気になる! 子育てにかかるお金

すくすく子育て
2016年5月21日 放送

子育てに関する悩みの中でもっとも多いのは、「お金」に関する悩みごと。
食費だけでなく、洋服や習いごと、学費など。子育てには何かとお金がかかりますよね。
子育てにまつわるお金の疑問についてお答えします。

「すくすく子育て 気になる!子育てにかかるお金」

専門家:
汐見稔幸(白梅学園大学学長 教育学)
内藤眞弓(ファイナンシャルプランナー)

習いごとの費用は家計の何%が目安?

現在、子どもにはベビースイミングと幼児向け通信教育の2つを習わせており、月々の習いごとの支出は約7,000円です。今後はピアノや英語を習わせたいと考えていますが、習いごとを増やすと家計への負担が多くなってしまうことが心配です。習いごとは、家計費の何%までを充てていいのでしょうか。
(1歳4か月の男の子をもつママより)

将来を見据え、修正しながら考える

回答:内藤眞弓さん

収入や生活ぶりは各家庭それぞれで異なるため、「○%までなら教育費に充てていい」と断言することは難しいと思います。収入の中から、税金と社会保険料をひいたお金でやりくりしていくことが必要です。そこから生きるために必要なお金を差し引き、残ったお金の中から教育費をやりくりするわけですが、今だけではなく、将来のための貯蓄にもまわさないといけません。
習いごとにあてられる費用を考える際は、子どもの成長に伴って生活費が増える、収入が右肩上がりとは限らないなど、予測できる変化について考えながら、少しずつ修正するといいと思います。

子育て世帯のお金の使い方に関しては、「我が家の実力を知ること」がポイントになります。その上で、「想定外を考え予測運転をすること」が大切ですね。


習いごとはいろいろさせるべき?

「3歳くらいまでに習いごとをさせると、その後の発育が変わってくるのではないか」と考えるママが多いと思いますが、小さいうちから習いごとはさせるべきなのでしょうか?

やりたい気持ちがなければ成果は上がらない

回答:汐見稔幸さん

お金に余裕があって、いろんな習い事をさせられる状況でも、習い事の成果がそのみかえりとして帰ってくるかというと、そんなに単純なものでもありません。
小さい子どもに習いごとをさせても、自分が「これをやってみたい」、「できるようになりたい」という気持ちが豊かにない限り、成果は上がらないということもわかってきました。
興味がないものを無理にさせても、「強制された」という感覚が残り、大きくなったときにやりたくなくなったり、人格的にも意欲がなくなってしまう可能性があります。

子どもが「やりたいこと」の中で、最も喜ぶのは遊びです。そのため、いろいろな遊びを子どもにさせてみて、「これが大好きだ」と思うものに関しては、思い切り挑戦させてあげましょう。
そういった土台があった上で、適した習いごとをさせてあげると、より能力を伸ばすことができると思います。


お金の適切な管理方法を身につけさせるには?

子どもには、適切なお金の使い方や管理の方法を、将来的には身につけてほしいと考えています。小さいうちからできるお金にまつわる学習方法はあるのでしょうか?
(1歳9か月の男の子をもつママより)

「お金」について学ばせるよりも、我慢させるしつけをする

回答:汐見稔幸さん

小さいころから、「お金とはどういうものか」について学ばせることは、難しいと思います。
それよりも、子どもが「何か買ってほしい」とねだってきたときに、「うちには今それを買うお金がないのよ」「この間買ったばかりだよね」など我慢することを身につけさせるといいと思います。

昔は、子どもが何か欲しがったときは、「半年欲しがったら買ってあげる」と親は子どもに言い聞かせていました。当時は物やお金があまりなかった時代ということもありますが、お金に余裕があろうとなかろうと、子どもがお金を大事にするためには、そのくらいのしつけが必要なのです。
なんでもすぐに買い与えてしまうと、お金の価値が分からない子どもに育ってしまうため、注意が必要です。

親のお金の使い方を少しずつ見せる

回答:内藤眞弓さん

「人もお金も大事にする人のところに集まるんだよ」と、親が子どもに言って聞かせ、かつお金を大事にする姿勢を少しずつ子どもに見せるといいと思います。
子どもは親の様子を見て、真似をします。それはお金の使い方に関しても同様です。親が見栄を張って物を買う姿を見ていれば、子どもも同じように真似をしてしまいます。
親がお金を大事にする姿を見せていると、自然と子どもにも身につくのではないでしょうか。


大学卒業までにかかる費用はどのくらい?

将来的に娘を大学まで通わせたいと考えているため、いまできるところから節約をし、貯蓄しています。しかし、いくら貯めておけばいいのか分からず、ただ貯蓄している状況です。公立の学校に通わせた場合と、私立に通わせた場合で、それぞれどのくらいの費用がかかるか知りたいです。
(5か月の女の子をもつママより)

高校と大学は私立の可能性も考えて貯蓄

回答:内藤眞弓さん

中学校までは、公立の学校に通うことを希望する人が多いです。ですが、高校からは公立を希望していても、希望通りにいかないということもあるため、私立の学校に通うということを予測しておく必要があります。そのため、「高校と大学は、私立の学校に通う」という可能性も考えて貯蓄すると、後々慌てることもないと思います。

幼稚園から高校まで公立の学校に通わせた場合と、私立に通わせた場合
公立と私立では、約3倍の違いがあります。
幼稚園から高校まで公立:約527万円
幼稚園から高校まで私立:約1,771万円
※教育費の他、給食費や学校の課外活動費(塾など)も含む
(文部科学省「平成26年度子どもの学習費調査」より試算)

大学に通わせる場合
国立大学:約243万円
私立大学:約371万円
※入学金、4年間の学費含む
(文部科学省「平成22年度国立大学の授業料、入学料および検定料の調査結果について」「私立大学等の平成24年度入学者に係る学生納付金など調査結果について」より試算)

利用できる制度はなるべく利用する

回答:汐見稔幸さん

大学と短大を合わせると、6割近い人たち、専門学校を合わせると75%ほどの人たちが高等教育に進んでいるという状況です。そのため、そのあたりまでは親が面倒を見るという形が多いようですが、家庭ごとの事情に合わせて、子どもと話し合うことも必要です。

また現在、奨学金の制度をより充実させていこうと様々な施策が考えられています。そうした情報を集めて最大限に利用するといいと思いますよ。

日本の教育にかかる費用は、先進国の中でも高いと言われています。国際人権規約では、高等教育の無償化と機会均等を求めており、先進国の多くが現在、高校の授業料が無償となっています。
今後日本も同様に普及する可能性はありますが、現状すぐに授業料を下げることは難しいと思います。しかし、徐々にではありますが、「すべて親が学費を負担しなければいけない」という考えは少しずつ減っていくと思います。

いい教育を受けさせてあげたいと思うのは親の愛情ですが、それを利用して、どう生きていくかを決めるのは子どもです。教育費に関しては、注げばそれだけ子どもから見返りが帰ってくるというものではありません。親は、お金をかけたことに見返りを求めないということも重要です。


学資保険など上手な積み立て方法はある?

2人目が生まれたのですが、2人目の積み立て方法まで考えておらず、検討中です。子どもたちのためにどういった積み立てをしていけばいいのでしょうか?
(3歳2か月の男の子と11か月の女の子をもつママより)

学資保険はシンプルな貯蓄型を選ぶ

回答:内藤眞弓さん

学資保険や子ども保険の目的は、お金を貯めること、学費を貯めることです。これに様々な保障や特約を付けてしまうと利回り(返戻率)が悪くなってしまうため、シンプルでお金が貯まるものを選ぶといいと思います。

また、1人目が生まれたときに将来のことを考えて、「大学の費用は○○万円だから、その分を入学したらお祝い金としてもらえるように、毎月○万円支払おう」と決める人が多くいます。しかし、この方法だと、万一、家計が苦しくなった際などに、積み立てができなくなってしまう可能性があります。

学資保険は、家の購入などでお金が必要になり、途中で保険を解約してしまうと払い込んだ金額より、受け取る金額が少なくなってしまう、元本割れすることもあります。

そうならないためには、欲張らず、教育のための貯蓄の一部を学資保険に回し、残りは積み立てにするなど、貯蓄の方法を組み合わせて、分散するといいと思います。
「支払いが少しきついな」と感じたときでも、解約しなくて済むくらいの積み立て額に設定するようにしましょう。

学資保険とは?

決められた保険料を払えば、子どもが一定年齢に達した時に「満期保険金」が受け取れる生命保険の一種。
学資保険とは


2人目が生まれると子どもにかかるお金は倍になる?

2人目の子どもが欲しいと考えていますが、子どもにかかる費用は倍になってしまうのでしょうか?
また家計簿をつけていますが、上手く活用しきれていません。2人目のことを考えるとどのように付けていくべきなのでしょうか?
(10か月の男の子をもつママより)

回答:内藤眞弓さん

食費や生活費は、2倍3倍になるわけではありませんが、学費に関しては、1人1人かかってしまいます。
そういった中で家計簿をつけるには、まず「家計簿を使ってどうするか」を考えるのがポイントになると思います。
お金の使い方の癖は、各家庭によって異なります。我が家の使い方に合わせた費目にするなど管理しやすい方法を考えましょう。
例えば、パパやママだけが使っている分は、「パパ費(またはママ費)」とする、子どもの教育費に使っている分は、「○○ちゃん(子どもの名前)費」などにすると、2人目がうまれた数年後にはどうなるか予測が立てやすくなると思います。
また、よく行くお店ごとにレシートを1か月分ほど袋にまとめておくといいですよ。そうすることで、どこでどのくらいお金を使ったかが分かりやすくなり、「ちょっとここに行くのを控えようかな」など考えることが出来ます。

いろいろと工夫することで、自分で管理しやすい方法を見つけていけるといいですね。


おもちゃを買ってあげるのはクリスマスと誕生日だけ。厳しすぎる?

おもちゃはクリスマスと誕生日だけだと決めて買ってあげています。それ以外はお手伝いをしたら1回につき10円をあげて、たまったらちょっとしたものは買ってあげています。厳しすぎるでしょうか?
(5歳と7か月の子のママ)

回答:内藤眞弓さん

よそと比べてどうというのは、あまり気にしなくてよいと思います。
我が家の方針だよと自信を持ってやっていっていいのではないでしょうか。
よくお子さんを見ながら、微修正していくといいですね。

回答:汐見稔幸さん

日本では一般的な、子どもに毎週や毎月決まった金額のお小遣いをあげるというのは、他国ではやっていないことが多いです。
日本では、お小遣いをあげることで、一定期間の間のやりくりの練習をさせているのだと思います。
ヨーロッパなどでは、お小遣いが欲しければ芝刈りのお手伝いをさせるなど、働かないとお金はもらえないということを小さい頃から教育しています。
それぞれのやり方がありますが、お手伝いをしてお金をためさせるのは、働かないとお金がもらえないということを教育しているという面もあるので、いいと思いますよ。


すくすくポイント
データで見る「子育てにかかるお金」

ある調査によると、「子育てに不安や負担を感じること」はありますか? という問いに、7割以上の人が「はい」と答え、その理由として最も大きいものは、「お金」なのだそうです。
そこで、幼稚園から高校までかかる学費で、最もかかる時期や、習いごとにかかる費用についてなど、「子育てにかかるお金」についてのデータをご紹介します。

最初のデータはこちらです。

幼稚園から高校までの学習費総額

「すくすく子育て 気になる!子育てにかかるお金」

このデータから注目したいのは、ずっと公立の学校に通った場合と、ずっと私立の学校に通った場合では、最も学習費のかかる時期が異なるということです。

公立の学校に通った場合、最も学習費がかかるのが中学3年生の年間57万6,238円。
高校受験のための塾代などで費用がかさむためと考えられています。

私立の学校に通った場合、小学1年生の186万3,085円。
小学校の入学金などで支出がかさむため、最も学習費のかかる学年となっています。

続いてのデータはこちら。

学校外活動教育費

「すくすく子育て 気になる!子育てにかかるお金」

幼児の1か月あたりの習い事にかける費用の平均値です。
幼児の場合、スポーツ活動にかけているお金が最も多いようです。

これ以外にも食費や医療費など子どもが成長することで増える支出もあります。
備えあれば憂いなし。将来の予測をしながら、計画的な貯蓄ができるといいですね。

※記事の内容や専門家の肩書などは放送当時のものです