耳と鼻のおうちケア

すくすく子育て
2018年3月3日 放送

耳のおそうじ、どうしてる? 鼻をかむのを嫌がる!どうすればいい?
耳と鼻の「おうちケア」をマスターしちゃいましょう。

専門家:
守本倫子(国立成育医療研究センター 耳鼻咽喉科医長)

鼻づまりを楽にしてあげたいのにお世話を嫌がる、どうすればいい?

子どもは口呼吸が多く、鼻もずるずるさせているので、鼻づまりがすごく気になっています。それに、鼻が詰まっているせいか、いびきをかきます。寝ているときのいびきが大人顔負けで、小さいころからいびきをかくのだろうかと心配です。
鼻づまりが楽になるように、鼻水を吸引してあげようとするのですが、吸引器のスイッチを入れただけで、逃げ出してしまうので、いつも無理やりになってしまいます。
楽にしてあげたいのですが、どうすればよいのでしょうか。
(1歳8か月の男の子をもつママより)

アデノイドの肥大の可能性も

回答:守本倫子さん

鼻の奥には“アデノイド”というものがあります。口の中にある“へんとう腺”と同じようなものです。

アデノイドは、個人差がありますが、5歳までだんだんと大きくなります。へんとう腺と同じように、風邪をひくと、より大きくなります。
アデノイドが肥大してしまうと、鼻で息がしづらくなり、ずっと鼻水がたまる、鼻が吸いにくい、寝るときにいびきをかくといったことが見られます。ひどいときには呼吸もできないぐらいに詰まってしまいます。本来、乳幼児はいびきをかきません。ふだんから鼻づまりやいびきがあるなら、アデノイドの肥大の可能性があるので病院で調べたほうがよいでしょう。

鼻水の吸引や鼻かみを嫌がるとき、どうすればよいですか?

温めるなどで鼻水を出しやすくしてあげる

回答:守本倫子さん

子ども自身が、鼻をかんだ後にすっきりした、気持ちいい、と思ってくれるように工夫しましょう。
例えば、お風呂に入っているときや入った後は、体が温まっていて鼻水も出やすくなっています。温かいガーゼや蒸しタオルで鼻を温めてあげるのもよいでしょう。鼻水がやわらかくなるので、そのとき出してあげてください。
また、最近は、鼻用のスプレー(生理食塩水)もあります。鼻がしっとりしてやわらかくなるので、出しやすくなると思います。使用する時は、まず、親自身で鼻用のスプレーがどのようなものか試してみましょう。

きちんとケアしてあげる

回答:守本倫子さん

鼻のかみ過ぎで、鼻の下が赤くなったり荒れたときは、ケアしてあげましょう。
温かいぬれガーゼなどできれいに拭きとって、軟こうやクリームを塗ってあげるとよいと思います。

1歳から挑戦! 鼻のかみ方マスター法

子どもが自分で鼻をかめたら、親も子どもも少し楽になります。
でも、鼻から息を出す感覚を教えるのは難しいですよね。
そこで、子どもが鼻のかみ方をマスターできる方法を紹介します。

<遊びながら フンっ!>

まず、2014年の「すくすくアイデア大賞」から、「簡単!鼻かみ上達法」を紹介します。
やり方は簡単。片方の鼻に丸めたティッシュをつめて、もう一方の鼻をふさぎ、ティッシュを吹き飛ばすだけです。ティッシュがロケットのように発射されます。
楽しみながら、鼻をかむコツをマスターできますよ。
※ティッシュが鼻につまらないように注意して、必ず大人と一緒に試しましょう

くわしくは「簡単!鼻かみ上達法(すくすくアイデア大賞2014)」をチェック!

守本倫子さん

視覚的にもわかりやすく、鼻をかむコツがだんだんわかっていくと思います。遊びながらできるので「やりなさい!」と言わなくてもいいですね。

<タイミングを合わせて チーン!>

つづいて、神奈川県の西野さんのエピソードです。
あるきっかけで、鼻かみができるようになったそうですよ。

西野さん
「子どもが1歳半のとき、風邪をひいて鼻水がたくさん出ていました。鼻水をティッシュで拭っていたら切れて痛くなってしまったので、素手で拭ってあげていると、たまたま子どもが息を出すタイミングと、私が鼻を押さえるタイミングが重なって、ドバっと鼻水が出てきました。『上手だね!』と褒めてあげて、それから『チーン、チーン』と繰り返していたら、鼻かみができるようになったんです。歯科検診のときに『口の周りをいきなり触られると嫌がるから、ふだんから遊びの中で顔を触ってあげてください』と聞いて、鼻や顔を触っていたことで抵抗がなかったのがよかったかもしれません。」

守本倫子さん

鼻がかめたときに、すぐ褒めてあげたのがよかったと思います。素手で鼻を拭った後はきちんと洗って、衛生面にも気をつけましょう。お子さんそれぞれにあった方法を探してみるのがよいと思います。


受診したほうがよい鼻水の症状は?

鼻水が出ているだけだと、なかなか病院に行かないと思います。病院に行ったほうがいいか判断する、鼻水の症状のポイントはありますか?

色のついた鼻水に注意

回答:守本倫子さん

鼻水が透明なときは問題ありませんが、黄色・緑・茶色など色がついている場合は、ばい菌が原因なので注意が必要です。中耳炎の原因にもなるので、早めに耳鼻科で受診しましょう。
乳幼児は鼻水が出ていると、8割ほど中耳炎になってしまいます。ずっと色のついた鼻水が出ていると、ばい菌が耳まで行ってしまい、痛い中耳炎になります。なかなか治りにくいこともあるので、注意しましょう。


なぜ子どもは中耳炎にかかりやすいの?

子どもが、2か月に1度は中耳炎になります。鼻水を拭っても止まらなくなって、鼻水が黄色くなって、病院に行ってみると、だいたい中耳炎になっています。大人も鼻水はよく出るのに、そこまで中耳炎になっていないように思います。子どもは中耳炎になりやすいのですか?
(1歳2か月の女の子をもつママより)

子どもは大人より中耳炎になりやすい

回答:守本倫子さん

耳と鼻は、“耳管(じかん)”という管でつながっています。

子どもの耳管は、大人に比べて短く、傾きがなだらかで水平に近くなっています。そのため、鼻水のばい菌が耳へ入りやすく、中耳炎になりやすいのです。

中耳炎になったとき、親は気づくことができますか?

中耳炎になりやすい子は、まめに受診する

回答:守本倫子さん

急性中耳炎など、痛みのある中耳炎であれば、熱が出るなどの症状があるので気づくことができます。ですが、お水がたまっただけで、少し音が聞こえづらい程度のときは、なかなか気づくことができません。
ですので、中耳炎になりやすい子、鼻水が出やすい子は、まめに耳鼻科に行って、鼻をとってもらったり、耳が大丈夫か、音への反応が悪くないか診てもらったりしましょう。

中耳炎を予防するために、できることはありますか?

耳にばい菌が入らないように注意

回答:守本倫子さん

鼻水が出たら、まめに吸ってあげることが大事です。鼻水が垂れたままで、ずっとすすっていると、ばい菌がそのまま耳へ入ってしまい中耳炎になりやすくなります。

中耳炎が原因で難聴になる場合も

回答:守本倫子さん

急性中耳炎が原因で、難聴になる場合もあります。そうでなくても、耳の裏にたまったお水で聞こえが悪くなります。たまったお水がさらさらではなく、鼻水のようにべたべたと濃い場合は、まったく聞こえなくなることもあります。


1歳の子どもの耳そうじ、間違っていない?

子どもの耳そうじを、今の方法で続けてよいか悩んでいます。今は、数日に1度、お風呂上りに綿棒で耳そうじをしています。パパはお風呂のときに耳の外側を洗ってくれています。耳を拭っていると綿棒に黄色いものが付いていて、ゴミなのか、あかなのかわからず気になります。耳の外側を綿棒でこすったら、血が出てしまったこともありました。
自己流で、どのようにしたら正解なのかわからず悩んでいます。お耳のケアは、これでよいのでしょうか?
(1歳1か月の男の子をもつママより)

耳そうじは2週間に1度でも十分

回答:守本倫子さん

基本的に、耳あかは何もしなくても自然に外に出てきます。ですので、耳そうじは2週間に1度でも十分過ぎます。数日に1回はやり過ぎで、かえって耳の皮膚のダメージとなってしまいます。やり過ぎると黄色い水のようなものが、じんわり出てくることもあり、それがたまって綿棒に付いているのではないかと思います。それが詰まったり、だんだん痛くなったりしてしまうので、やり過ぎないように気をつけましょう。
まずは、数日に1度から、1週間に1度にする。そうやって、徐々に頻度を減らしていきましょう。

耳そうじは見える範囲を拭うように1回

回答:守本倫子さん

耳そうじは、見える範囲を優しく拭うように1回とってあげる程度でよいと思います。
綿棒は、赤ちゃん用の細くて小さいものを使いましょう。

力が入り過ぎないように鉛筆のように持ち、耳の穴に入れるときは、綿棒の先(綿の部分)の2/3ぐらいまで。綿棒を入れたら、すっと穴の周りを一周するぐらいでよいと思います。軟こうを塗ってとってあげるのもいいですね。
綿棒を深く押し込んでしまうと、押し込まれた耳あかが地層のようにたまってしまうことがあります。

耳の外側は、ぬらしたガーゼなどで優しく拭ってあげる程度でよいと思います。

耳あかを取るためだけに、耳鼻科に行ってもいいのでしょうか?

ついでに耳あかをとってもらう

回答:守本倫子さん

耳鼻科で耳あかをとるのは、治療にあたりますし、行ってもよいと思います。そのためだけに行くのが気になるのであれば、2~3か月に一度、鼻や中耳炎を診てもらうついでに、耳あかもとってもらえばよいと思います。


すくすくポイント
遊びながら、赤ちゃんの“聞こえ”のチェック

赤ちゃんの耳が聞こえにくいことに気がつかないままだと、ことばやコミュニケーションの発達に影響が出ることも。でも、聞こえにくいかどうかわかりにくいですよね。
そこで、ちゃんと聞こえているのか、“聞こえ”のチェック法を覚えておきましょう。

0歳からのチェック

0歳のころは、おもちゃや電話などの音、名前を呼んだときなど、反応があるか気にしてみましょう。

聞こえの左右差チェック

片耳が聞こえにくい場合は、気づくのが遅くなりがちです。

赤ちゃんの片側から、風や振動を起こさないように音を出してみましょう。
反対側も試して、左右で違いがあるか確認します。
おすわりするころからやってみましょう。

ささやき声でチェック

小さい音が聞こえにくい場合は、見落とされがちです。
そんなときは、ささやき声でチェックしましょう。

のどに手を当てて、ふつうに声を出すと、のどが震えていることがわかります。
ささやき声を出したときは、のどが震えません。
この声で、子どもが聞こえているか確認します。

チェックするときは、気づかれないように後ろに行き、名前をささやきます。
1歳半ごろまでに、聞こえているかのチェックを一度やってみましょう。

クイズ感覚でチェック

3歳くらいからは、絵を使ってチェックしてみましょう。

まず、絵の描かれたシートを準備します。

そして、1メートルくらい離れて向かい合って「絵の名前を言うから、指さしてね」と言って、絵のあてっこをします。全部の絵を指せるようになったら、口元が見えないように手で隠して、ささやき声で言ってみます。1回だけ言うのがポイントです。

この検査は、3歳児健診などで行うこともありますが、絵本やカルタをささやき声で読んで、クイズ感覚でやってみるのもいいですね。

聞こえにくいサイン

名前を呼んでも反応しなかったり、テレビに近づいたり、音量を上げ過ぎたりするときは、子どもが聞こえにくいサインかもしれません。ふだんのしぐさや遊びの中で、子どもの音への反応を気にかけてみましょう。


聞こえづらい場合、早めに対応することが大事です。
遊びながら、聞こえのチェックをしてみましょう。

※記事の内容や専門家の肩書などは放送当時のものです