なんとかしたい! 家事ストレス

すくすく子育て
2017年12月9日 放送

子育て中の家事って大変ですよね。そんな中、たまってしまうママの家事ストレス。どうすれば家事をしながら穏やかな子育てができるの? パパとの上手な家事シェアの方法は?
家事ストレスについて、一緒に考えましょう。

専門家:
水無田気流(國學院大学教授 社会学)
大豆生田啓友(玉川大学教授 乳幼児教育学)

予定通り進まない家事、どうしたらいい?

3人の子育てをしています。ストレスを感じているのは、子どもの世話をしながらの家事です。家事をしていても、5分に1回はきょうだいげんかなどで、中断することになります。
パパは仕事から帰ってくると、休むことなくすぐに食事の準備や片付けなどの家事をやってくれます。私は育休中ですが、パパは十分やってくれているので、これ以上は頼めません。私の方が何とか工夫をして、日中、気持ちを楽にして過ごせるようにできたらと考えていますが、どんなことができるだろうかと悩んでいます。
パパが帰ってくるまでの日中、予定通りに進まない家事にイライラしてしまいます。どうしたらいいでしょう?
(5歳と2歳11か月の男の子、1歳の女の子をもつママより)

家事をこなしている自分を褒めよう

回答:水無田気流さん

子どもはコントロールがきかないので、イライラしてストレスがたまるのは当然です。言って聞かせてもわからない子どもが3人になったら、予定通りにはいきません。そんな中、何とか家事をこなしている。まずは、そんな自分を褒めていただきたいと思います。

子育て中の家事はあきらめる部分があっていい

回答:水無田気流さん

“丁寧な暮らし志向”といった、素敵でクリーンな家事や育児がありますが、実際には子どもがいるとできません。できないことを責めるのではなく、“あきらめること”を前提に考えてみましょう。
今の社会は、学校でも仕事でも、あきらめることをなかなか学ばせてくれません。ひとつひとつきちんと頑張らないといけないと。どうしても、あきらめることにネガティブなイメージを持ってしまう。でも、子どもが騒いでいたら、頑張ってもできないことがいっぱいありますよね。
あきらめると言っても、永久にあきらめるわけではなく、一旦ダウンシフトするのです。今は、完璧を求めることから一時的に戦略的に撤退するのもひとつの方法だと思います。

家族にとって何が大切かを考える

回答:水無田気流さん

家族にとって何が大切かを考えてみましょう。子どもに絵本を読んであげることや、コミュニケーションが大事だと思うなら、子どもと接する時間を増やすために家事を省力化してもよいと思います。ご飯でレトルトを使うことがあってもいいんです。
夫婦で、何が大切なのか、最適な時間の配分はどれぐらいだろうといったことを話し合っていくことが大事です。

母親の頑張る姿を子どもに見せるのも大事

回答:大豆生田啓友さん

本当に頑張っていらっしゃると思います。でも、子育て期は、予定通りに家事を進めるのは無理だと思います。
みなさん、いいお母さんでありたいという幻想が強くあります。子どもに対してだけではなく、家事も含めて、すてきにやらなければならないという理想がある。だからこそ、頑張っていらっしゃると思いますが、もっと思いを少なくしてもいいのではないでしょうか。
母親の頑張っている姿を子どもに見せることもすごく大事なことですが、子どもに手がかけられなくて申し訳ないような気持ちになるのもわかります。


専業主婦は家事をひとりでするべき?

出産をきっかけに仕事を辞めて、専業主婦になりましたが、パパが家事をしないことに悩んでいます。
実は、結婚のときに「オレはやらないよ」と宣言されていました。家事のシェアはしない前提で、家電が必要なら買うなどの落としどころを見つけてきました。
でも、私が感じているのは「家電があるんだから、たいして家事をしていないのでは?」といったことを言われ、家事の苦労を共感してもらえていないことです。子どもをみながら家事をすることが、どれだけ大変なのかをわかってほしいです。
専業主婦なので、パパは仕事を、私は家事をメインにするのは納得していますし、仕事が大変なのもわかります。ただ、土日は私もちょっと休みたい⋯
専業主婦なら、パパに頼らずに家事をひとりでするべきなのでしょうか?
(1歳8か月の双子の男の子をもつママより)

家事の大変さはパパにはなかなかわからない

回答:大豆生田啓友さん

ある調査では、働いているママよりも専業主婦の方がストレスが高いという研究結果が出たこともあります。子育てや家事をすることがどういうことなのか、やらないとわからない。ママがどういう思いでやっているのか、パパにはわからないのだろうと思います。ですので、パパ自身が、ちょっとしたことから家事を始めることが大事です。
パパが子育てや家事にコミットし始めると、パパにとっても得が多いと思います。家族への貢献が実感できるので、明らかに家庭が変わって、ママの笑顔も増えると思います。そういったパパの姿を子どもに見せることが、子どもにとって、どう生きていくかのモデルにもなっていくと思います。

パパとママが家庭を作るという強い意識を持つことが大切

回答:水無田気流さん

このようなパパに、私が声を大にして言いたいのは、家事はちょこちょことできるものではないということです。
妻が専業主婦なのに、夫が家事をすると専業主婦の意味が無いといった話をする人がすごく多くいます。その発想は、家事代行業者の家政婦さんなどのサービスを購入している消費者の考え方です。マーケットの場であれば当てはまりますが、家庭はマーケットではありません。経済の論理ではなく、生活の論理で成り立っているはずです。夫婦2人で生活や家庭を作って、子どもを育てていくという強い意識を持つことが大切です。

ねぎらいの言葉で元気になることも

回答:大豆生田啓友さん

パパからねぎらいの言葉をかけることも大事ですよね。もちろん、言えばいいというわけではありませんが、言葉があるだけで元気になることもあると思います。全国のパパに心掛けてほしいですね。


パパとの上手な家事シェアの方法は?

育休中ですが、3人目の子どもが生まれて、家事に手一杯です。パパが、お願いした家事しかやってくれないことに、ちょっと不満があります。例えば3つほど頼むと、1つ目をやっては休み、2つ目をやっては休み、最後の1つはやる気がなくなっているのか、やるのを忘れているのか、結局できていません。面倒な家事から逃げているように見えます。トイレ掃除など隅々までやってはくれますが、しかたなくやっているように見えます。パパが言うには、私の要求水準が高いのだそうです。唯一自発的にやってくれるのは、メダカの水槽の掃除なのですが、ほかにもたくさん家事がたまっているので、自ら必要な家事に気付いて動いてほしいのです。そんなパパとの、上手な家事シェアの方法はありますか?
(6歳と4歳の女の子、4か月の男の子をもつママより)

パパはママがどんな家事をしているのかよく見る

回答:水無田気流さん

ママにとってメダカの水槽の掃除は、野球にたとえるなら、10対1で負けている試合で打ったソロホームランのようなものです。もう試合には関係ないわけです。そうではなく、出塁しているような大事な場面で打ってほしい。そんなときに、バッターボックスにも立ってくれない。どうでもいいところで、自分の打率だけを考えているように見えてしまうわけです。
ママは育休中で、いつかは仕事に復帰します。そのとき、2人の連携プレイで家庭を作っていくためには、今からでも家事の状況を見ていかないといけません。よく見ていないと、ママが必要ないと思っている水槽の掃除を頑張ってしまうという掛け違いが起こってしまうんです。今は、家庭のスタメンではないのかもしれません。でも、ベンチスタートだからこそ、よく見ていないとママが家事で何を必要としているのかわからないのです。

パパは自発的に家事をやって夫婦で対話する

回答:大豆生田啓友さん

今回のパパのような立場の方は、全国にたくさんいらっしゃると思います。
パパから「ママの要求水準が高い」という話はよく聞きますが、それは期待の表れだと考えてください。期待されなくなったら、何も言われなくなるので、言われているうちが絶対いいはずです。
だとするなら、具体的に一歩を進める必要があるのではないでしょうか。今は「やりたくないけど、言われたからやる」といった受身の状態かもしれません。そこを、自分からこれをやろうと、具体的にあげていくのはどうでしょう。やろうとした家事が、ママが必要ではないと思っていることかもしれないので、そこは2人で対話をしていく。ママも「それは助かる」など、褒めましょう。コミュニケーションが増えて、家事の共同作業が起こることによって、夫婦間がすごくよくなると思います。


夫婦で互いの家事のやり方が違うのでイライラしてしまう

パパに家事をやってもらうと、いつもの自分のやり方と違ったり、勝手にモノの位置をいじられたりしたときに、イライラとしてしまいます。「ありがとう」を言う前に、文句が出てしまいます。そんなときにイライラしないようにするには、どうすればよいのでしょうか?
(1歳5か月の女の子をもつママより)

鬼姑(しゅうとめ)になっていないか気をつける

回答:水無田気流さん

何か言いそうになったら、少し立ち止まって「いびりの姑(しゅうとめ)になっているのでは」と考えてみてください。以前は嫁姑問題で、お姑さんが家事のダメ出しをしていました。それが、夫婦間で起きているかもしれないと思ってみてください。
家庭ごとの落としどころを見つけて、ダメ出しは「心の中の鬼姑がほえていないか」と思って気をつけてみましょう。

譲り合うことが大事

回答:大豆生田啓友さん

やはり寛容さが大事ですね。これをやったら妻が喜ぶかな、楽になるかなといった思いがあれば、譲り合うことができると思います。


すくすくポイント
調理の際の家事ストレスをなくす方法

忙しいママにとって、毎日の調理時間を短くできたらうれしいですよね。
その時短テクニックを、本間朝子さん(知的家事プロデューサー)に教えてもらいました。
ムダな動きを無くす工夫をすれば、家事ストレスがぐっと減りますよ。

キッチンのコックピット化

キッチンは、飛行機の操縦席のコックピットをイメージすると、とても効率的になります。コックピットでは、自分が動かなくても、手を伸ばすだけで必要なモノに手が届くようになっています。キッチンも同じように、一番使いたいモノが、さっと手に取れるように配置していくと、とても便利になるんです。

<横のゾーン>

まず、キッチンの横のゾーンに注目しましょう。

シンク周り、調理台、コンロ周りの3つに分けられます。


コンロ周りにはフライパンなどの加熱や調味に使うモノ、シンク周りにはボウルなど水を使うモノを配置すると作業がスムーズになります。
使う場所に合わせて、モノの配置を決めるのがポイントです。

<縦のゾーン>

次に、縦のゾーンの配置を決めていきます。

立ったままで手が届くところが、一番取り出しやすいですよね。

背伸びしたり、かがんだりせずに手が届く“ゴールデンゾーン”に、使用頻度の高いモノを置くと、毎日の作業が楽になります。


使用頻度が低く軽いモノは高い位置に、重いモノは低い位置に配置するのがポイントです。


ムダな動きを省いて、家事ストレスを少なくしましょう。
浮いた時間は、子どもと触れ合う時間にあてられるといいですね。

※記事の内容や専門家の肩書などは放送当時のものです