専門家からのアドバイス・メッセージ(12)
子どもとおうち遊び


2020年4月28日

新型コロナウイルスの影響で、外出もままならず、不安・イライラが募る⋯⋯ 子育て中のみなさんから、さまざまな不安の声が番組に寄せられています。こうした不安の声や質問について、「すくすく子育て」でおなじみの専門家の方たちから、回答やアドバイス、メッセージを寄せていただきました。

今回は、保育士として40年、子どもたちと、お父さんお母さんを見守ってきた井桁容子さん(日本保育協会 保育実践研究企画/保育士)から、家での遊びについて、アドバイスをいただきました。手軽にできて楽しめる遊びのアイデアもご紹介します!


子どもが飽きないように遊ばせるには?

子どもとずっと家にいる毎日。工夫して新しい遊びをはじめても、しばらくしたら子どもは飽きてしまうことの繰り返し⋯ 飽きずに遊ばせるコツはありますか?

回答:井桁容子さん

「子どもが飽きない遊び」とは、どんな遊びか⋯ それを考える時に大切なポイントは、「その遊びがその子の今の気持ちに合っている」あるいは「興味があるものは一人一人違っている」ということです。その子のいまの興味に沿った遊びかどうか。そんな視点でみてあげてください。

大人の関わり方のポイントは、「子どもの遊びのペースに任せること」です。子どもは、おもちゃなどにすぐ飽きてしまったように見えても、その後に興味を示すこともあるので、しばらく近くに置いて様子を見ると、自分から遊び出すこともあります。そんな時、親はそっと様子を見守って、声をかけないようにします。親が一緒に楽しんで見せた後、子どもがひとりで遊び始めた、というような場合は、さりげなく離れて本人の好きなように遊ばせてあげましょう。
ただ、遊んでいる様子を見て「難しすぎるかな?」反対に、「簡単すぎて飽きてしまうかも」、などと感じたときは、大人が手助けをしたり、ちょっと工夫してしかけを作ってみたりするのもいいと思います。そのことで、子どもがその遊びの面白さに気づくこともあります。

扱い方や遊び方が違っていても、危険ではない限り、集中している時は声をかけないようにしましょう。決まった使い方ではなくても、本人のアイデアで大人には思いつかない発想が生まれたら、「すごいね」「なるほど、そんなやり方もあるね」と、共感してあげましょう。子どもは自分のしていることに自信を持てると、遊びがより一層楽しくなり、長く遊び続けます。


親子で遊ぶことと、子どもがひとりで遊ぶこと。どんなバランスがいい?

なるべく親が一緒に遊んであげたほうがいいのかな? と思う一方、子どもがひとりで遊んでいるのを邪魔してもいけないのでは? とも思います。どんなバランスで考えたらいいのでしょうか?

回答:井桁容子さん

子どもは、「大人が自分とは関係ないことに気を取られている」とか、「心配ごとがありそうだ」ということを感じ取り、心が不安になることがあって、そんな時は、必要以上に一緒に遊んで欲しがることがあります。まずは、お子さんが安心しているか、安定しているかがチェックポイントです。今のような状況で、大人が落ち着かない気持ちで過ごしているようでしたら、まずは、大人自身が安定するよう心がけてみてください。子どもは、本来、楽しいと感じていればひとりで遊べるものなのです。もしも、ひとり遊びをあまりしないようでしたら、夢中になれるものにまだ出会えていないということかもしれません。子どもの興味につながる遊び道具や環境が何かないか、周りを見渡してみましょう。

子どもの興味の持ち方にもいろんなタイプがあって、黙々とひとり遊びが好きな子ども、人と関わっていることが好きな子ども、とにかく体を動かしていることが好きな子ども⋯と、さまざまです。基本的には、その子のタイプに合わせて、本人が楽しめる遊びをする、ということです。「同じ遊びしかしないので、偏っているのでは?」と気になるかもしれませんが、それが子どもにタイプにあった遊び、ということです。でも、極端に偏っているように感じたら、さりげなく他の遊びにも誘ってみると、興味が広がることもあります。無理のないやり方で、足りていないと感じる種類の遊びをうまく取り入れてみてください。
乳幼児の遊びは、自発的に遊ぶことで、たくさんのことが学べるといわれています。子どもの興味・関心を見守りながら、ときには一緒に遊びを広げてみましょう。


元気な子ども、どう発散させたらいい?

元気な男の子で、ずっと家にいると、相手をしているこちらもへとへとです。どう発散させたらいい?

回答:井桁容子さん

男の子でも女の子でも、ずっと家で過ごしていると、力が有り余ってしまうことはありますよね。
基本的には、1日1回は戸外に出るとよいのですが、今はお散歩なども難しいですね。可能ならば、テラスやベランダなどでシートを敷いて、ピクニック気分で遊ぶなど、日光を浴びるように心がけてみてはいかがでしょうか。戸外の空気に触れるだけで、景色はもちろん、風や気温など、さまざまな刺激があるので少し新鮮な気分になります。もちろん、雨の日に雨を楽しむというのもありです。テラスや玄関先でレインコートを着て、いろいろなものを置いて(ペットボトル、ふくらませたポリ袋、金属製の容器など)、雨が当たると違う音がすることに耳を澄ます、なんていうのもいいですね。
そのほかの発散方法をいくつかあげてみました。組み合わせて、日替わりでやってみてもいいですね。

  1. 押し入れで遊ぶ(アレルギーがある場合などは注意してください)
  2. 床にテープや紙で細い線を貼り、その上を歩く。速さや歩き方を変えてみると変化がつきます。
  3. 新聞紙でボールなどの道具を作り、遊ぶ
  4. 音楽に合わせてダンス
  5. ワクワクドキドキの展開がある絵本を読み聞かせる

子どもから離れて家事をしていると、子どもが怒ってしまう⋯⋯

子どもがひとりで遊んでいるときに、離れて家事などをすると、子どもが怒ったり追いかけたりしてきて大変です。一緒に遊んだほうがよいのでしょうか?

回答:井桁容子さん

大人と一緒に遊ぶ楽しさを求めることは、自然なことでもあります。でも、大人もそうはお付き合いしきれないこともわかります。
子どもの遊びに付き合う際に大事なのは、長さではなく本気で関わってもらえたという濃度です。たとえ5分、10分でも、他のことを考えず、心をそこにおいて、子どもに付き合ってみてください。スマホをいじりながらの「ながら付き合い」では、子どもは満足できないので、また追いかけてきます。親がきちんと向き合ってくれたことで、子どもが満足できることが大事です。親とのやりとりに満足できた子どもは、安心して自分の好きな遊びに向かっていけるようになります。

このように、子どもに求められたときになるべくきちんと応じるようにすると、子どもは「求めればすぐに来てくれる」と親を信頼するようになります。信頼するようになると、どうしても親が手が放せない時などに、「いつも来てくれるから、今回も待てば来てくれるだろう」と、待ってくれるようになります。でも、ふだんから「ちょっと待ってて」が多い場合は、子どもは親に振り向いてもらおうと、怒ったり、大騒ぎをしたりするようになりがちです。

子どもからの信頼を得ていくためには、子どものそばを離れるときに、きちんと理由を説明して離れることも大事です。たとえば「今、ごはんの用意を始めないと間に合わなくなるから」とか「洗濯物を洗濯機に入れたら戻ってくるね」など、具体的に説明すると、子どもが納得できます。一緒に手伝ってもらって、また一緒に遊びに戻るなどすると、子どもが安心できるのでいいかもしれませんね。


子育てをしているお父さん、お母さんへのメッセージ

井桁容子さん

子どもは、大人の様子をとてもよく見ています。大人が不安そうにしたり、イライラしたりしていると、子どもの心も不安定になります。そうなると、機嫌が悪くなり、あれこれ騒いでみたり、わざと気を引くことをして困らせたりというふうに、ますます大変になります。
お父さん、お母さんは、「急がば回れ」ということわざを自分に言い聞かせてみてください。こんな時こそ、深呼吸して、笑顔でポジティブな言葉で対応をしてみてください。それが、子どもは安心して落ち着くのに一番確実な道です。

では今、何でもなさそうにしている子は大丈夫かというと、我慢しているだけの場合もあります。大人だけでなく、子どもたちも大変さは感じているので、「お互いにいい気持ちでいられるように努力しようね。人生には、こんなこともあるし、いろいろなことがあるものなんだ。こんな時こそいい顔でいよう!」と、話しかけてみてください。大人が本気で向き合うと、相手が赤ちゃんでも不思議と伝わるものです。そして、言葉にした大人のほうも、気持ちが落ち着いてくるのでおすすめです。


家でできる遊びのアイデア

井桁さんから、子どもが楽しめる遊びをいくつかご紹介いただきました。
どの遊びも、上手にできること、きれいに作ることが目標ではありません。大人も一緒に楽しむことで、子どもが満足して安定するので、大人も本気で面白がってやっていただくといいでしょう。
自由な発想、アイデアが出てきたら、「面白い!」「いいね!」など、ポジティブな感想を、ぜひ言葉で伝えてあげてください。

粘土遊び

小麦粉粘土の作り方

<材料>

  • 小麦粉(好みの量)
  • 塩(少量⋯⋯防腐剤がわり)
  • 油(1滴程度⋯⋯手につきにくくする)
  • 水(少しずつ入れて調節する)

<作り方>

  1. 小麦粉をボウルに入れる。
  2. 塩を一つまみ程度入れて混ぜる。
  3. 水を少しずつ流しいれて、耳たぶの柔らかさになるまで練っていく。
  4. 油を入れて練って完成。

普通に遊ぶだけでなく、ポリ袋に入れて、さわったり踏んだりして感触を楽しむこともできます。

かたくり粉スライムの作り方

<材料>

  • かたくり粉 100g
  • 水 50ml~100ml(水の量によって感触が変わる)

<作り方>

  1. かたくり粉をバットまたは、ボウルに入れる。
  2. 水を少しずつ入れて、手で触れて感触の変化を楽しむ。沈殿する様子などを見て楽しむ。

粉だけのときはさわると⋯⋯さらさら、握るとギシギシ
水を入れていくと⋯⋯ぽろぽろ、もちもち、トロトロ
そのあとそのままにしておくと⋯⋯ 水とかたくり粉に分離します
それを混ぜると再びトロトロ⋯⋯ 繰り返して遊べます

※小麦粉粘土もかたくり粉スライムも、食紅などの食用色素を使うと色を付けることもできます

発散できる! 新聞紙など紙を使った遊び

新聞紙は変幻自在、好きなように遊んでみましょう。

  • 1枚を広げて、引っ張りっこして破る。新聞紙の面をパンチ、空手のように縦に破る。
  • ぐちゃぐちゃにしたり、ピンと張ったりする音を楽器代わりにして、音楽に合わせて音を出す。
  • 丸めてボールをたくさん作り、紙袋に投げ入れる。細長くバットを作って打つ。
  • 丸めたものをポリ袋に入れて、サンドバッグのように使う。
  • 子どもと一緒に破って遊ぶ。破ったものを段ボール箱に入れてお風呂にする。
  • 丸めながら、魚、ヘビ、動物など形にして、お買い物ごっこ、動物園、水族館ごっこなど。
  • 新聞紙を広げたところの中央に、子どもに座ってもらう。新聞紙で子どもを包んで、上をテープで止める。いいタイミングで、子どもが中から破り出てくる。

新聞紙以外にも、折り紙や不要な紙を切って、テープで自分の体にデコレーションしてみると楽しいですよ。例えば⋯⋯

  • 鼻に細長い紙を貼ると象に。
  • あごに▽を貼ると、ひげじいさん。
  • 足に大きな紙を貼って、背中に△を縦にいくつか貼ると恐竜に。
  • 腰回りに細長い紙をたくさん貼るとドレスに。

牛乳パック

パズルボックス

カッターで✖の切込みを入れ、そこにペンを差し込んで穴にします。
紙を巻いてその穴ぎりぎりの太さのストロー状に10個くらい作り、穴に押し込んで遊びます。
※2歳前後対象・口に入れないように注意しましょう

コマ

牛乳パックの底の部分だけを切り取り、床などで回転させると「コマ」のように回ります。シールやペンで色を付けると、回した時キレイに見えますよ。

お魚

牛乳パックに油性ペンで魚の模様を描いて切り抜きます。お風呂で浮かして遊ぶと楽しいですよ。濡れると壁にもくっ付きます。

昔遊び

お母さん、おばあちゃんが子どものころからある遊びを、思い出したり調べたりして一緒に遊んでみましょう。

  • 手遊びやわらべ歌 
  • あやとり

手作りすごろく

カレンダーなど大きめの裏紙をテープでつなげ、1枚の大きな白い紙を作ります。そこにすごろくを書き入れて遊びます。「アイスクリームを食べて1回休み」「猫の泣き声をまねる」など家族で面白いことを考えて書き入れると盛り上がります。


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