ウンチの悩み

すくすく子育て
2018年4月21日 放送

なかなか便秘が治らない⋯ いいウンチを出す方法は? 出たり出なかったりするのは、なぜ?
そんなウンチの悩みをまるっと解決! 健康なウンチを出す秘けつを教えてもらいました。

専門家:
草川功(聖路加国際病院小児科医長)
上田玲子(帝京科学大学教授 栄養学)

なかなか便秘が治らない。どうすれば薬なしでスムーズに出せる?

子どもの便秘に悩んでいます。生後2か月まではウンチを1日に3回していましたが、少しずつ間隔が空くようになり、6か月のころには1週間出ないこともありました。市販のかん腸や乳幼児用便秘薬などを試してみましたが、なかなかうまくいきません。9か月のころには、ウンチがコロコロに固くなって、お尻が切れてしまったことも。10か月のときに病院で診てもらい、ウンチを柔らかくする薬を飲みはじめました。今でもウンチが出るのは2~3日に1回で、痛くて泣くこともあります。あまり薬に頼りたくないなと思っているので、薬の量を減らしてみたこともありますが、悪化してしまったので元に戻しました。
少しでもよく出るように、イチゴやキウイなど便通によさそうなものを食べさせています。ヨーグルトは薬を混ぜて与えていたせいか、その後一切食べなくなりました。納豆も食べてくれません。他にも、便秘にいいというマッサージをするなど、いろいろ試していますが、あまり効果が感じられません。
機嫌もいいし食欲もありますが、排便が気持ちよくできないとつらくなるかと思って、どうすればスムーズに出せるのか悩んでいます。
(1歳9か月の男の子をもつママより)

便秘について知っておく

回答:草川功さん

離乳食がはじまって、ウンチが固くなってきた9か月ごろから便秘になってきたのかもしれません。

<便秘について>
便秘とは、ウンチが腸の中で長く滞って、固くなり、出にくくなる状態のことです。その結果、ウンチを出すときに痛がったり、お尻が切れて血が出てしまったり、お腹が張って痛くなったり、食欲が落ちて具合が悪くなったりします。便秘かどうかを見極めるポイントは、子どもの機嫌です。痛がらずにスルッと出て、食欲もあり、元気に過ごしているなら、毎日出なくても、その子なりのウンチのペースだと考えましょう。

リズムができるまで薬を続ける

回答:草川功さん

薬に頼ることを気にされていますが、使っているお薬(酸化マグネシウム)を見たところ、特にクセになるようなものではないので、長く飲んでいても心配ありません。これから、成長するにしたがって、食事も運動量も変わり、いずれよくなると思います。でも、1~2週間で変わるものではないので、排便のリズムができるまで薬を続けたほうが安心だと思います。

腸の中の善玉菌を増やす食べ物を

回答:上田玲子さん

ウンチの状態をよくするには、ビフィズス菌のような“善玉菌”をとることがおすすめです。善玉菌が増えれば、ウンチも出やすくなります。ですが、お子さんは善玉菌を含むヨーグルトや納豆を食べていないので、なかなか口からとることができません。それならば、すでに腸の中に持っている善玉菌を増やしてあげることを考えましょう。
赤ちゃんは、もともとママからもらった善玉菌を持っています。そして、善玉菌は“オリゴ糖”と“食物繊維”を餌にして増えていきます。アスパラガス、キャベツ、ニンジン、ゴボウ、大根、玉ネギ、バナナなどが、オリゴ糖や食物繊維を多く含む食べ物です。チキンライスの中に小さく切って入れるなど、好きなものと一緒に違和感なく食べられる工夫をしてみましょう。また、オリーブ油やアマニ油などの植物性油脂を少量使ってあげると、ウンチが出やすくなります。


どんな状態のウンチが健康なの?

もうすぐ保育園に入る予定ですが、子どものウンチの状態がいつもバラバラで気になっています。ベタっとしていたり、固くてコロコロしていたり。頻度も、1日に2回のときもあれば、2~3日出ないこともあります。食が細くて離乳食がなかなか進まず、今でも1日に5~6回は母乳を飲んでいます。食事は小さくした方が食べるので、どれも小さく切ってあげています。
体調自体は悪くないので、何が理由で、固かったり柔らかかったり、出たり出なかったりするのか気になります。健康なウンチは、どんな状態なのか知りたいです。
(1歳2か月の女の子をもつママより)

適度に柔らかく楽に出るのがいいウンチ

回答:草川功さん

年齢によって、いい状態といわれるウンチは違います。1歳ぐらいなら、適度に柔らかくて、形はあるかないか程度で、本人が楽に出せるのが、いいウンチの状態です。形がなかったり、ベタっとしていたりしても問題ありません。
保育園がはじまると、飲んだり食べたりを勝手にできなくなり、生活にリズムができてきます。それに合わせて、排便するタイミングも定まってくると思います。

よくかむことでウンチが出やすくなることも

回答:上田玲子さん

この年齢であれば、前歯を使って、かんで食べてほしいので、食べ物をもう少し大きくしてみましょう。カミカミすると腸が動き、蠕動(ぜんどう)運動が行われて、ウンチが出やすくなります。少しずつ食事をよくかむようなものに変えたほうがよいかと思います。

母乳だけでは栄養が不足する

回答:上田玲子さん

赤ちゃんを産んだころの母乳と、1年後の母乳では、その栄養が大きく変わっています。例えば、タンパク質は50%ぐらい、鉄分も60%ぐらいに落ちてしまうので、母乳に頼ってしまうと鉄欠乏性貧血などになる可能性があります。離乳完了期は、三度の食事と、午前と午後のおやつで、食事から8割ぐらいの栄養をとってほしい時期です。ですので、少しずつ離乳食を増やしてあげてください。

受診が必要なウンチの状態は?

離乳食前の小さな赤ちゃんが、固いコロコロのウンチを出す場合は、腸の病気の疑いがあります。すぐに病院へ行きましょう。離乳食がはじまってから、ウンチが固くて出すときにつらそうだなと感じたら、念のために受診を。

固いウンチによって繰り返しお尻が切れると、傷の周りに“見張りいぼ”というできものができてしまいます。そうなると、さらに痛くなるので、ウンチを嫌がり便秘がますますひどくなるという悪循環になります。こうなる前に、お医者さんに相談しましょう。

ウンチの色にも気をつけましょう。子どもの場合、黄色から茶色、深緑色なら大丈夫です。一方、血が混ざった真っ赤なウンチ、赤黒いウンチ、白っぽいウンチは、重い病気を示すサインです。すぐに病院へ行きましょう。


食べると毎回ウンチをする。こんなに出ていて大丈夫?

2歳半になる息子は、元気いっぱいで食欲旺盛で、何でもパクパク食べます。1歳上のお姉さんよりたくさん食べるほどです。大好物はヨーグルトで1日に4個も食べます。納豆も大好きです。
でも、食事の後、ほぼ毎回ウンチをします。多いときで1日に6回です。それに、他の子と比べて細身の体つきで、成長曲線の50%ぐらいで推移しています。よく食べているのに、栄養がきちんと吸収されているのか心配になってきます。こんなにウンチが出ていて大丈夫なのでしょうか。
(2歳4か月の男の子と3歳7か月の女の子をもつママより)

動物本来のあり方だけど、成長とともに変わる

回答:草川功さん

まずは、元気でいるのであれば大丈夫です。ただ、成長とともに、生活に合わせて我慢することも必要になってきます。「食べると出す」ことは動物本来のあり方ですが、生活や食べ物の部分で変わっていきます。
また、これだけ出ていても元気だということは、とっている水分が少し多めで、そのことが影響しているかもしれません。

ヨーグルトを適量に

回答:上田玲子さん

1日4個のヨーグルトは多過ぎるので、1日1個を目安にすると、調子もよくなっていくと感じます。また、主食をしっかり食べると、ウンチが固まってくることもあるので、主食についても調整してみましょう。オリーブ油やアマニ油などの植物性油脂を使うと、おなかの持ちがよくなり、お肉やお魚などのタンパク質を増やしてあげれば、しっかりと栄養がとれます。

出過ぎて栄養がとれていないということはありませんか?

成長曲線に沿って体重が増えていれば大丈夫

回答:上田玲子さん

体重が成長曲線に沿って増えているのであれば心配ありません。よく動かれるお子さんですので、運動量の影響もあると思います。そのまま続けて大丈夫ですよ。


ウンチに食べ物がそのままの形で混ざっているけど大丈夫?

離乳食に慣れてきたころなのに、ニンジンやホウレンソウなどがウンチの中にそのままの形で混ざっています。消化吸収していないのではないかと心配です。
(10か月の女の子をもつママ 他)

小さいお子さんではよくあること

回答:草川功さん

かむ力が弱いうちは、食べ物を丸飲みしてしまうので、そのまま出てきてしまうことが多いと思います。小さいお子さんではよくあることなので、気にしなくても大丈夫だと思います。

必要な栄養は吸収されている

回答:上田玲子さん

食物繊維が多い食べ物は、そのまま出てくることが多いです。ニンジンやホウレンソウだと色がはっきりしているので、出てきたら驚きますよね。それでも必要な栄養はある程度吸収されているので心配はいりません。食物繊維が多くなくても出てくる場合はあるので、ウンチの様子を見ながら、小さく切る・すりつぶすなどの工夫をしてあげてもいいかと思います。


すくすくポイント
ウンチは何からできている?

(監修 帝京科学大学 上田玲子教授)

ウンチは出ないと心配だし、出過ぎても大変。子どものウンチの悩みはいろいろありますよね。
でも、そもそもウンチは何からできているのでしょう。

食べ物の残りカスだけじゃない

食べ物が口から体の中に入ると、胃と十二指腸で消化され、小腸で栄養分が吸収され、大腸では水分が吸収されて、ある程度量がたまると外に出てウンチになります。
必要なものを吸収した後だから、ウンチの中身は食べ物の残りカスだと思う人が多いかもしれません。ですが、健康なウンチのおよそ80%は水分なんです。コロコロで固いウンチでも60~70%あります。

ウンチに含まれているもの

食べ物の残りカスは、残り20%のさらに1/3(全体の6~7%)しかありません。残りは、新陳代謝ではがれ落ちた小腸や大腸の粘膜が半分。そして、腸の中に住む腸内細菌と、その死骸が半分です。ウンチ1gの中に、6千億~1兆個の腸内細菌があるといわれています。

ウンチは健康のバロメーター

小腸や大腸には約100兆個の細菌が住んでいるといわれ、ビフィズス菌などの“善玉菌”と、大腸菌などの“悪玉菌”が、どちらの性質にもなる“日和見菌”を味方につけようと勢力争いをしています。悪玉菌が優勢になると、ウンチが固くなったり、下痢気味になったり、体の調子が悪くなったりします。善玉菌が優勢になると、お腹の調子がよくなり、体全体の免疫やバランスが健康に保たれます。
このように、ウンチに含まれているものは、健康状態を把握することのできるバロメーターになります。

いいウンチを出すためには

いいウンチを出すためには、善玉菌の餌になるオリゴ糖や食物繊維を含む食べ物をたくさん食べること。また、ウンチの水分を確保してくれる、海藻や果物などの水溶性食物繊維を多く含む食べ物も大切です。そしてなにより、体全体の新陳代謝がうまくいくように、たくさん遊んで体を動かし、しっかり睡眠を取ることが大事です。

よく食べ、よく寝て、よく遊ぶ。
生活リズムを整えて楽しく暮らすことが、いいウンチを出すいちばんの秘けつです。

※記事の内容や専門家の肩書などは放送当時のものです