大人にはちょっと不思議に思える行動でも、そこには子どもが成長するための大切なメッセージが隠されています。乳幼児の発達や行動にくわしい専門家に、子どもたちのいろんな行動について聞きました。
今回は、「ことば」に関する子どもたちの行動を見ていきます。

専門家:
岩立京子(東京家政大学 教授/子ども学)
大豆生田啓友(玉川大学 教授/乳幼児教育学)

ハマっている? 謎のことば

まずは、みあさちゃん(5か月)。よく口から「ブー」という音を出します。

コメント:岩立京子さん

乳児が発する意味のない言葉を「なん語」といいます。最初は「あー」「いー」という音が多いのですが、それに「ブー」「プッ」がついてきます。いろんな音を出す練習をしているわけです。「ブー」の音が出るという発見と、この音を出すとまわりが笑ってくれる発見で、繰り返していると思いますよ。


なん語卒業後の「ブー」

続いては、いりちゃん(2歳)。なん語は卒業したのに、なぜか「ブー」をやってしまいます。人にアピールするように、何度も続けます。

コメント:岩立京子さん

2歳ぐらいの子は、怒ると口を膨らませたりしますね。怒るときの表情であったり、冗談で「ブー」をしたり、いろんなことを学んできている状態だと思います。
最初は笑わせる意図はなかったけど、口を突き出すとまわりが笑ってくれたという感覚になるので、より一層笑いながら「ブー」の音と表情を出していくんです。「一緒に遊ぼう」という意味だと思いますよ。


不思議な泣き声

続いては、あすみちゃん(10か月)。「るるるるる」と巻き舌するような、ちょっと変わった泣き声です。自分でもこの泣き声に驚いているようです。

コメント:大豆生田啓友さん

力を入れて泣くことで、空気が震える音になって、自分でもびっくりしているのでしょうね。それでも悲しい気持ちが勝っているので、泣き続けているのだと思います。


パペット遊び

ゆりなちゃん(1歳)は、パペットを使って遊んでいます。ことばの意味はわかりませんが、一人で二役をこなして、人形との会話を楽しんでいるようです。

コメント:大豆生田啓友さん

自分で人形の役にもなって話しているところがおもしろいですね。空想上の誰かと自分の中で対話する「自己内対話」だと思います。誰かとの対話を自分の中でなりきるのは「ごっこ遊び」のようなものです。
子どもの発達的に、ないものを想像できるのは考える力にもつながり、想像できるということは、現実に嫌なことがあっても楽しいイメージを自分で沸き立たせて乗り越えていく力にもなります。自己内対話は、発達的にとても意味のあることなんです。

コメント:岩立京子さん

ことばの発達として、赤ちゃんは「なん語」でいろんな音を出していきます。それには意味がついていませんが、赤ちゃんや乳児が意味のない音を出してきたら、こちらも同じ音を出したり笑ってあげたりしてください。敏感に子どものことばやなん語を察知して応答してあげることで、ことばが豊かになっていくと思います。

※記事の内容や専門家の肩書などは放送当時のものです