知りたい! 離乳食の基本

すくすく子育て
2017年11月4日 放送

はじめての離乳食。どんなことに気をつけたらいいの? せっかく作っても、全然食べてくれない! 上手にかめるようになる方法は?
そんな離乳食のお悩みや疑問に、すっきりお答えします。

専門家:
草川功(聖路加国際病院 小児科医)
太田百合子(東洋大学非常勤講師 管理栄養士)

離乳食を安全に進めていくために気をつけることは?

離乳食をはじめて1か月がたちました。順調に進んでいるのですが、衛生面がすごく気になっています。はじめたのが8月で真夏だったこともあり、食中毒になったり、大人より免疫力が低いので重症化することが心配です。買ってきた食材を新鮮なうちに調理して冷凍保存したり、食器を洗うスポンジやまな板も大人のものとわけたり、いろいろと工夫をしています。
これから、食べるものがどんどん増えてくるので、食物アレルギーが出てくるのではないかと不安になることもあります。
離乳食を安全に進めていくためには、何に気をつけたらいいのでしょう?
(6か月の男の子をもつママより)

衛生面も大事 でも離乳食の意味も考える

回答:太田百合子さん

安全面の徹底に関しては、もう少しリラックスしてもよいと思います。手をきれいに洗う、使う道具を清潔にしておくなど、ふだん、ママやパパの食事のときに気をつけているのと同じようなやり方で十分だと思います。

食中毒で気をつけることは、加熱するときは中までしっかり熱を通すこと、冷凍保存をするときはしっかり粗熱をとってから冷凍庫に入れることです。粗熱によって他の食材まで腐りやすくなることがあるので注意しましょう。また、冷凍でストックしたものは1~2週間で使い切るとよいと思います。

衛生面も大事ですが、離乳食には大事な意味がいろいろあります。おっぱいやミルクだけでは栄養が足りなくなるので離乳食で栄養をとること、味覚を豊かにすること、かむ練習をすること、などです。そういった意味を考えながら離乳食を進めていきましょう。

今後、食材の種類が増えるので、食物アレルギーが心配です。

はじめての食材は1日1品

回答:草川功さん

離乳食をはじめて、まだアレルギー反応が出ていないということですので、徐々に食材を広げていってよいと思います。
このとき、はじめて食べる食材の場合は、どのような調理をしたか、どれだけの量を食べたかなど、記録をとっておくことが大事です。
また、はじめての食材を何品か混ぜ合わせて1度に食べると、アレルギー反応が出たとき、どの食材の影響かがわかりません。新しい食材は1品ずつにしておきましょう。夜ごはんで食べて、その後、夜中などに反応が出ると対応も大変ですので、午前中やお昼に試してみるのがよいと思います。食べた後、何もなければ大丈夫と考えてよいと思います。

例えば、卵などはいつごろから、どうやって食べるのがよいですか?

離乳食をはじめて1か月ぐらいから 固ゆでした黄身を少量から試す

回答:草川功さん

卵はアレルギー反応が出やすいと言われている食材ですね。基本的には、離乳食をはじめて1か月ぐらいからはじめてよいと思います。卵の白身は黄身よりアレルギー反応が出やすいので、固ゆでにした黄身からはじめるのが一般的です。

食物アレルギー以外で気をつけることはありますか?

1歳未満の赤ちゃんには“はちみつ”を与えてはいけない

回答:草川功さん

1歳未満のお子さんには、はちみつを与えないようにしてください。はちみつに含まれるボツリヌス菌によって、重大な病気になることがあります。


離乳食 どうしたら食べてくれるの?

離乳食をなかなか食べてくれないことに悩んでいます。なんとか食べてもらうために、子どもが少しでも食べた食材をノートに書くようにしています。食べてくれた食材を、メニューに取り入れるようにしているのですが、なかなか食べる量が増えません。
いつまでもミルクを飲んでいるわけにはいかないと思っています。栄養が足りない部分が絶対に出てくるはずだし、早く食べものから栄養がとれるようになってほしいと思っています。
体重の増加が少なくなっていることも心配です。生まれたときは大きめだったのですが、最近は発育曲線の下のほうで⋯
どうしたら離乳食を食べてくれるのでしょうか?
(10か月の男の子をもつママより)

体重が少しでも増えていれば大丈夫

回答:草川功さん

体重が増えないと心配されているようですが、発育曲線に沿って少しずつでもちゃんと増えていれば大丈夫です。また、動きが活発なら、離乳食の進みを急がなくてもよいと思います。
ミルクを飲めているだけでも、まずはよかったと考えてください。

ミルクが大好きで離乳食を拒んでいる感じであれば、どう対処したらよいでしょう?

離乳食をお休みにしてミルクに切り替えてみる

回答:草川功さん

全く離乳食を食べてくれない場合は、いったん離乳食をお休みしてミルクの生活に切り替えてみましょう。その後、落ち着いたところで離乳食を再開します。
ママもお子さんもお互いがつらくなっているのであれば、気持ちに余裕を持つためにも、このように仕切り直すのもひとつの方法です。

食事を楽しめるように声かけをしてみる

回答:太田百合子さん

少し声かけが少ないのかもしれません。「これはお米だねぇ」「おいしいよぉ」など声かけをしていくと、もう少し食べたい欲が出てくると思います。
また、テーブルに固定するタイプの椅子は、抜け出せなくて使いやすいのですが、子どもにとっては食べさせられている感じになります。

足の裏が床につき、安定してふんばれるほうが、あれを食べたい、これを食べたいという意欲が出てきます。そういった椅子を選ぶのもよいと思います。


上手に“カミカミ”できるようになるにはどうしたらいい?

子どもが10か月でカミカミ期です。ですが、なかなか上手にかむことができなくて、少し心配しています。喉ごしのいいものだと、すぐに飲み込んでしまいます。でも、にんじんの角切りなどを飲み込もうとしてオエッとなったり、食べたものがそのままうんちで出てくることがあります。栄養がしっかりとれているのかなと心配になります。
カミカミが上達するような方法はありますか?
(10か月の女の子をもつママより)

赤ちゃんの口元の発達を知っておく

回答:太田百合子さん

赤ちゃんの口元の発達、舌の動きには段階があります。この段階を覚えておくと、離乳食づくりに役立ちます。

まず、離乳食を開始することが多い、5~6か月。このころは、舌で食べものを前後に送るだけなので、ポタージュ状のものがよいです。ものを飲み込む練習をしています。

7~8か月になると、舌と上あごでつぶせるようになります。ある程度形状があってやわらかいもの、豆腐ぐらいのかたさのものが目安です。押しつぶせることがわかったら、少し力をこめてつぶして、ごっくんと飲み込むようになります。

9~10か月になると、前歯も生えてきて、歯ぐきの上でつぶせるようになります。バナナぐらいのかたさのものが目安です。舌に乗せたとき、上あごではなかなかつぶせないので、奥の歯ぐきでつぶそうと、自分で感じるのです。

12~18か月になると、奥歯も生えてきます。前歯でかみ切って、歯ぐきでかみつぶすようなもの、煮込みハンバーグ程度のかたさが目安です。しっかりとかむことを覚えてくるので、ある程度形状があったほうがいいのです。

このようにして、赤ちゃんは食べることを学んでいきます。

スティック状のものをあげる

回答:太田百合子さん

前歯が生えていれば、1品だけスティック状のものを用意しましょう。リンゴを薄切りにしたものなどです。最初は食べにくいと思いますが、次第にしゃりしゃりと食べるようになります。
前歯は食べもののかたさを感じる“センサー”です。ですので、歯は使っていったほうがいい。ママが口の奥まで食べものを入れたり、やわらかすぎるものばかりにすると丸のみを覚えてしまいます。いろいろな種類を食べさせてあげましょう。

うんちに食べたものがそのまま出てくることは大丈夫?

成長とともに消化する能力が備わってくる

回答:草川功さん

野菜の小さなブロック状のものやコーンなどが、そのまま出てくることがありますよね。でも、全ての食べものがそのまま出てきているわけではありません。また、消化、吸収の能力もだんだん備わってきますので、徐々に大丈夫になっていきます。


同じものばかりを食べていることが心配⋯

子どもは、炊き込みご飯が大好きで、そればかりを食べてしまいます。本などを読んでいると、主菜、副菜、というようにわかれているものがほとんどです。今のままでは栄養面や食育的に問題はないのか心配です。
(1歳の男の子をもつママより)

食感や味覚の幅を広げ、食べられるものを増やす工夫も

回答:草川功さん

炊き込みご飯のように、いろいろな食材が入っていれば、自然に栄養面のバランスがとれると思います。でも、食感が違うもの、味覚が違うものなど、他のものを食べられるように少しずつ広げていったほうがよいでしょう。同じ食材しか食べない場合は、なんとか違うものを加える工夫を考えてください。
栄養の偏りが心配な場合、比較的使いやすいのがフォローアップミルクです。食事のひとつとして使えば、栄養のバランスがとりやすくなります。

好き嫌いは、子どもの偏食につながりますか?

楽しい食事の経験の積み重ねが大事

回答:太田百合子さん

赤ちゃんのころから、いかに楽しく食卓で食べてきたのか、その経験の積み重ねが大事です。
無理やり食べさせられていると、嫌な記憶として残ってしまいます。いろいろな味わいや食感を、いい記憶としていっぱい残してあげる。なんといってもママやパパがいて、みんながおいしそうに食べている光景を残してあげることが大事です。


ベビーフードって安全なの?

どうしても家事や育児に時間をとられてしまって、そういう場合はベビーフードを使うことがあります。ですが、安全性や濃い味付けになっているのではないかと気になっています。
ベビーフードを使うときの注意点などはありますか?
(11か月の女の子をもつママより)

国の基準があり安全面は守られている

回答:草川功さん

安全性については国の基準があります。乳児用の食品の規格があり、規格を満たしたものがベビーフードという名称を使えます。例えば、推奨する塩分の量などにあわせて商品がつくられています。ですので、安全は守られていると考えてください。

<日本ベビーフード協議会自主規格>

食品衛生法をはじめとする公的規格と日本ベビーフード協議会の自主規格にそって、厳格に管理し製造されている。

<ベビーフード指針(厚生労働省)>

医学的・栄養学的な観点から設けられた指針。
具材の大きさやかたさ、ナトリウム含量などが設定されている。

場面に合わせてベビーフードを活用

回答:太田百合子さん

子育ての中で大事なことは、生活のリズムだと思います。離乳食を何品もつくってヘトヘトに疲れて、それで生活リズムが乱れてしまう。そんなときは、ベビーフードを使った方がいいと思います。
また、外出時など、外で食べさせるとき、手作りの離乳食もよいのですが注意が必要です。手作りだと水分や塩分が多く、腐りやすい面があります。衛生面を考えると、ベビーフードを使ったほうがよいかと思います。


すくすくポイント
離乳食期に気をつけたい! 赤ちゃんの便秘

離乳食の時期に気をつけたい、赤ちゃんの便秘について草川功先生(聖路加国際病院 小児科医)に教えてもいらいました。

便秘になるのはいつから?

子どもが最初に便秘になる可能性があるのは、離乳食をはじめたときです。食べものが変われば、便も変わります。固形物を食べるようになると、固形のうんちが出てきます。腸の中で便の動きが悪くなると、便秘になる場合があります。

子どもの便秘の特徴

人の腸は、小腸から大腸、最後に直腸があります。幼児期は、直腸に便がたまると言われています。

便をためてしまうことで直腸が広がり、かたくて大きな便になります。これを無理に出そうとするとお尻が切れてしまうこともあります。

こうなると、力んでうんちを出そうとすると痛い、痛いので出すのをやめてしまうという悪循環につながります。

<便秘かどうかを見極めるポイント>

  • 食欲が落ちていないか?
  • 排便のときに痛そうにしていないか?
  • 離乳食がはじまってから、うんちの回数が大幅に少なくなっていないか?
  • 毎日排便があるけど、かたくてコロコロしていないか?

便秘になったらどうしたらいい?

のの字マッサージのコツ
「便秘かな?」と思ったら、まずは「のの字マッサージ」をしましょう。

赤ちゃんのお腹は、とても柔らかいですよね。ぐっと触っていると、便がたまっている場合はコロコロしたところがちゃんとわかります。そういったところを、ゆっくり押さえるような感じで刺激します。なでるのではなくて、少し押す感じが必要です。

綿棒でお尻を刺激
綿棒を使って、お尻を刺激するのも効果的です。

綿棒の綿の部分を、肛門にゆっくり入れます。肛門を傷つけないように、ベビーオイルやワセリンを塗っておきましょう。入れた後、広げるように、ぐるぐると回して刺激します。

刺激をしていると自力でうんちを出せなくなるのではと心配になるかもしれません。ですが、直腸にたまった便をしっかり出してあげることで、自然な排便ができるようになります。

それでも便秘が続く場合は、病院を受診しましょう。
また、少しうんちがかたくて血がついている場合も、早めに受診しましょう。お薬を使って少し便を柔らかくする、傷が早く治るような軟膏を使うなど対応を考えたほうがよいでしょう。

便秘に気づいたらすぐに対応することが大事です。
そのためにも、毎日のうんちの様子をしっかり観察しましょう。

※記事の内容や専門家の肩書などは放送当時のものです