教えて! おっぱいの卒業

すくすく子育て
2016年7月2日 放送

「離乳食を食べてくれない・・・。おっぱいを卒業したら食べてくれる?」
「おっぱいの卒業は子どもの心にどのように影響する?」
「夜間の授乳は虫歯の原因になるって本当?」のように、おっぱいの卒業に関する悩みにお答えします。

「すくすく子育て 教えて!おっぱいの卒業」

専門家:
笠井靖代(日本赤十字社医療センター 産婦人科部長)
岩佐寛子(東京都助産師会世田谷目黒地区分会会長・助産師)

正しいおっぱいの卒業方法は?

回答:笠井靖代さん

決まった時期や方法はありません。
ママと赤ちゃんの両方が納得することが大事です。
両方の気持ちが一致しないとうまくいかない、というのが、おっぱいの卒業の難しいところですね。


おっぱいの卒業をどう考える?

回答:岩佐寛子さん

おっぱいを卒業することで、これまで、母乳でつながっていた赤ちゃんとのつながりがなくなるため、寂しいと感じるママも多いと思います。
しかし、赤ちゃんにとって、おっぱいの卒業は新しいステップです。前向きに考えましょう。
授乳以外にもママと赤ちゃんがつながるものはたくさんありますよ。


おっぱいが大好きで離乳食が進まない!卒業するべき?

娘は、離乳食をなかなか食べてくれず、食べてくれても途中であきてしまい、おっぱいを欲しがり泣いてしまうことがあります。
1歳を過ぎた頃から身長や体重が増えている感じがしないので心配です。
おっぱいを続けているから離乳食が進まないのでしょうか?
また、子どもの成長のためには、早くおっぱいを卒業したほうがいいのでしょうか?
(1歳1か月の女の子をもつママより)

おっぱいを卒業することと離乳食が進むことは分けて考える

回答:笠井靖代さん

おっぱいが卒業できたからといって、離乳食が進むとは限りません。
おっぱいを卒業することと離乳食が進むことは分けて考えましょう。

離乳食の完了は、一般的には、12か月~18か月ごろと言われていて、完了の条件としては、下記の2つがあげられます。

離乳食の完了の条件

  • 必要なエネルギーの大部分を食物から摂取できるようになること(1日3食と間食)
  • 食べ物を歯ぐきでかみつぶせるようになること

「おっぱいを卒業すること」が、離乳食の完了の条件ではないため、離乳食が完了しても、おっぱいやミルクをやめる必要はありません。
おっぱいの卒業は、急がなくても大丈夫です。まわりと比較せず、赤ちゃんのペースに合わせてあげましょう。

おっぱいと離乳食が並行すると、栄養をとりすぎて太ってしまうのではと心配される方もいらっしゃいますが、問題ありません。子どもは1歳ごろになると体をより動かすようになり、大人よりも代謝が活発なため、エネルギーが必要なのです。

子どもの成長は、個人差も大きいため、短期間ではなく長い目でみてください。
1か月の間、体重が増えていないからといって、そこまで気にすることはありませんよ。

それでも離乳食の進みが気になる場合は、歯ぐきで噛みつぶせる固さにするなどの工夫をして進めていくといいと思います。

回答:岩佐寛子さん

食事のとき、ママと赤ちゃんは一対一で向き合って、赤ちゃんに食べさせることが多いと思いますが、家族そろって楽しく食事をすると、離乳食が進みやすくなるかと思います。
パパとママの食事に仲間入りして、パパとママがおいしそうにご飯を食べていると、赤ちゃんも食事に興味を持って、自分から手を伸ばしてくれるかもしれません。
無理に食べさせるのではなく、楽しい雰囲気で食事ができるように心がけてください。

また、生活リズムを整えることも大切です。たくさん遊ぶと、もりもり食べてくれることもあるため、早く起きて、たくさん遊んで、寝るというように生活リズムも考えてあげるといいかと思います。


夜のおっぱい、どうしたらやめられる?

おっぱいの卒業を考えています。でも、娘は家にいると、どうしてもおっぱいを欲しがってしまうため、昼間は、朝から公園に行き、遊ぶようにしています。遊んでいるとおっぱいを欲しがることはありません。また、遊び疲れているため、お昼寝のときに、おっぱいをあげなくても寝てくれます。
でも、夜寝るときのおっぱいのやめ方がわからず悩んでいます。寝る前に、絵本を読み聞かせてあげたり、マッサージでリラックスさせてあげたりして、娘の気を紛らわせているのですが、それでも、おっぱいがないと寝てくれません。夜中には何度も起きておっぱいを欲しがって泣いてしまいます。どのようにしたら、やめられるのでしょうか?
(1歳2か月の女の子をもつママより)

お風呂のあとにおっぱいをあげてしまう

回答:岩佐寛子さん

お風呂から上がったあとに、おっぱいをあげてしまうのもひとつの方法かと思います。
まずは、おっぱいをあげて満足させたあとで、絵本を読む、または、ライトを暗くして、静かな音楽を流すなどのリラックスタイムにしてあげるといいかと思います。

また、寝る前の絵本を1冊決めてみてください。これを毎日続けて習慣化させると、「この本を読むと寝るんだな」と思うようになるため、オススメの方法です。

泣いたときにおっぱいをあげるメリットもある

回答:笠井靖代さん

夜のおっぱいをやめるために、さまざまな工夫をされていますが、泣いたときにおっぱいをあげるメリットもあります。赤ちゃんが怖い夢などを見て、不安で泣いたときに、おっぱいをあげると安心したり、“すぐに”泣きやんでくれたりしますよね。
この泣きやませを、おっぱい以外の方法でやろうと思うと、すぐには泣き止んでくれず、お母さんもヘトヘトになってしまうと思います。おっぱいをあげて、すぐに泣き止んで寝てくれるのであれば、おっぱいをあげることは、お母さんが楽になることでもあります。

この時期の赤ちゃんは夜泣きが多く、夜中に何度もおっぱいをあげることは、お母さんにとって、とても大変なことです。しかし、おっぱいの卒業を急がなければと思うと、このようなおっぱいをあげることのメリットがわからなくなってしまうのではないかと思います。
夜泣きが続くのは赤ちゃんの限られた時期です。2、3歳になると、徐々に夜泣きも減ってきますので、夜泣きの多い時期におっぱいの卒業を急がなければと考えなくてもいいかなと思います。


おっぱいの卒業による子どもの心への影響は?

育休から仕事に復帰して半年が経ち、仕事も本格的な内容になったため、忙しくなってきました。仕事が忙しい中で、朝も夜も授乳を続けていると、私のからだも疲れてくるため、おっぱいの卒業を考えています。
息子は保育園に通っているのですが、日中一緒に過ごせない分、おっぱいが子どもの心のよりどころになっている気がします。おっぱいをやめることが、息子にとってはストレスになるのでしょうか?
(1歳5か月の男の子をもつママより)

回答:笠井靖代さん

保育園での生活は、集団の中で我慢することもあり、子どもなりにとてもがんばっています。
迎えに来た大好きなお母さんに飛び込んでいくのは、当然の反応だと思います。

授乳は、赤ちゃんのうちでも一時のことなので、できれば、子どもが自然におっぱい以外のことに興味を持つまでは見守ってあげられるといいのではないかと思います。
授乳以外でお父さんに手伝ってもらえることは、手伝ってもらうなどして、おっぱいを無理に卒業させるのではなく、卒業しなくてもいい方法を考えてみてもいいかもしれません。

回答:岩佐寛子さん

まず、これまで仕事と育児、家事を両立して、授乳を続けてこられたことは、誇りに思ってください。
子どもに対して罪悪感を持つ必要はありません。

おっぱいを卒業させる場合は、1か月前からお子さんにも「このあたりでバイバイするよ」と伝えておくといいかなと思います。
卒業するかわりに、「おっぱい以外にも楽しいことがたくさんあるよ」「大好きだよ」ということを伝えて、スキンシップをとって愛情を伝えてあげましょう。
おっぱい以外の飲み物や食べ物などで気を紛らわせてあげてもいいと思います。


授乳を続けることでお母さんの体に影響はある?

インターネットや本で、授乳を続けると、「妊娠しづらくなる」「将来、骨粗しょう症になるリスクが高くなる」ということを見たことがあるのですが、本当なのでしょうか?
(1歳1か月の男の子をもつママより)

回答:笠井靖代さん

妊娠しづらくなるという件についてですが、20代~30代前半で自然妊娠された方は、授乳中であっても半年~1年ほどで生理が再開することが多いです。生理が再開すれば、排卵も始まります。また、子どもが1歳ぐらいになると、離乳食も進むため、乳汁の分泌も減ってきます。そうすると、再び自然に妊娠します。
高年齢の方や、出産から1年以上経っても生理が再開しない場合は、個別に医師に相談してください。

骨粗しょう症になるリスクが高くなるという件については、確かに授乳中は一時的に骨密度が低下すると言われていますが、生理が再開すれば元に戻ります。
しかし、生理が1年以上再開しない場合は注意が必要です。


親の希望で、おっぱいを長くあげるのは良くない?

3人目の子どもで、最後の子育てになると思います。出来るだけおっぱいを長くあげたいのですが、子どもがおっぱいよりもごはんが好きになっています。親のエゴで、長くあげ続けるのは良くないですか?
(1歳1か月の女の子をもつママより)

回答:笠井靖代さん

お子さんが望んでいないのだったら、やめてもいいのかもしれませんね。今まであげていたその期間を大切な思い出になさったらいいのではないかと思います。

回答:岩佐寛子さん

おっぱいにかわる楽しい関わりがいっぱいあるので、無理に続けなくてもいいかなと思います。


すくすくポイント
おっぱいやミルクで虫歯になる??授乳期赤ちゃんの虫歯予防のポイント!

ポイント(1)親の口の中を清潔にすること!

赤ちゃんの口の中には虫歯の原因となる細菌は存在しません。
赤ちゃんの虫歯は、親から感染する場合がほとんどです。
赤ちゃんに虫歯菌を移さないように、親側が必ず虫歯を治療しておいてください。

歯間ブラシやフロスを使って、口の中を清潔に保つことを心がけましょう。

ポイント(2)砂糖を控えること!

虫歯を予防するために一番効果的なことは、砂糖を控えることです。

というのも、虫歯は、虫歯菌が糖分を分解して歯こうを作ることが原因だからです。
歯こうの中の虫歯菌は酸を作り、この酸が歯を溶かします。これが虫歯のメカニズム。
そのため、砂糖を避けることが虫歯予防には一番効果的です。

虫歯のメカニズム

ポイント(3)歯みがきの習慣をつけること!

歯が生えてきたら、ガーゼか歯ブラシを使って、最低でも1日1回は歯を磨いてあげましょう。
夜におっぱいやミルクをあげる場合は、必ず夕食後に歯を磨いてあげることが大切です。

歯の表面についた歯こうをしっかり落としてあげると、虫歯になるリスクを下げることができます。


おっぱいやミルクだけで虫歯になるわけではありません。
「虫歯菌」「砂糖の摂取」「時間」などの条件が重なることで虫歯になります。

虫歯のメカニズムを知ることで、生活習慣を見直しましょう。

1歳を過ぎたら定期的に歯科検診をしておくと安心です。


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