赤ちゃんの足と靴

すくすく子育て
2017年5月20日 放送

ちっちゃ~い 赤ちゃんの足。初めての靴はどんなものを選べばいい?
よちよち歩きを始めた我が子、足の発達によい靴、悪い靴ってあるの?
子どもの足と靴について、とことん伺います!

すくすく子育て「赤ちゃんの足と靴」

専門家:
佐藤雅人(元埼玉県立小児医療センター副院長)
吉村眞由美(早稲田大学人間総合研究センター研究員)

初めての靴を買うとき、どこを一番のポイントにすればいいの?

ハイハイから伝い歩きを始めて、そろそろ初めての靴を買おうと思っています。母から、初めての靴は大事と聞いたので、ちゃんと選びたいです。デザインだけで選んでいいのか。試着しても本当に足に合っているかわからず選びづらいです。どこを一番のポイントにして選べばいいのか知りたいです。
(1歳1か月の男の子をもつママより)

赤ちゃんと大人の足は違います。発達を妨げない靴を

回答:佐藤雅人さん

靴は足の発達に影響を及ぼします。正常な発達を妨げない靴を選びましょう。
筋肉が発達するように、動くところは動いてくれないといけません。

子どもの足は、半分近くが軟骨で、本当の骨になっていません。
そのため、レントゲンの写真には写らないところもあります。
それが少しずつ増えてきて、6歳ぐらいで全部の骨が出現し、大人の足に近くなります。

また、足の形も大人と違います。特に赤ちゃんの足は、かかとが小さく前方が幅広い逆三角形のような形をしています。大人の足は、かかとも前方もだいたい同じような幅で細長い形になります。

子どもと大人では足の形も違うのです。そのような子どもの足の特徴にあった靴を選びましょう。

外で履くファーストシューズは、3~4歩しっかり歩けるようになってから

回答:吉村眞由美さん

最初に履かせるファーストシューズは、早く履かせたいという気持ちがあるかもしれません。ですが、しっかりたっちをして、自分で3~4歩、しっかり歩けるようになってから選ぶのがよいと思います。

赤ちゃんの靴選びのポイント

赤ちゃんの靴を選ぶときのポイントを見ていきましょう。

まず、足の甲を固定するための調節ベルトがついているもの。

そして、かかと周りがしっかりしたものを選びましょう。
子どもは骨と骨の連結が緩く、足が柔らかいので、ぐらつかずまっすぐ立てるよう支えられる丈夫なものを選びましょう。

靴底は、月齢によって合うタイプが変わります。

2歳までのよちよち歩きの期間は歩きが不安定なので、重心がぶれないよう靴を置いたときにぐらつかず、靴底が安定するものを選びましょう。
つま先が少し上がっていると、つまずきにくくなり、歩きやすく転びにくいのでおすすめです。

3歳程度でかけっこをするようになったら、地面を蹴りやすいよう、つま先から1/3くらいの部分が足の関節に合わせて曲がるタイプの靴底にしましょう。

中敷きが外せるタイプを選びましょう。
中敷きを外して足を乗せれば、適正なサイズがわかります。洗いやすい、履いたときの足の位置が確認しやすいなど、メリットが多く便利です。

足を入れるだけでスポッと履けるような靴を使っています。
ベルトがないタイプの靴は、履かせない方がいいのでしょうか?

激しい運動や、よく遊ぶときは使用を避けて

回答:吉村眞由美さん

スポッと履ける靴は、スポッと脱げやすくもあります。安定はよくありません。
激しい運動などには適さないと思います。
履かせるときは、激しい運動や、長く歩くとき、よく遊ぶときの使用を避けて、短い時間にしましょう。

正しい靴の履き方

靴の選び方も大事ですが、履き方も大事です。正しい靴の履き方を覚えてください。子どもの靴に多い、片側にベルトがついているタイプの靴で見てみましょう。

まず、しっかりとタン(ベロ)をひっぱって履きやすいように緩めます。

足を入れたら、つま先を上げて、かかとをトントンとします。ここがポイントです。
靴の後ろとかかとがついている状態が、靴を履くときの基本ポジションです。
常に、この状態をキープさせましょう。

ベルトを止めるときは、反対の手で靴の両側をぎゅっと寄せてから、ベルトを引き寄せしっかり止めましょう。
左右に偏らないようにベルトを止めることで甲が安定します。

ベルトを折り返して止めるタイプの場合、しっかり引っ張れば、靴の両側が寄せられます。
どちらのタイプも、両側を寄せることがポイントです。

靴を履くとき、つま先をトントンとするのは、草履や下駄の文化からきています。靴は、かかとが合った状態で、一番よい形で動くように設計されているので、「つま先トントン」ではなく「かかとトントン」するように心がけましょう。

また、日本人は靴をゆるく履く傾向があるので、ふだんより少しきついと感じるぐらいで履くとよいです。
しっかり固定されたほうが、歩いたり走ったりするには一番よいと思います。運動会などのときに靴紐をぎゅっと締めたときの感覚です。
幼児のころから、正しい履き方で、この状態を覚えさせましょう。


自分で「合っていない」と子どもは分からないようです。サイズを替えるタイミングは?

下の子は靴デビューしたばかり。お姉ちゃんが小さい頃に履いていた靴で歩くことが大ブームです。
お姉ちゃんは、サイズが大きくてもかわいい靴を欲しがります。大きすぎるのはよくないのか、わからない部分があります。
パパは子どもの頃、足がきつい、靴が小さいということがわからないまま、親が用意した靴を履いていて、気付いたら外反母趾になっていたそうです。
自分では「靴が合っていない」とわからない子どもに、どこをみて、靴を買い替えればよいのでしょう?
(5歳の女の子と1歳5か月の女の子をもつママより)

合わない靴は、外反母趾の要因のひとつ

回答:佐藤雅人さん

外反母趾の原因はいろいろあります。
靴が重要な要因のひとつであると言われていますが、それだけが原因というわけではありません。

つま先のゆとりが5mm以下になったら交換のタイミング

回答:吉村眞由美さん

靴の中敷きの上に足をのせて、つま先のゆとりを見ましょう。
歩くために必要なつま先のゆとりは約7mm~1cmが目安です。

ゆとりが5mm以下になったら靴を替えるタイミングです。

また、1.5cm以上だと大きすぎです。靴が大きすぎると靴の中で足が動き、爪や指先を痛めます。靴が脱げやすく運動しづらい状態になり、これが運動に対する苦手意識の原因になることもあります。

だいたい、どれぐらいの期間で足の大きさは変わっていきますか?

小さい子どもの足は半年で約5mm、1年で約1cm大きくなる

回答:吉村眞由美さん

小さい子どもの足は、半年で約5mm、1年で約1cm大きくなるという調査結果が報告されています。

歩くためのゆとり(7mm~1cm)に加えて、成長のための余裕(5mm程度)を考えると、新品であれば1.5cmぐらいのゆとりがある靴を買えば、履ける期間、買い換えのタイミングは半年程度となります。

もちろん、個人差があるので目安として考えてください。

中敷きが外せるタイプの靴はゆとりが見やすいですが、外れないタイプはどうしたらいいですか?

外見の変化や指先の異変を見る

回答:吉村眞由美さん

中敷きが外せない場合は、正しく靴を履いた状態で、つま先を指で押すなどして確認します。
つま先がパンパンになっている、足の指先が赤くなっているなど、外見の変化や指先の異変に気を付けましょう。

子どもが自分好みの靴を欲しがって、親から見るとあまりよくないと思う場合はどうしたらいいでしょう?

靴の機能をきちんと揃えたものを

回答:佐藤雅人さん

靴を好みだけで選ぶのは、あまりよくありません。
親の視点で、靴の機能をきちんと揃えたものを与えてあげるのが、子どもにとっても大事なことです。

靴は足をつくるための大事な道具

回答:吉村眞由美さん

靴は足をつくるための大事な道具なので、経験と知識のある人が選ぶべきです。
日本では親世代も含めて、見た目重視のかわいい靴で育ってきている背景があり、その点の認識が不足しています。
靴は子どもが選ぶおもちゃではないと意識しないといけません。

靴は「足をよくする薬」のようなものです。「お薬だから、小さいとまだわからないから、いっしょに選ぼうね」など、子どもだけで選べない大事なもの、大人と一緒に選ぶものだと教えましょう。


足首が安定した靴、いつまで履かせる?

歩き始めの頃、足首がゆるくぐらぐらしていました。何もないところでつまずいたり、わずかな段差で転んだり。
足首の安定性を高めたいこともあって、最初のころからずっと足首までカバーするタイプのミドルカットの靴を履いています。
やっぱり足首は安定していないといけないかなと思っています。
足首の安定した靴、いつまで履かせたらよいのでしょうか?
(2歳9か月の男の子をもつママより)

足首を支えるのは安定にはよい

回答:吉村眞由美さん

靴は、足首の部分が少し深めのほうが、支えてくれる高さがあるので安定はよくなると思います。

状態を見て、普通の靴に変える

回答:佐藤雅人さん

本当に足首が不安定な時期に使うことには賛成です。
ですが、ずっと使っていると筋肉が靴に頼ってしまって、足の発達に影響が出ます。

足首の状態を見て、ミドルカットから普通の靴にしたほうがよいと思います。
そのことで足の発達が促されます。


子どもの足の発達のために、親ができることは?

最近靴デビューしたばかりです。靴だけでなく、足の発達のためにできることはないかと考えています。
(1歳3か月の女の子をもつママより)

自由に足を動かすことで筋肉が発達する

回答:佐藤雅人さん

一番のポイントは、自由に足を動かすことです。ですので、それを制限するようなことをやめましょう。

足の筋肉が発達することによって、だんだんと大人の足に近づき、土踏まずもできてきます。
土踏まずは、3~4歳までにできあがりますので、それまでに、合った靴を履いて、はだしに近い状態でたくさん運動させてください。

坂や、でこぼこしている不安定なところを歩かせるのもよいです。何とかこらえようと、足の筋肉をよく使うためです。
そういう遊びをしてみてください。


靴下は、履かせた方がいい?

靴を履くようになりましたが、靴下を嫌がります。急いでいるときなど、靴下なしで靴を履くこともあります。やはり靴下は履かせた方がよいのでしょうか?
(1歳5か月の男の子をもつママより)

靴を履く場合は、靴下を履く

回答:佐藤雅人さん

靴を履く場合は、衛生上の問題もありますし、靴下を履いた方がよいと思います。
子どもに靴を履かせるときも、靴下があるほうが履かせやすいですね。

靴下は足のパンツ

回答:吉村眞由美さん

「靴下をどうしたらいいの」と聞かれることは多く、いつも「靴下は足のパンツだよ」と答えています。
下着は、ズボンを履くときには必ず着けるもので、摩擦から守ったり、汗を吸い取るなどの役割があります。
靴下も同じように足を守っています。「靴と靴下はセットだよ、履こうね」と促していきましょう。


すくすくポイント
楽しく足を使える運動遊び

親子で簡単に楽しめる、足を使った運動遊びを紹介します。

前橋明さん(早稲田大学人間科学学術院教授 医学博士)によると、1~2歳のころ、たくさん遊んで歩いておくと、転びにくくなるとのこと。
いろいろな足の使い方を知ることで、遊びの幅が広がるので、大人はそのお手伝いをしてあげてね。

支えてたっち ~ しゃがんでたっち

つかまり立ちができるようになったらやってみよう!
手をつないで向き合って、しゃがんで、立って。大人は手のひらを上に向けて、支えてあげよう。
「たっち!」と声をかけて反応して立つ遊びは瞬発力も育つよ!

ダンス

「支えてたっち」から発展して、ダンスをしてみよう!
リズムよく前後・左右にワンツー、ワンツー、と一緒に動こう。
いろいろな方向に歩くきっかけになります。

ぴょんぴょん

「支えてたっち」から発展して、1、2、3でジャンプもさせてみよう!
必ず声をかけ、子どもがとぶ力に合わせて引き上げてあげましょう。

歩いてぴょーん

自分でジャンプできないうちは、歩きながら声をかけて、ぴょーん!
はじめのうちは持ち上げられるだけでも、だんだん跳ぶことができるようになるよ。
持ち上げる前に必ず声をかけ、急に強い力で引き上げないように気をつけましょう。

ペンギン歩き

向かい合わせで大人の足にのって、ペンギン歩き。
歩幅や足の高さ、方向など、いろいろ変えて歩いてみよう。

ロボット歩き

ペンギン歩きが上手にできるようになったら、ロボット歩き。
二人で前を向いて。ロボットのように一緒に足を動かそう。
楽しみながら足で踏ん張る力がつくよ。

バランス歩き

いろいろなところを歩くのもおすすめです!
バスタオルや毛布を丸めて、平均台代わりにするなどやってみよう。
はじめは手をつないで一緒に。
バランスを取って歩くことで、身のこなしが上手になるよ。足の裏の感触が違うところを歩く経験も大事なんだ。


子どもは動くのが大好きだけど、大人が関わることで、もっと運動量を増やすことができます。
でも、うまくできない場合は無理してやらせないこと。まだ、その遊びや動作ができる段階ではないのかも。
楽しみながら、少しずつ新しいことができるように、お手伝いしてあげよう!

※記事の内容や専門家の肩書などは放送当時のものです