子どもともっとでかけたいけれど悩みはつきませんよね。持ち物が多くて大変、感染症や、道中のぐずり対策も気になります。そんな悩みや、おでかけするときのアイデアなど、専門家と一緒にみんなで考えます。

専門家・ゲスト:
福井聖子(小児科医)
春香クリスティーン(タレント/1歳8か月 1児のママ)

今回のテーマについて

―― すくすくファミリーのみなさんの、おでかけの悩みやエピソードを教えてください。

  • 外出先におむつ交換台があるか、事前に調べていきました。
  • 待ち時間が長いテーマパーク・飲食店は行きづらい。
  • 荷物の量は大変!着替えやおむつは圧縮していました。

―― 春香さん、お子さん(1歳8か月)との子育てはいかがですか?

春香クリスティーンさん

子どもはかわいいのですが、毎日がジェットコースターみたいです。自分の感情もですね。おでかけは、少しずつ増えてきましたが、荷物も多く、外出先で何があるかわからないので、日々予測がつかないです。


赤ちゃんとおでかけ。感染症は大丈夫?

毎日、食材の買い出しなどのため、息子(3か月)と一緒に外出しています。もともと家に閉じこもるのが苦手なタイプで、寄り道したり、久しぶりに友人に会ったりすると、2時間以上の外出になることもあります。でも、このところ、新型コロナ以外の感染症も流行っているというニュースを聞くことが増え、少し心配です。買い物で繁華街を抜けることもあり、効果があるのかわかりませんが、ベビーカーのひさしを下げています。
まだ予防接種も完了していないものばかりで、赤ちゃんとおでかけするときの感染症が気になります。
(お子さん3か月のママ)

赤ちゃんは、ある程度守られている

回答:福井聖子さん

ニュースで「〇〇の感染症がはやっている」と聞くと心配になりますよね。でも、赤ちゃんは、もともとある程度守られています。おなかの中にいるときに、お母さんの胎盤を介して受け継いだ抗体が、生後4~6か月ころまであります。母乳にも、免疫物質や免疫を高めるような栄養素が入っています。そのため、2~4か月ぐらいまでは、意外と感染症が少ないのです。
生後2~4か月でいろいろな予防接種を打ちますが、予防接種は各月齢に合わせ、かかると危険な感染症を予防しています。道路を歩いたり、屋外を散歩したりするときは、感染症を心配する必要はありません。

赤ちゃんや小さい子どもとの外出では、基本的な感染対策が大切

回答:福井聖子さん

ただ、赤ちゃん自身はそこまで強い力を持ってるわけではありません。赤ちゃんや小さい子どもとの外出では基本的な感染対策が大切です。

人混み・密室空間をなるべく避ける

人との距離が近い、人混みや密室空間をなるべく避けましょう。

こまめに手洗いする/人混みでマスクを着用する

パパやママなど、そばにいる大人の感染対策も大切です。人混みを通るときはマスクを着用したり、こまめに手を洗ったり、基本的な感染対策をおこなうことが子どもの感染予防につながります。


赤ちゃんとの外出時間、目安は?

育児書などを読むと、赤ちゃんの外気浴は1時間までと書かれていることもあります。でも、2~3時間おでかけすることもあり、大丈夫なのか気になります。赤ちゃんの外出時間の目安はありますか?
(お子さん3か月のママ)

外出は環境に順応する1か月以降に

回答:福井聖子さん

生まれてすぐの赤ちゃんは、おなかの中から外に出たばかりなので、外気に慣れるのが大変です。体温調節や呼吸などの機能が未熟なので、外出は環境に順応する1か月以降少しずつがいいでしょう。赤ちゃん自身があちこちを見るような、「刺激を受けたい」ころになったら、だんだん外に出てみましょう。

3~4か月以降は、赤ちゃんの様子をみながら時間を調整

回答:福井聖子さん

3~4か月になると、赤ちゃんの機嫌もわかるようになります。外出が負担になっている場合は、いつもより眠りにくい、母乳・ミルクの飲む量が減るなどの変化があります。そのような様子を見ながら、自分の生活時間の中で、外出時間を調整してみましょう。

外出のメリットもある。親子ででかける機会を

回答:福井聖子さん

乳幼児期は、心と体がグンと成長するときです。外に出て刺激を受けることで、体温調節などに関する自律神経や体内時計が整います。また太陽の光は、近視の予防にも効果があります。さらに、暑い寒い、風が気持ちよいなど、外気そのものに触れる体験は「感じる力」に大きく影響します。だからこそ、小さいうちは親子で外に出る機会をなるべくつくってみてください。
※外出するときは強い日ざしを避け、過ごしやすい時間を選びましょう

言葉がけによって「感じたこと」と「ことば」がつながる

福井聖子さん

例えば、暑いとき、赤ちゃんの体が反応して赤くなったり、汗をかいたりします。赤ちゃんの自律神経が調節してるんです。そのとき、赤ちゃんの顔を見ながら「暑いね」と言葉をかけると、「暑い」がどんなことなのか、だんだんわかってきます。外には、そういったことを感じるチャンス、刺激がとても多いと思います。


電車など移動中の子どものぐずり対策、どうしてますか?

続いて、春香クリスティーンさんからの質問です。

春香クリスティーンさん

長女(1歳8か月)は、好奇心旺盛で自己主張が少し強めです。例えば、おでかけして遊んでいると、なかなか帰ろうとせず、「ママ1人で帰っていいの?」と聞いても「うん」と答えて困ることがあります。ふだんからすんなり言うことを聞いてくれないんです。特に電車で移動するときは、機嫌をとるのに必死です。声も大きく、よく通るんです。「アリさんの声でしゃべってね」と言うと、一瞬小さくなりますが、すぐに大きな声に戻ります。電車を降りるころにはエネルギー切れになってしまいます。
電車など移動中の子どものぐずり対策、みなさんはどうしてますか?

―― すくすくファミリーのみなさん、電車など移動中のぐずり対策はありますか?

  • うちの子も声が通るから何度か注意されてます。「アリさんの声で」と言うと、「アリさんの声ってなーに?」と大きな声で聞かれました。
  • 必ず好きなおもちゃを持っていきます。息子は電車が好きなので、電車クイズもしましたね。
  • 「お母さんの手にタッチしたら顔が変わるよ!」と言って変顔したり、変顔対決をしたりしていました。
  • カバンの中には、おもちゃやシールブックなど、いつも何かしら入っています。

鈴木あきえさん(MC)

キャラクターの指人形を持っていきますね。私が話すと聞いてくれないのに、指人形がしゃべると聞いてくれるんです。1~2個持っていくと、荷物もかさばらないのでおすすめです。

古坂大魔王さん(MC)

アメリカでは、子どもがエレベーターの中で泣くと、「グッドサウンドだね」「大丈夫よ」「かわいいね」「天使みたいだね」のように言ってくれてすてきだなと思います。日本でもそんなふうに声をかけられるといいですね。

すくすくファミリー

少しでも笑いかけてもらえるだけで、うれしくて泣きそうになります。

鈴木あきえさん(MC)

私も、年上の女性にそっとシールをもらったことがあって、涙があふれたことがあります。それぐらいハッピーになれますよね。

春香クリスティーンさん

本当に参考になることばかりで、みなさんに共感してもらえることも多くてほっとしました。自分だけではないんですね。救われますね。


新幹線や飛行機、長距離移動のおでかけ対策は?

祖父母の家に里帰りするとき、パパが仕事で、私一人で子ども2人(6歳・1歳1か月)を連れて新幹線に乗ることがあります。あるときは、お菓子やおもちゃを用意して準備万端で向かったものの、出発してしばらくすると下の子がぐずり始めて、上の子も不安を感じたのか泣きだしてしまいました。車内も満席で、途方に暮れて、席を立ったんです。
こんなときどうしたらいいのだろうと思います。新幹線や飛行機などの長距離移動、みなさんはどうしているのですか?
(お子さん6歳・1歳1か月のママ)

すくすくファミリー

赤ちゃんとの長距離移動は、お昼寝の時間に合わせていました。午前中にたくさん遊んで疲れさせて、おなかいっぱいにしてから移動していました。大変ですよね。
ほかにも、シールブックのシールを母に貼ったり剥がしたりしてたのしんでもらっていました。

古坂大魔王さん(MC)

私も、飛行機に乗るときは、2時間前ぐらいに空港に行っていました。キッズルームでたくさん遊ばせて、おにぎりを食べて、ジュースを飲んで。それから乗っていましたね。シールを貼る遊びもやっていましたよ。

鈴木あきえさん(MC)

夫の実家に新幹線で帰ることがあったので、月齢が低いうちから乗っていました。そこで使っていたのが、スマホのインカメラです。泣いている様子をインカメラで撮って、画面で見せるんです。すると、ピタっと泣きやむこともありました。そのときの動画は思い出にもなります。あとで見返したり、うさぎに加工して一緒に遊んだり。今では泣いているときの2ショットがたくさんあります。

―― 福井さん、子どもとの長時間の移動にアドバイスはありますか?

いつもと違うリズムで過ごしても、あとから調整したらいい

回答:福井聖子さん

みなさんからいろんな話を聞けて、出つくしてるように思いますよ。移動する日のスケジュールを上手に計画していて、いいなと思いました。ふだんは、食事やお昼寝など、1日のリズムがあると思いますが、イベントの日は、「この日をどうもっていくか」が大事になりますよね。その後、2~3日から1週間ぐらいかけて、生活のリズムを調整すれば全く問題はないと思います。そのときを、「いかにたのしくうまくやるか」という発想で、いろいろ考えてみてください。


外食時のスマホ、周りの目が気になる

家族でおでかけするとき、たまに外食します。ただ、いつも子どもが先に食べ終わってぐずり出すので、スマホで動画を見せて待ってもらっています。はじめて外食中に動画を見せたときは、革命かと思うほど、おとなしくしてくれました。
一方で、スマホを見せていることで、まわりの視線も気になります。みなさんはどう思いますか?
(お子さん2歳10か月のママ・パパ)

春香クリスティーンさん

私もあります。まわりの目が気になるかもしれないですね。「この人はいつもスマホを渡してるんだ、自分では何もしないんだ」と思われたくない自分もいます。だから「あの手この手をつくして、もう無理だからスマホ出します」のように、やりきってからじゃないと出せないですね。

すくすくファミリー

わが家でも、外食のときにどうしても子どもが先に食べ終わってしまいます。以前は、まわりの目を気にしていました。でも、親も毎日の育児で疲れている中、外食は特別で、そのときぐらい親がリラックスできる環境をつくるのも大事だと思うんです。そう考えるようになって、あまり気にしないようになりました。

すくすくファミリー

子ども用動画サイトは知育内容が多いので、ある意味「教育」していると思って、周りの目は気にしないようにしています。

―― 福井さん、みなさんの話を聞いていかがですか?

周りの目が気になるときは、大きな声で「今日は特別よ」と言う

回答:福井聖子さん

現代ならではの悩みですよね。私が子育てしているころはスマホはなかったので、子どもを静かにさせるには、寝かせるか、食べ物を口に入れてるか、その2つぐらいでしたよ。外食のときは、キッズスペースを探しましたね。お店のいけすに張りついていたこともありました。
今は、私もスマホを活用していいと思います。周りの目が気になるときは、「今日は特別だよ」「この番組だけにしようか」といったことを、周りにも聞こえるぐらいで言ってみるといいかもしれませんね。

スマホなどのデジタルツールとのつきあい方

福井聖子さん

スマホなどを長く使うと画面だけで学習しがちですが、目の機能が成長する乳幼児期は、実物を見ることが大事です。例えばリンゴであれば、実物を目の前にすると、目のピントの合わせ方が手前と向こうで違うわけです。画面だと、画面のところにしかピントが合いません。
また、手触り、味、においなど、全て含めて、実感としてリンゴを学習していくと、まわりの言葉がけも「どんなにおいかな」「おいしいね」のように、バリエーションが豊かになります。スマホなどのデジタルツールは、実物と触れる体験を増やしてバランスをとりながら、うまく使っていただけたらと思っています。


あそびのタネ 「葉っぱ」

あそびのタネ「葉っぱ」

自然の中には、子どもの創造力をかきたてる「あそびのタネ」がいっぱいあります。今回は「葉っぱ」のあそびを紹介します。

「あそびのタネ」へ

※記事の内容や専門家の肩書などは放送当時のものです