
2018年5月19日 放送

友だちと一緒に遊べないけど大丈夫? 友だち同士のトラブルに親はどう対応すればいい?
そんな、子どもの友だち関係について考えます。

専門家:
岩立京子(東京学芸大学教授 発達心理学 幼児教育)
大豆生田啓友(玉川大学教授 乳幼児教育学)

子どもの友だち関係で気をつけるポイント

「友だちと遊ぶ」には、いろいろな部分の発達が必要

親は、「子どもは仲よく遊ぶもの」と考えがちです。でも、仲間に入ったり、遊び続けたりするのは、いろいろな部分が発達していないと難しいことなのです。おおよそ3~5歳にかけて、友だちと関わることができるようになってくると考えてください。
(岩立京子さん)

子どものタイプに合った関わりを

もともと社交的な子もいれば、自分の世界で遊ぶ方が得意な子もいるように、それぞれの子どもによってタイプが違います。子どものタイプに合った関わり方をしましょう。
(大豆生田啓友さん)


友だちとうまく遊べない。どうすればいい?

子どもはパパと公園で遊ぶことが大好きなのですが、お友だちと一緒に遊べず、パパが近くにいないと遊べません。例えば、滑り台で遊びたくても、他の子がいると近くにいけません。しかたがないので、いつもパパがつきっきりで遊んでいますが、もっと積極的にお友だちの中に入ってほしいと思っています。
お友だちとうまく遊べないわが子が心配です⋯。どうすればいいのでしょうか?
(1歳7か月の男の子をもつパパとママより)

すでに参加しはじめている

回答:岩立京子さん

お子さんは、他の子をよく見て、遊具に誰もいないすきをねらって遊んでいます。慎重派なのかもしれませんが、周りを見ながら遊んでいるので、すでに“参加”しはじめていると思います。これから徐々に友だちの中に入っていけると思います。この年齢であれば、心配しなくてもよいと思いますよ。

本格的に友だちと遊ぶのは4歳ごろから

回答:岩立京子さん

子どもは、成長とともに、周囲の人との関わり方が変化していきます。友だちと仲よく遊ぶようになるには、いろいろな部分が発達してくる必要があるのです。
0~2歳のころは、親や親しい大人と遊ぶことはあっても、他の子と仲よく遊ぶことはあまりありません。興味を持つのは、おもちゃや遊具などの「モノ」になります。3歳ごろでは、周りに友だちがいても一緒に遊ばず、自分の興味があることが遊びの中心になります。4歳ごろになると、ようやく友だちと関わって、本格的に友だちと遊べるようになってきます。友だちの気持ちや、どうやって「入れて」と言えばいいのかがわかってくるので、そこから友だちとの関わりがはじまると思ってください。今は、親しい大人と楽しく遊ぶ時期だと思います。

慎重な子でも、人と触れ合う場所に連れて行ったほうがよいのでしょうか?

人がいる場に行くだけでも世界が広がる

回答:大豆生田啓友さん

なるべく小さなころから、いろいろな人がいる場に連れて行くことは大事なことだと思います。他の子と直接関わらなくても、周りの子を見て、その子がやっていることを自分もやってみようとなります。すごく刺激を受けて、あきらかに世界が広がっていくので、無理がなければ連れて行ってあげましょう。


友だちとのトラブル。親はどう対応する?

長男には、同じ保育園に通っている、ママ同士も仲のよいお友だちがいます。でも、一緒に遊んでいるとき、たびたびもめ事が起こります。
例えば、うちで一緒に遊んでいるとき、お友だちが楽しそうに遊んでいたおもちゃのトラックが気になって、少し手を離したすきに取ってしまい、トラックの取り合いに。止めさせようと声をかけたり、気をそらそうと話しかけたりしますが、何を言っても言うことを聞きません。トラックが妹にぶつかるなど危険なことも起こります。この日は、落ち着かせようと背中をさすっているうちに、泣きつかれたのか、他のおもちゃで遊びだしました。
こういうときは、おさえつけても、張り合ってけがをしたり、ものを壊したりしてしまうので、どう介入していいのか悩みます。お友だちとのトラブルになったときは、親はどうすればいいのでしょうか?
(3歳8か月の男の子をもつママより)

子どもの視点で考える

回答:岩立京子さん

お子さんの視点で考えると、トラックはもともと自分のおもちゃで、友だちから無理やり取ったわけではなく、手放していたから自分が遊ぼうとなったわけです。それは、お子さんの視点からすると「自然な流れ」だったのだと思います。

自分の好きな世界があることは大事

回答:大豆生田啓友さん

“自分の好きな世界がある”ことは大事なことです。だからこそ、大好きなおもちゃを簡単に貸せないのです。貸してあげることができる子が“いい子”のように思えますが、その子は自分の世界があまり大事ではないのかもしれません。大事な世界がしっかりあることはよいことだと思います。

ケンカの原因となるおもちゃを視界から外す

回答:岩立京子さん

妹にぶつかるなど危険だなと感じたら、抱きとめて「今は○○くんが使っていたのよ」と理由を伝えましょう。また、友だちがトラックを持っているのを近くで見ながら我慢することは難しいので、一旦トラックをしまって、子どもの視界から取り除いてあげると仕切り直しがしやすくなったと思います。
お子さんは、ママの声かけもあり、他のおもちゃで自分の気持ちをコントロールしながら我慢していたと思います。仲間との関わりをすごく学んでいると感じます。

子どもの成長にとって、子ども同士のトラブルは、事前に避けるより、様子を見たほうがいいのですか?

相手の気持ちを受け止める、自分をコントロールする練習になる

回答:大豆生田啓友さん

ぶつかり合うことは、相手と折り合ったり、相手の気持ちを受け止めたりする練習になるので、とても大事なことです。そして、溢れる感情を自分なりに収めようと、気持ちをコントロールする力も育ちます。これを全部避けてしまうと、そのような機会がなくなってしまうことになります。

もともとは自分のおもちゃだったとしても、遊びにきてくれたご家族のことを考えると、どれぐらい子どもの気持ちを尊重してあげればよいのか悩みます。

親が子どもの気持ちを代弁して間をつなぐ

回答:大豆生田啓友さん

親としては、親同士の関係があるので、「貸してあげなさい」となります。でも、子どもにとって、大事なおもちゃを貸すことは、大事なものをあきらめることになります。貸してあげる子がいい子のように思えますが、「大事なことをあきらめろ」と言っているようなものです。大事なものを失うという、つらい経験になるので、「貸さない」ことも大事になります。
そうすると、親同士がぎすぎすしてしまうので、「ごめんね、今は貸したくないって言うの。今度は貸すようにするからね」と、子ども気持ちを代弁しながら間をつないであげるとよいのではないかと思います。


友だちが「かわいい」と言ってくれる服を着たがる。人の目ばかり気にする子にならない?

娘が、友だちが「かわいい」と言ってくれる服を毎日着ていきたいと泣きそうな顔で訴えます。「ママはどの服もかわいいと思うよ」と伝えますが、不満そうです。そこまで友だちに合わせる必要があるのでしょうか。将来、人の目ばかりを気にする子にならないかと心配です。
(4歳3か月の女の子をもつママより)

4歳ごろは人と同じことをやりたい時期

回答:岩立京子さん

発達的な視点で見ると、4歳ごろは人と同じことをやりたい「ステレオタイプ」の時期です。例えば、同じテーブルの子どもたちに絵を描かせると、みんながお姫様と家と太陽の絵になるようなことです。
お子さんは友だちの気持ちもわかってきているので、友だちが「一緒にしようね」と言うと、その気持ちに沿いたいわけです。このまま自分の思いが表現できない子になるわけではなく、この時期の特徴だと思いますので、子どもが着たい服を着せてあげてよいと思います。この先、だんだんと自分というものが出てくると思います。

「人とうまくやる」と「自分は自分」の両方が必要

回答:大豆生田啓友さん

4歳のお子さんとしては、友だちとどう折り合うかを上手にやっていると思います。友だちとの関係も「社会」ですので、その中でうまく関わることは大事なことです。そのような意味で、頑張っていると思います。
また、社会を大事にしながらも、同時に「自分はこれが好き・自分はこうしたい」という部分も大事にしていくべきです。だから、子どもに「あなたはどうしたい?」「あなたがやっていた○○はすてきね」といったことを、いつも言ってあげてもいいのではないかと思います。「みんなと同じでなくても、あなたの世界はここがすてき」と伝えることで、子どもの“自分”がきちんと育っていくのではないかと思います。


すくすくポイント
お友だち意識調査「お友だちのこと、どう思ってる?」

子どもたちにとって、“お友だち”はどんな存在なのでしょうか?
番組では、幼稚園に通う4歳から6歳の子どもたちに、「お友だちのどんなところが好き?」意識調査を行い、岩立京子さん(東京学芸大学教授 発達心理学 幼児教育)にお話を伺いました。

4歳の子どもたち

― お友だちの、どういうところが好きですか?

  • お顔が好き
  • ニコっとするところが好き
  • 登るところが好き

4歳の子どもたちは、友だちの「目に見える特徴」を好きな理由にあげています。
この時期は、人と同じことができるとうれしいのです。
(岩立京子さん)

5歳の子どもたち

― お友だちの、どういうところが好きですか?

  • 2人でいっしょに遊ぶのが好き
  • 遊ぶところが好き

5歳の子どもたちは、一緒に遊ぶ子が“友だち”になります。気の合う友だちができて、その子と遊ぶ時間が大事になりはじめる時期です。
(岩立京子さん)

6歳の子どもたち

― お友だちの、どういうところが好きですか?

  • おもしろいところが好き
  • やさしくて、ときには強くて、なんかかわいいし大好き
  • かわいいし、すごくやさしくしてくれるから

6歳の子どもたちは、友だちの「個性や性格」が好きという感情が出てきます。「この子と遊びたい」気持ちが強まってくるのです。
(岩立京子さん)

友だちを好きな理由が、目に見える特徴から、一緒に遊べることや性格・個性などの内面に変わっていくんですね。
子どもの成長とともに変化していく友だち関係を、ゆったり見守ってあげてくださいね。

※記事の内容や専門家の肩書などは放送当時のものです