赤ちゃん・子どもの便秘

すくすく子育て
2016年6月18日 放送

ある調査によると、子どものおよそ5割が便秘に悩んでいるといいます。
子どもが便秘で苦しんでいたら心配ですよね。
「薬は使ってもいいの?」「便秘にはどんな食事が効くの?」などの便秘に関する疑問についてお答えします。

「すくすく子育て 赤ちゃん・子どもの便秘」

専門家:
中野美和子(さいたま市立病院小児外科部長 排便外来)
上田玲子(帝京科学大学教授 栄養学)


便秘を解消するために大事なことは?

・子どもの排便に関心をもつ
・便秘に気付いたら早めに対処
(中野美和子)

・バランスのとれた良い食事をとる
・成長と便秘の症状にあわせた食材について知る
(上田玲子)


何日出ないと便秘?

生後7か月の子どもが上手に排便をすることができず、悩んでいます。
排便しようとすると、お腹が苦しいのか泣いてしまいます。
そのためか、授乳が終わったあとに、お腹が苦しくて吐いてしまったり、機嫌が悪くなったりすることが多々あります。
そもそもどのくらいの期間、排便しないと「便秘」となるのでしょうか?
(7か月の女の子をもつママより)

週に2日以下の排便は便秘

回答:中野美和子さん

週に2日以下の排便は、「便秘」と言っていいと思います。
しかし、毎日排便できていればいいというものではありません。排便したときに、かたくコロコロとした形の便があった場合は、注意が必要です。その頻度が少ない場合は、問題ありません。

子どもの様子を見て、以下の項目が頻繁に起こる場合は、便秘の可能性があるため、病院で受診されることをおすすめします。

<便秘を疑うポイント>
・苦しそうに排便している
・ふだんよりウンチやおならのにおいが強い
・お腹が張って固い
・機嫌が悪い(うんちが出ると機嫌がよくなる)
・食欲がない
・授乳してもすぐに戻してしまう(※これが頻繁になる場合は受診を!)


綿棒刺激は毎日やってもいい?

綿棒刺激は毎日続けても大丈夫

回答:中野美和子さん

綿棒刺激については、毎日続けても、問題ありません。
あくまでも肛門を刺激しているにすぎないため、これをやり続けることで、将来的に排便しづらくなることはありません。
便秘の場合には、やってあげた方がいいものです。

綿棒刺激の正しいコツ
綿棒は、子ども用の綿棒では、細すぎて刺激が不十分なため、簡単に折れない大人用の綿棒を使用します。
先端にワセリンなどの滑りをよくするものを塗りましょう。

赤ちゃんの足を持ち上げ、綿棒を肛門にゆっくりと差し込んでいきます。
挿入する際は、綿棒の先を背中の方向に向け、長さは大人の小指の第2関節までを目安にします。
挿入後は、綿棒で数回ほど肛門の中をグルグルと回してあげると、肛門の刺激になると思いますよ。


母乳育児中の赤ちゃんが便秘 何か対処法はある?

現在、母乳育児中なのですが、子どもの便がかたいため、排便の際に泣いてしまいます。
何か対処法はあるのでしょうか?
(4か月の男の子をもつママより)

母乳が不足している場合は、一時的に粉ミルクを足してあげる

回答:中野美和子さん

母乳でも粉ミルクで育った子どもでも、離乳食を食べ始める前から便秘になってしまう子どもはいます。その原因は、子どもが十分な量を摂取していないということにあります。
母乳育児をしているママは、まず母乳が足りているか確認してみてください。
自分の母乳不足を確認するポイントは以下の通りです。いくつかあてはまる場合は、母乳不足の可能性があるため、一時的に母乳と合わせて、粉ミルクも与えてあげるといいですよ。

母乳不足を疑うポイント

  • おっぱいはしっかり張っているか
  • 授乳後、乳首をなかなか離さないことがあるか
  • 授乳してもすぐに泣くことがあるか
  • 体重は順調に増えているか

麦芽糖もしくは3%の砂糖水を与える

回答:上田玲子さん

赤ちゃんの便がかたい場合は、便を柔らかくして、排便しやすくするという方法があります。
薬局などで市販されている麦芽糖もしくは、3%の砂糖水がいいと思います。
しかし、麦芽糖も砂糖水も、甘くておいしいため、たくさん飲みすぎてしまうと、哺乳量が減ってしまう場合があります。
そのため、多くても、月齢×10ccを1日量として守るようにしてください。(生後4か月の子どもの場合は、40cc)

それでも便秘が改善されない場合は、かんきつ類の果汁を等倍のさ湯で薄めて飲ませてあげてください。
その場合も、月齢×10ccを1日量として与えるようにしてください。


離乳食が原因で便秘になる?

子どもに食べさせている離乳食が2回食になったころから、3~4日分まとめて排便するようになってしまいました。
これは便秘なのでしょうか?
(9か月の男の子をもつママより)

軽症の便秘と言えるでしょう

回答:中野美和子さん

離乳食がはじまって、まとめて大量に排便する場合には、便秘の疑いがあります。

離乳食によって体調が変化する場合もある

回答:上田玲子さん

離乳食が原因で便がかたくなってしまった場合は、油を取り入れるといいと思います。
油は便を柔らかくし、かつ滑りも良くなるため、便の出も良くなります。

9か月ごろでしたら油分としてはバターがおすすめです。(※乳製品などへのアレルギーがある場合は与えないでください)
バターに含まれる乳脂肪は、母乳に含まれる脂肪とほぼ同じ成分のため、吸収されやすくなっています。
バターを与える際は、1食あたり小さじ4分の1~2分の1を目安に与えるようにしてください。

しかし、子どもの場合は急にお腹がゆるくなってしまう場合がありますので、与えるバターの量は、便の様子を見ながら取り組んでみてください。


何をやっても便秘がよくならない。どうしたらいいの?

息子は、赤ちゃんのころから便秘の傾向があるため、定期的に病院へ通い、下剤を服用しています。
ふだんから便秘の改善によいとされる運動や食事もしています。
特に食事は、息子が野菜好きと言うこともあり、よく生野菜のサラダを食べているため、水分も多く摂取しているのですが、一向に改善されません。
これ以上、何をすれば息子の便秘を治すことができるのでしょうか?
(3歳の男の子をもつママより)

3歳ごろの体は未熟。さらに腸の発達は個人差が大きい

回答:中野美和子さん

3歳ごろの子どもの体は未熟で、すべての部位が均一に成長していくわけではありません。
とくに腸の発達は個人差があります。
恐らく、いまは腸関係がゆっくり成長しているのではないかと思います。

野菜は加熱調理をして、たくさん食べる工夫をする

回答:上田玲子さん

子どもに野菜を食べさせるときは、加熱調理をしたものをあげてください。
生野菜はかさが多いため、たくさん食べたように見えても、実質量は少なく、摂取した食物繊維の量も少なかったということがよくあります。
そのため、野菜は加熱調理したものをたくさん食べるようにしてください。
加熱調理をすることで、食物繊維を多く摂取することができるようになります。

食物繊維の種類
食物繊維をとることは、とても大切です。腸内再起のバランスを整えたり、腸の動きを活発にする作用があります。食物繊維には以下の2種類あります。

  • 水溶性:便を柔らかくする食物繊維
    バナナ・りんご・イチゴ・みかん(かんきつ類)などのフルーツに含まれている成分

  • 不溶性:便のかさを増やす食物繊維
    青菜類・キャベツ・かぼちゃ・ブロッコリーなどに含まれている成分

この両方を合わせて摂取すると、相乗効果があります。

また、不溶性の食物繊維をとる際は、なるべく水分も一緒に摂取するようにしましょう。
不溶性の食物繊維を多くとりすぎてしまうと、コロコロとした形の便になってしまう可能性があります。

水分は、食後やおやつを食べたときだけでなく、こまめにとるようにするといいと思いますよ。

便秘改善には、便をためないこと、1日1回は排便させることが大事

回答:中野美和子さん

「便秘」というのは、体内に便がたまっていることが、病気の要因となっています。

まずは「たまってしまった便を出す」、「流れを良くする」ように心がけましょう。
可能であれば、1日1回排便させることが改善へとつながります。
そのため、下剤などの薬を使うことは問題ありません。
それでも改善されない場合は、座薬を使うといいと思いますよ。

便秘が治りにくい要因
便秘が治りにくい要因は、心理的な問題と、腸自体の問題の2つの悪循環があります。
その流れは以下のようになっています。

  1. 便が便秘によってかたくなる
  2. 排便が苦しい
  3. 排便が苦しいため、我慢をする
  4. 我慢をすることで、いつも体内に便がたまってしまうため、直腸の壁が伸びてしまう
  5. 結果、便意がおこりにくくなる

薬で便をためないようにすると、排便しやすい動きのよい腸に自然と戻っていきます。


生活習慣と便秘は関係している?

娘の起床が遅いことが心配です。家事は娘が眠っている内に片付けています。
便秘になりやすい原因の1つに生活習慣の乱れがあると聞いたことがあります。
実際に便秘と関係はあるのでしょうか?
(2歳7か月の女の子をもつママより)

生活習慣を整えることは、快便の基本だが、無理のない範囲で

回答:中野美和子さん

生活習慣を整えることは、快便の基本です。
「朝昼晩、大体決まった時間に3食バランスのいい食事をとること」、「十分な睡眠をとる」、これがとても大切なことだと思います。

しかし、「生活習慣を整える」とはいえ、子どもは様々な特徴を持っており、中にはふだんから朝寝坊をしてしまう子もいます。
また、朝は出勤の準備などで、とても忙しい家庭もあります。
さまざまな事情がある中で、生活習慣を整えるために、無理をする必要はありません。
無理に整えるのではなく、それぞれの家庭の状況に合わせた整え方をするといいと思います。

忙しい中で、「○時までに、子どもにごはんを食べさせなければいけない」のような行動する時間を決めた生活をしてしまうと、両親のピリピリした緊張感が、子どもに伝わってしまいます。
結果、「子どもは落ち着いた環境がないため、排便することができない」といった状態になってしまう可能性があります。
そういったことがないように、できるだけ「生活は楽しく」「食事はおいしく」を心がけるようにしてください。

朝ごはんには、水分、ビタミン、ミネラルをとるといい

回答:上田玲子さん

夜ごはんを食べるのが遅いと、朝起きたときにごはんを食べられなくなることがあるため、夜ごはんの時間を調節してあげるといいと思います。

朝の起床後の体は、排泄しようとしています。
その働きを助けるためには、フルーツや、野菜のスープなどをきちんととるといいと思います。
水分、ビタミン、ミネラルをきちんととることで、便秘が解消することがあります。

幼稚園に通うようになると、自然と生活のリズムができてくるため、あまり生活習慣の乱れを心配する必要はありません。


母乳育児の場合、母親が食物繊維をとることで、赤ちゃんの便秘が解消しますか?

回答:中野美和子さん

食物繊維をとることでママの腸内環境が良くなることにより、体の調子がよくなって、子どもにいい影響があることがあるかもしれませんが、ママが食べた食物繊維が赤ちゃんの腸に直接伝わることはありません。

回答:上田玲子さん

母乳に食物繊維が出るということはありません。
ただ、ママが食物繊維をとるような食生活をしていると、将来子どももそのような食生活になるので、食物繊維をとる習慣を続けることは大切です。


すくすくポイント
子どもがトイレに行きたくなる絵本

子どもにとって、トイレトレーニングは自立の第1歩。
子どものトイレに対する不安を解消してくれる楽しい絵本を紹介します。

みんなうんち 作:五味 太郎

なんでうんちがでるの?
なんでトイレでしなきゃいけないの?
そんな子どものギモンに答えてくれる、ママやパパが子どもの頃から読まれている絵本です。
トイレにいくことは特別なことではなく、みんなやっている自然なことだと子どもが納得できるような内容になっています。

ノンタン おしっこしーしー 作・絵:キヨノ サチコ

いろんな動物たちが「しーしー」とおしっこをする様子が可愛らしく描かれています。
オムツの赤ちゃんにもおすすめ。子どもがトイレにチャレンジしたくなるような絵本です。

ゆっくとすっく トイレでちっち 絵:さこ ももみ 作:たかてら かよ

「トイレは怖い場所」と思っている子どもにおすすめの絵本です。
「こんなトイレがあったらいいな!」と、トイレのイメージが楽しくなるお話です。

うんこちゃん 作:のぶみ

主人公のかんたろうに突然うんちが語りかけてくる奇想天外なストーリーです。
「うんちは嫌だ!」そんな子にオススメです。これを読んであげると、自分のうんちにちょっと愛着がわいてくるかもしれませんね。

うんぴ・うんにょ・うんち・うんこ 作:村上 八千代 絵:せべ まさゆき

子どもが文章を理解できるようになったらこの絵本がおすすめです。
どんなときにどんなうんちがでるか、わかりやすく紹介されています。
「きょうはどんなの出るかな?」と、毎日のうんち観察が楽しみになる絵本です。

トイレトレーニングに役立つ絵本は、他にもたくさんあります。
親子でお気に入りの1冊を見つけられるといいですね。

トイレは楽しいところ!と思ってもらえるような絵本を選んでみて下さい!

※記事の内容や専門家の肩書などは放送当時のものです