知りたい! 睡眠と昼寝

すくすく子育て
2017年9月9日 放送

夜、何回も目を覚ましてしまう。こんなに寝相が悪くて、ぐっすり眠れているの? 眠いはずなのに、お昼寝を嫌がるのはなぜ?
子どもの睡眠にまつわるさまざまな疑問にお答えしていきます。

専門家:
榊󠄀原洋一(お茶の水女子大学名誉教授・小児科医)
加藤祐見江(埼玉県川口市役所保健センター 保健師)

1歳を過ぎたのに夜に何回も起きる。まとめて寝なくても大丈夫?

子どもが1歳を過ぎてもまとめて寝ません。夜に何度も目を覚まします。夜9時には寝るのですが、2~3時間たつと必ず目を覚まします。その後も、2~3時間おきに目を覚まします。1歳になると「続けて寝る」と聞いていたので心配です。
まだ3時間以上まとめて寝たことがありません。私自身、朝まで続けて寝ることが1年以上ありません。いつになったらまとめて寝るようになるのかと悩んでいます。
(1歳1か月の男の子をもつママより)

ママも一緒にお昼寝をして体を休めて

回答:加藤祐見江さん

日中、子どもの機嫌がよければ問題ありません。
ただ、ママが大変ですので、子どもがお昼寝をしているときにママも一緒に休むなど、ご自身の体をいたわってください。

睡眠は個人差が大きい

回答:榊󠄀原洋一さん

生まれたばかりの赤ちゃんの睡眠時間は約15~16時間ですが、こま切れに眠ります。それが、だんだんまとまって寝るようになります。夜寝る時間が増え、お昼に起きているようになるのです。
ただ、そうなるまでには、眠る時間や間隔など個人差があります。個人差が非常に大きいのが眠りの特徴です。
なかには、敏感ですぐに目が覚めるという子もいますが、いずれまとめて眠るようになります。

夜、目が覚めてしまったら、どう対応したらいい?

部屋を暗く静かにして「夜は寝る時間」と習慣づける

回答:加藤祐見江さん

寝る時間を生活習慣にすることが大事です。
時間になったら、部屋を暗く静かにして「今は寝る時間だよ。静かにしようね。安心して眠ってね。」と声をかけましょう。


急に睡眠時間が短くなった! 発達に影響はないの?

夜はぐっすり眠るタイプでしたが、1歳になってから急に睡眠時間が短くなりました。例えば、夜9時に寝て、深夜12時に起きて、そのまま朝まで起きていたり。そういう日が3日続くこともあります。泣いたりぐずったりするわけでもありません。疲れたら眠るかなと思って、一緒に遊んでみたりするのですが、あまり変わらず。朝になって寝たり、お昼寝をすることもありません。睡眠時間が短くて大丈夫かなと心配です。
(1歳1か月の女の子をもつママより)

子どもは寝不足にならない

回答:榊󠄀原洋一さん

睡眠のリズムが乱れている感じがありますね。ただし、子どもは寝たいときに寝るので、基本的に寝不足にはなりません。
また、ショートスリーパー(睡眠時間が極端に短い人)と言われる子どもがいます。例えば、平均で10時間眠るところを、5時間程度で満足します。お子さんは、眠る時間が短いタイプかもしれません。
1歳からということなので、今後の様子を見ていかないといけませんが、子ども本人が元気であれば問題ありません。

親の緊張を子どもに伝えないように。夜はリラックスする

回答:加藤祐見江さん

ママ自身、毎日の予定があり大変だと思います。忙しくなると夜も慌ただしくなってしまうので、ママの緊張感が子どもに伝わらないように気をつけましょう。夜はリラックスを心がけてください。
また、少しずつ生活のリズムを整えて、思春期になって困らないようにしましょう。

子どもの体力が心配です。成長のさまたげになっていないか気になります。

子どもは疲れたら寝る。起きているのは体力があるから

回答:榊󠄀原洋一さん

体力は心配ないと思います。
大人が病気のとき「安静にしてください」と言いますよね。子どもには言う必要がありません。なぜなら、子どもは言われなくても疲れたら寝るからです。起きているのは体力があるからなんです。


泣いて寝言を言い続ける、どう対応したらいい?

子どもの寝言が気になっています。明け方の4時ごろ、急に泣きながら寝言を言い続けることがよくあります。
最初は驚いて「大丈夫?」とさすったりしていたのですが、寝言だったので聞くわけもなく、逆に「やだやだ!」とエスカレートしたり。無理に起こしても、それで泣いてしまったり、どう対応すればいいかわからないときがあります。眠りの質が悪くなっているのでは? という心配もあります。どのように対応したらいいのでしょうか?
(2歳10か月の男の子をもつママより)

寝言を言っていても眠りの質が悪いわけではない

回答:榊󠄀原洋一さん

寝言は、レム睡眠(浅い眠り)のときに言っていると思います。
寝言の内容によっては心配するかもしれませんが、眠りの質には関係ないと言われています。
ですから、寝言を言っているから眠りの質が落ちるわけではありませんので、心配はいりません。
寝言の多い少ないも、睡眠の個人差のひとつです。

参考:すくすくポイント 子どもの寝相はどうして悪いの?(レム睡眠とノンレム睡眠)

寝る時間帯ならそのまま寝かしつける

回答:加藤祐見江さん

最初はびっくりされたと思います。寝る時間帯であれば、そのまま「まだ寝る時間だよ」と寝かしつけてあげたらよいと思います。


お昼寝をしたがらない!睡眠時間は足りているの?

子どもが休日にお昼寝をしないことに悩んでいます。
平日はこども園に通っていて、午後1時にはお昼寝をしていますが、休日の土日は寝ようとしません。ですが、お昼寝をしないままだと、夕方に必ずぐずりだします。
なんとか昼寝をさせようとするのですが、どんなに眠くても、まったく寝ようとしません。睡眠時間が足りているなら、それでもいいと思うのですが、これで大丈夫なのか心配です。
(3歳8か月の男の子をもつママとパパより)

昼寝はしなくてもよい

回答:榊󠄀原洋一さん

赤ちゃんはこま切れに眠ります。それが昼は起きて夜は寝るように、だんだん眠りがまとまっていきます。ですが昼は長いので、ちょうど中間の午後2時ごろ眠くなる時間帯があります。そこで昼寝をするわけです。
昼寝にも個人差があります。まったく寝ない子もいれば、保育園では寝るという子もいます。いろんなお子さんがいるのです。昼寝は、しなくてはいけないものではありません。

子どもの昼寝の平均時間を調べてみると、このようになっています。

これは平均の時間であって、中にはまったく寝ない子もいれば、平均よりたくさん寝る子もいます。

おうちが楽しくて寝たくない

回答:榊󠄀原洋一さん

眠くても寝ようとしないのは、おそらく家で遊ぶのが楽しいからだと思います。楽しいときは寝たくないものです。退屈だったら寝てしまうと思います。
いろんなことをやりたいし、ママパパもいて、楽しくて起きていたいんですね。ある意味、非常にほほ笑ましいと思います。

気分を寝る方向に向ける

回答:加藤祐見江さん

気分を「寝る方向」に向けるためには、パジャマに着替えたり、部屋を暗くするとよいと思います。
寝るというよりは、みんなで「お昼寝ごっこ」をしようと誘ってみるのもいいかもしれません。
大きくなり、ある程度の年齢になれば、お昼寝なしで、夕飯も食べ、お風呂も楽しく入って、夜はぐっすり眠るようになると思います。


昼寝が長すぎて夜眠れなくなる、どうすればいい?

お昼寝を嫌がるのですが、一旦寝ると2~3時間ほど眠っています。そのせいか、夜眠れなくなるようで困っています。
お昼寝の時間を決めて起こすと、機嫌が悪くなったり「自分が起きたいときに起きるから、起こさないで!」と言われたりします。
(2歳10か月の男の子をもつママより)

お昼寝は午後3時くらいまでに切り上げる

回答:加藤祐見江さん

いずれ小学校にあがることを考えると、お昼寝の時間は生活全体でみて午後1~3時がちょうどいい時間だと思います。遅くとも午後3時にはお昼寝を切り上げてあげてください。先々を考えるとそのほうがよいかと思います。

お昼寝は深い眠りになる前に起こす

回答:榊󠄀原洋一さん

レム睡眠(浅い眠り)のときに起こすと、目が覚めやすいです。深い眠りに入ると、起こしてもなかなか起きず、起きても機嫌が悪くなったりします。お昼寝のときは、深い眠りになる前に「さぁ起きましょう」と起こしてあげるとよいと思います。

参考:すくすくポイント 子どもの寝相はどうして悪いの?(レム睡眠とノンレム睡眠)


子どもが早起き過ぎる!もう少し遅く起きてもらうには?

息子が早起き過ぎて困っています。朝の5~6時には起きてきます。夜寝る時間が多少遅くなっても、朝起きる時間は変わりません。4か月の妹の授乳のため午前3時半~4時には起きますが、落ち着いたころに息子が起きてくる感じです。もう少し遅く起きてもらえるといいなと思っています。
(3歳8か月の男の子と4か月の女の子をもつママより)

早起きを褒めた上で「まだ寝る時間だよ」と伝える

回答:加藤祐見江さん

早起きはいいことなので、まずは「早起きしてえらいね」と褒めてあげましょう。
その上で「まだ寝る時間だよ。みんな静かに寝てるよ。一緒に寝ようね。」と声をかけてください。

睡眠時間が短い子どもの場合、遅めに寝て調整することも

回答:榊󠄀原洋一さん

子どもは寝たい時間に寝て、起きたい時間に起きます。とはいえ、いずれ小学校に行くので、大人と同じ時間で生活できるようだんだん慣らしてあげないといけない。眠りには個人差があるので、どう眠りを調整するのかを考えましょう。

夜10時に寝て午前5時に起きているなら、睡眠は7時間になります。少し眠る時間が少ない子かもしれません。
この場合、ひとつの方法は、睡眠時間全体を後ろにずらすということです。寝る時間をもう少し遅くして、朝起きる時間を調整することも考えられます。


すくすくポイント
子どもの寝相はどうして悪いの?(レム睡眠とノンレム睡眠)

小さな子どもって、大人に比べると寝相が悪いですよね。
体の向きが180度変わっていたり、寝返りしながらあちこち動き回ったり、ときには起きあがって方向転換したり。
どうして、子どもの寝相はこんなに悪いのでしょうか?

寝相の悪さの秘密は、睡眠中に起こる眠りの種類、レム睡眠とノンレム睡眠にあります。

<レム睡眠>

レムとは「Rapid Eye Movement」の頭文字をとったものです。寝ているときに、まぶたの下で素早く(Rapid)目(Eye)が動く(Movement)ことから、こう名付けられています。
レム睡眠は、いわば「浅い眠り」です。体は寝ているけど、脳は起きている状態なのです。この眠りのときに、寝返りをしたり、夢を見たりします。

<ノンレム睡眠>

ノンレム睡眠とは、逆に目が動かない眠りのことです。
ノンレム睡眠は、いわば「深い眠り」です。脳も体も深く休んでいて、体はほとんど動きません。

レム睡眠とノンレム睡眠のサイクル

眠っているとき、レム睡眠(浅い眠り)とノンレム睡眠(深い眠り)が、一定のサイクルで繰り返えされています。

例えば、大人はレム睡眠とノンレム睡眠を、90~120分を1セットにして、眠りのサイクルを繰り返します。
幼児は1セットが40~60分と短く、睡眠全体でみたレム睡眠の割合が大人よりも多くなっています。
新生児だと、1セットが40~50分とさらに短くなり、寝ている時間の半分以上がレム睡眠になっています。

つまり、幼いときほど、浅い眠りであるレム睡眠の回数が多く、その割合も多くなっています。
小さな子どもが、目が覚めやすく寝相が悪いのは、レム睡眠が多いからなのです。

眠りと成長

レム睡眠(浅い眠り)が多くて、ちゃんと休めているのか心配になるかもしれません。でも実は、レム睡眠の間に、自律神経やホルモンのリズムを整えたり、記憶や感情を整理すると言われています。子どもの脳の発達のために、レム睡眠は欠かせないのです。

一方、ノンレム睡眠(深い眠り)は、体の発育に大切です。眠り始めてから2~3時間の間にあらわれるノンレム睡眠のときに、成長ホルモンが最も多く分泌されます。

つまり、浅い眠りのレム睡眠と、深い眠りのノンレム睡眠がセットになって、リズム正しく睡眠をとることが大事です。
小さな子どもの寝相が悪いのはレム睡眠のとき。この浅い眠りも成長には欠かせないのです。

※記事の内容や専門家の肩書などは放送当時のものです