2人目は産みたいけれど⋯

すくすく子育て
2017年10月7日 放送

1人育てるだけでもいっぱいいっぱいなのに、2人になったら大変さは2倍になる!?
仕事と子育てを両立しながらの出産も不安だし、2人目の出産には立ちふさがる壁が⋯。
そんな2人目を産みたいママたちの疑問や悩みにお答えします。

2人目は産みたいけれど⋯

専門家:
倉石哲也(武庫川女子大学 社会福祉学 教授)
福丸由佳(白梅学園大学 発達臨床心理学 教授)

2人目は欲しいけど、1人だけでも大変⋯ どうすればいいの?

長女の出産を機に、仕事を辞め育児に専念しています。2人目が欲しい気持ちはあるのですが、1人でもいっぱいいっぱいで、悩んだり、うまくいかないと落ち込んだり⋯。それが2倍になると思うと不安になります。パパに助けを求めようにも、平日は忙しく、休日も疲れて寝ていることが多いです。家にいる時間もあまりなく、子どもと顔を合わせることもほとんどありません。疲れているところをみると、今は話さないほうがいいかと、気を遣ってしまいます。
育児をほとんど1人で担っているので、子どもが2人になったときにやっていけるのかという漠然とした不安があります。どうすればいいのでしょう。
(2歳11か月の女の子をもつママより)

2人目は1人目の延長線上

回答:倉石哲也さん

みなさん、子どもが1人から2人になると、大変さが2倍になるのではと悩まれています。でも、経験のあるママに聞いてみると、大変さはだいたい1.5倍ぐらいだといいます。
子どもがいないところから1人目ができると、0だったものが1になります。それは、生活が変わる大変革なんです。ですが、子どもが1人から2人になるのは、今の生活の延長線上なので、思っているよりも負担は少ないと思います。
まずは、今後のことについて、パパと少しずつ話をされたほうがよいと思います。

日ごろの会話も大事

回答:福丸由佳さん

1人目の経験が財産になります。
例えば、遊園地のゴーカートに乗るとき、最初はドキドキして運転しますよね。どんな道がくるのだろうと思って、周りの景色も見ないで必死に運転します。でも、2周目になると「次にカーブがくるな、ここはアクセルを踏んでいいな」など見通しがついてきます。すると、隣の人と話をする余裕もでてきます。
同じように、1人目の子どもは、ママもパパも手探りで毎日必死に子育てをします。ママとパパの分担をどうするかなど、なかなかチームワークもとれないかもしれません。ですが、2人目は少し余裕がでてきて「ここはパパにやってもらう」など、やることの整理ができます。パパ自身も「ここはできるかも」といった気持ちになられる方も少なくありません。
そういう意味でも、日ごろの会話も大事です。お互いがどんな気持ちなのか、どんなことをやってくれたときがうれしいのかなど、パパとママで何気なく話していきましょう。


1人目との時間が減ることや、じっくり向き合えなくなるのが不安

2人目を考えているのですが、上の子との時間が減ったり、じっくり向き合えなくなってしまうのでは、という不安があります。実際はどうなのでしょうか。
(3か月の男の子をもつママより)

成長とともに違う関わりができる

回答:福丸由佳さん

1対1で向き合う時間は、成長とともにどうしても減っていきます。友達ができたり、違うことに興味を持つようになるからです。また、きょうだいがいる場合は、上の子と下の子との関わりがどんどん増え、そのやりとりの中で、上の子のいろいろな面が見えてきます。
1対1で向き合う時間は少なくなりますが、結果的には、子どものさまざまな面が見えたり、いろいろな関わりができるのです。

距離ができることで見える良さもある

回答:倉石哲也さん

1人目の子どもと、じっくり向き合うことは大事なことです。一方で、距離ができると、子どもの良いところがかえって見えることもあります。じっくり見過ぎると、お互いに息が詰まりそうになることもありますが、距離を置くと「こんなこと1人でできるんだ」など、良いところが冷静に見えてきます。
少し距離ができたり、じっくり関わることができなくても、良い面があります。


仕事と育児の両立はできる? すぐに産休・育休はとりづらい⋯

産休・育休が終わり、1年半ぶりに仕事に復帰しましたが、働きながら2人目を産むことを悩んでいます。
育児と家事と仕事の両立を考えると、2人目を産むなら働き方を変えなければいけないと思っています。通勤には1時間半かかり、毎朝7時には子どもを保育園に送らなければなりません。職場の人にも負担をかけているのではと心配しています。復帰した後も休みが多かったり、時短勤務であることも引け目を感じます。職場は働きやすく理解がありますが、周りに同じようなママさんが少ないので相談できる相手がいません。
子どもが増えたら育児と仕事の両立ができるか不安です。復帰したばかりで、また産休や育休をとるのもためらいがあります。どうすればいいのでしょう。
(1歳9か月の女の子をもつママより)

いつか恩返しをしましょう

回答:福丸由佳さん

育児と仕事の両立や、ワークライフバランスなど、最近よく言われますよね。そういったことばは、とてもキラキラとして聞こえますが、実際にはそんなにうまくいきません。デコボコした道をよろよろと進んで、少しずつできるようになることだと思います。
決して1人でできることではありません。ご家族や、民間のベビーシッターさんや、行政のファミリー・サポートなど、周りの協力が必要になります。

周りに迷惑をかけてしまうと感じてしまうかもしれません。ですが、この時期がずっと続くわけではありません。子どもに1番手がかかるのは、5年から10年です。その時期が終わったら、職場に恩返しをしていきましょう。借りたらすぐに返すではなく、子どもから手が離れたらできることがあるかもしれないという気持ちでいましょう。そのように社会全体が“お互いさま”と思えたらいいですね。

夫婦がチームになることが大事

回答:倉石哲也さん

子育ては親1人だけでやるものではないと、昔から言われています。どういう人の手を借りていくかを考えるのも大事なことです。
また、最近「チーム育児」ということばが言われています。夫婦で1週間のスケジュールを書いて、役割分担を確認したりするのもよいと思います。
保育園には、同じような悩みを持つママがいるかもしれません。職場以外で相談できる方がいるといいですね。

チーム育児ができればいいのですが、メンバーが集められないときに、どうやっていけばいいでしょう?

区役所や保育士に相談する

回答:倉石哲也さん

区役所や子育て支援センター、保健所などへ相談してみてはいかがでしょう。
また、保育士さんは、どこでサポートが受けられるかなどの情報を持っていることが多いので相談してみましょう。


年齢の近いきょうだいを育てるのは大変?

2人目を希望していますが、年齢の近いきょうだいになると思うと、赤ちゃんが2人いるような状態になるんじゃないかと思って、心配になります。
(11か月の男の子をもつママより)

上の子をケアすることが大事

回答:倉石哲也さん

年子でなくても、上の子が赤ちゃん返りになったり、できていたことをしなくなったり、少し手をわずらわせるようなことが、どうしても出てきます。このような場合、まず上の子をケアすることが大事です。上の子をきちんとケアしておくと、その後、上の子が下の子を大事にするようになります。
また、ママ自身のケアも必要です。1人目と2人目が連続すると、子育てが大変で外出が難しくなり、ストレスをためてしまいますので、お友達に遊びにきてもらうといいですね。お友達のお子さんと上の子を遊ばせたりできます。
このように、ママ自身が家から出ることができないようなとき、どうしたらいいかをイメージして考えておきましょう。

お兄ちゃんお姉ちゃんは褒めるときに使う

回答:福丸由佳さん

この数年はしかたがないと思って、逆に「こんな大変なのによくやってる!」ぐらいの気持ちで、子育てをされてみてはいかがでしょうか。
ここで気をつけて欲しいのは、上の子に「お兄ちゃん、お姉ちゃん」と言うときです。1年でも違えば、どうしても言いたくなりますよね。「お兄ちゃんなのにそんなこともできないの?」「お姉ちゃんなんだから我慢しなさい」と言ってしまいがちです。「お兄ちゃん、お姉ちゃん」と言うのは、やさしくできたとき、おもちゃを貸してあげられたときなど、むしろ褒めるときにこそ使ってください。「さすがお兄ちゃんだね」と言ってあげてください。


1人っ子だとわがままになりそう どう育てたらいい?

子どもを1人育てています。もしこのまま、1人っ子だった場合、これからどのような育て方をしていけばよいでしょうか。きょうだいがいないことで、協調性がなかったり、わがままになったりしないかと不安です。
(7か月の男の子をもつママより)

ママパパ自身がネットワークを広げる

回答:倉石哲也さん

子どもの発達で考えると、1歳半から2歳ぐらいまでは、親子一緒に楽しく、一生懸命愛情を注いであげてください。
その後、お友達ができるなど、子どもの社会性がだんだんと発達してきます。子どもの社会性という意味では、このとき親自身が友達をつくっていくことがポイントになります。ママ同士やご家族同士など、人間関係の輪を広げていくと、子どもの輪も広がっていきます。

1人っ子だからといって、わがままにはならない

回答:福丸由佳さん

1人っ子だから協調性がなかったり、わがままになることはないと思います。
例えば、家庭では、きょうだいとの関わりがなくても、大人とのコミュニケーションが多くなりますよね。おやつを取り合うような経験が少ない分、おっとりとした子が多いかもしれませんが、それが悪いことではありません。親が、いろいろな体験をさせてあげることも十分にできます。
私が教えている学生にも1人っ子はたくさんいますが、リーダーシップがあったり、気が利いたり、いろいろなタイプの学生がいます。


すくすくポイント
2人目を産んだママの話を聞いてみよう!

2人目の出産で悩んでいるママたちの声を聞くと、経済的な不安や、肉体的・精神的な負担、そして仕事との両立など悩みはさまざま。
そこで、実際に2人目を産んだママたちはどう思っているのか聞いてみました。

東京都 中村さんの場合

ママが不安だったのは、上の子がとても甘えん坊だったこと。
ところが、2人目が産まれると、上の子が赤ちゃん返りをすることもなかったそうです。「だっこして」とよく言ってくるけど、我慢することを覚えたといいます。「順番だからね」と言うと、きちんと待って、自分の番がくるとたくさん甘えるそうです。
さらに変わったのがパパ。1人目のときはだっこも怖いと言ってあまりしなかったそうです。でも、ひとつずつパパに教えていったら、できるようになったといいます。2人目が産まれたら「だっこも俺がやるよ」「寝かしつけもするよ」と、すごく手伝ってくれるそうです。

千葉県 酒井さんの場合

ママが不安だったのは、経済的な負担が増えること。
ところが、2人目が産まれると、上の子のお下がりや友達からのお下がりを利用して新しく購入するものが上の子のときよりはるかに少なかったそうです。
さらに、2人目が産まれてから上の子との時間を意識的に増やすようにすると、上の子が下の子が泣いていたらあやしてくれたり、ちょっとずつお兄ちゃんになっているそうです。

埼玉県 遠藤さんの場合

ママが不安だったのは、1人だけでも育児をするのが大変なのに、2人になったら面倒をみきれるのかということ。
でも、実際は予想したほど大変ではなかったといいます。少し放っておいたら勝手に寝るなど、2人目は本当に手がかからなかったそうです。周りから「2人目は放っておいても大丈夫」と言われてたけど、本当にその通りだったといいます。
さらに、ママは仕事もしているけど、それがリフレッシュになっているといいます。育児休暇中は昼食もまともにとれなかったし、トイレも行けなかったけど、仕事をしているとお昼休みに1時間、ゆっくり休めているそうです。


2人目を産んでみて初めてわかることもたくさんありますが、みなさんも参考にしてみてください!

※記事の内容や専門家の肩書などは放送当時のものです