専門家からのアドバイス・メッセージ(13)
ひとり親家庭のみなさんへ


2020年4月28日

新型コロナウイルスの影響で、外出もままならず、不安・イライラが募る⋯⋯ 子育て中のみなさんから、さまざまな不安の声が番組に寄せられています。こうした不安の声や質問について、専門家の方たちから、回答やアドバイス、メッセージを寄せていただきました。

新型コロナウイルスの影響が続くなか、シングルマザー・シングルファーザーは、どのような姿勢で子育てに向き合っていったらいいのでしょうか。長年、シングルマザー・シングルファーザーの支援を行っている赤石千衣子さん(NPO法人 しんぐるまざあず・ふぉーらむ理事長)に伺いました。


はじめに

赤石千衣子さん

ひとりで子育てしていると、ふだんでも手が足りず、さまざまな負担をひとりで抱えてしまいがちです。それが、新型コロナウイルスの影響で、これまで以上に生活も、子育ても、厳しくなってきているのが現状だと思います。そんな中、シングルマザー、シングルファーザーのみなさんは、とてもがんばっていると思います。


小さい子どもを置いて買い物にはいけない。どうしたらいい?

シングルマザーです。感染が怖いので外出を控えています。買い物はできればひとりで行きたいのですが、小さい子どもを家に置いていくわけにはいきません。せめて、子どもにマスクをさせて行こうと思っても、嫌がってしてくれません。どうしたらいいでしょうか?

回答:赤石千衣子さん

買い物に小さなお子さんを連れてでかけるのはためらわれますよね。でも買い物にはいかなければいけないし。困りましたね。
生協の登録数やネットスーパーの利用が増えていると聞きます。できれば、宅配を駆使して今は乗り切りたいところですね。それが難しい場合には、お店がすいている時間を調べてその時間に行く、なるべくお店での滞在時間を短くする工夫をしてみてはいかがでしょうか。買うものをあらかじめ決めておくのも、滞在時間が短くなることにつながります。


人にお願いしたり頼んだりするのが苦手⋯⋯

ひとりで子どもを育てています。親もいますが高齢で頼ることはできません。そもそも、わたし自身、人に何かをお願いしたり、頼んだりすることに抵抗感があります。でも、時々どうにもつらくてしかたないことも⋯⋯どうしたらいい?

回答:赤石千衣子さん

そうですよね。つらいのに人に頼めない。よくそんなお話を聞きます。
人に頼むってなんで抵抗感があるのでしょうか。もしかすると人に迷惑をかけてはいけないと思っているとか、自分がダメだと伝えていることになってしまうのでは?とか、断られたらどうしようとか?よけい落ち込んじゃうかも、と思ったりとか?⋯⋯いろいろな理由があると思います。
ひとり親のみなさんの相談を受けていて、「苦しくなるまで頼めない」という声はよく聞きます。
まずは小さいことから人に頼むことをやってみませんか。
実は頼まれる側は、人に頼まれるのがうれしい、と思うそうです。なぜなら、頼まれるということは、「私のことを信頼してくれているんだな」ということだから。その人自身の自己肯定感が上がることだそうです。
それから、どうしてもそのときは用事があったりして断られた場合に、がっかりして、もう二度と人に頼まない!なんて思ってしまいませんか?
そんなときに、こんなふうに言ってみたらどうでしょう。
「言いにくいことを言ってくれてありがとう」。
これからもその人に自分の応援団でいてもらうために。
そして、「また今度お頼みしてもいいですか?」とか聞いてみてもいいですね。「もっと早めに言ってくれれば時間あけられるからね!」なんて言ってくれることもあるかも。
知り合いの人にも小さな頼みごとをしていきながら、少しずつ応援してくれる人を広げてみてくださいね。


自分が感染してしまったらと思うと不安⋯⋯

自分がもし感染したら、子どもはどうなるんだろう⋯⋯ 生活はどうなってしまうんだろう⋯⋯と、さまざまなプレッシャーで押しつぶされそうな気持ちです。でも、いまは人に会って相談することもできないし⋯⋯どうしたらいいのでしょうか?

回答:赤石千衣子さん

そうなんです。心配ですよね。たくさんのシングルマザーの方からその心配を聞いています。
親が感染して、たとえば入院とかになったらどうする?
子どもが濃厚接触者だったらどうなるの?
そんなご相談を受けています。
行政のほうも、そうした対策について考えているそうです。どこで対応できるか、など具体的に聞いていることはまだ少ないのですが、行政なども少しずつ対応できるようにしている途中のようです。

ご自宅で療養というときには、しっかり感染予防しながら自宅で療養しましょう。
漠然とした不安を抱えていると、さまざまに心配が広がってしまうので、そんな時はあなたの思いを口にしてみてはいかがでしょうか?心配していることがはっきりしてきて、対処できることもみつかるかもしれません。


シングルマザー・シングルファーザーのみなさんへ

赤石千衣子さん

これまでも、ひとりでいろいろな役割を担い、心配ごとを解決してきたシングルマザー・シングルファーザーのみなさんにとって、新型コロナウイルスの影響はとても大きなものだと思います。こんな時のキーワードは「孤立しない」。オンラインや電話などを利用して、誰かとつながることが大事です。オンラインでのつながりややりとりに、抵抗を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、これからの社会はオンラインでのやりとりが増えていくので、ひとつ壁を乗り越えるチャンスだと思って挑戦してみてください。他の人とつながることで、他の人の工夫を知って自分に役立てたり、自分のできることが増えたりすることにつながります。みなさんには、さまざまなつながりをつくり、そのつながりを保つことを心がけていただければと思います。

*しんぐるまざあず・ふぉーらむ 問い合わせ
https://www.single-mama.com/