専門家からのアドバイス・メッセージ(8)
家族で楽しく過ごすコツ


2020年4月17日

新型コロナウイルスの影響で、外出もままならず、不安・イライラが募る⋯⋯ 子育て中のみなさんから、さまざまな不安の声が番組に寄せられています。こうした不安の声や質問について、専門家の方たちから、回答やアドバイス、メッセージを寄せていただきました。

なかなか外に出られない! 親の在宅勤務中に子どもが騒いでしまう⋯ などのお悩みはありませんか? 今回は、そんなお悩みを軽くして、楽しく過ごすコツやアイデアを、斉藤明美さん(幼児教室主任/幼稚園教諭)に伺いました。


家族で過ごせるよい時間に

斉藤明美さん

おうちの中で小さなお子さんとずっと過ごすのはとても大変。しかも、外出もままならない中ではなおさらですね。でも、この状況を大変だと思うのか、楽しんでしまおうと思えるのか、大人の気持ちがどちらに傾くかで、この時期の過ごし方は違ってくるように思います。この自粛期間が、「家族で過ごせるよい時間」とできるようなヒントを少しでもご紹介できればと思います。


遊び感覚で過ごすヒント

ずっと子どもと一緒にいると、親子ともに飽きてしまったり、イライラしてしまったりするかもしれません。そんなときは生活の中に「あそび」を取り入れてみましょう。子どもは「あそび」が大好き。上手に取り入れると子どもが乗り気になるので、いろいろなことが楽しく・スムーズに進められます。

ピクニックごっこ

天気のいい日には、レジャーシートを敷いて、おにぎりを食べよう! 庭やベランダ、部屋の中でも窓を開けて窓辺にシートを広げるとよいですね。
子どもはちょっと環境が変わるだけで 、気分転換になります。外気にあたって、大人もリフレッシュしましょう。

あそびの続きを楽しみに「お片づけ」

子どもとずっと一緒に過ごすと、気になるのが「お片づけ」。 子どもが片づけないことに、イライラすることはありませんか?
そんなときは、部屋の一角を「遊びの続きスペース」にしてはいかがでしょうか。子どもが明日もやりたい!という遊びのおもちゃが置いてあるところは「片づけ免除スペース」にして、それ以外を「お片づけしよう!」と声をかけてみてください。明日もあそびの続きができる、という楽しみがあれば、子どもは片づけもがんばれます。

忍者ごっこ

パパ・ママが在宅勤務になった、というご家庭も多いと思います。自宅でオンライン会議の最中、子どもに静かにしていてほしいけれど⋯お子さんの年齢によっては難しいですね。でも、これも自己コントロールの力を覚えるいい機会だととらえて、遊びながら練習してみませんか?
オンライン会議の前に、子どもと「忍者ごっこ」スタート。忍者は大きな音を出さないよね。だから、声をひそめてひそひそ話にしてみよう。抜き足差し足忍び足で移動するのにチャレンジ! ゆっくり動くと、立てる音が小さくなるのがわかるかな?

この時期だからこその大作戦!

3密(密閉空間・密集場所・密接場面)を避けよう、ということで、人との接触を制限しなくてはなりませんが、その必要性を子どもに言い聞かせるのは難しいですね。
例えば、どうしても外に出なければいけない場合には「人に会わない!大作戦」を実行してみましょう。なるべく人と会わない道を見つけてみよう! きょうはこの前よりも会った人数が少なかった! など、ミッションのかたちにすることで子どもたちは盛り上がり、一生懸命、人と会わないようなルートを探してくれます。


子どものお手伝いのヒント

この機会に、「子どもにお手伝いしてもらおう」と考える方もいらっしゃると思います。そんなときは、「子どもにお手伝いをさせよう」というのではなく、「親子で一緒にごはんを作ろう」という雰囲気の中で 、できそうなことをお子さんにしてもらうのがよいでしょう。無理に最後まできっちりやらせようとすると、心身ともに負荷がかかってイライラするので、お子さんの年齢や経験に合わせてやってもらえそうなことを洗い出してみましょう。
踏み台などを使って、〈一緒にキッチンに立つ〉ことだけでも、お子さんは「一緒に作業した!」という満足感や誇らしい気持ちになります。

子どものお手伝いの例としては・・・いくつか紹介します。

料理のお手伝い

玉ねぎの皮むき ―― ちょっと目を離していても、危険のない作業がおすすめです。

ホットケーキを一緒につくる ―― 卵は親が割って、お子さんが混ぜる。 生地を混ぜてもらう(小さな泡だて器などがあれば便利)。焼けるのを一緒に観察する。お皿にうつし、お子さんがバターを塗る。このような役割分担をして完成させましょう。全工程を一緒に見ていることで、子どもも「自分で作った!」という気持ちになれます。

すり鉢を使った「ゴマすり」 ―― 子どもたちはこういう作業が大好きです。ごりごりする感触、ゴマのいい香り、ゴマがだんだん粉のように変化していくのを見ると達成感が生まれます。すったゴマを使って野菜のゴマあえなどをつくると、思いのほか、食べてくれたりします。

掃除のお手伝い

ごみ集め競争 ―― 机の上や、子ども部屋 、など範囲を決めて、小さなごみをいくつ集められるか競争! ミニほうき、ちりとりセット(卓上用など)があれば便利ですが、なくても楽しめます。

隊長・隊員ごっこ ―― おうちの方が隊長、お子さんが隊員となって、ごっこ遊び。「○○隊員、お片づけをお願いします」「○○隊員、ごみを捨ててきてください」など伝えてみてください。親子でなりきるのがコツ。

洗濯のお手伝い

おうちの方と干しっこ競争 ――「○○ちゃんは、靴下の係、ママはタオルね」など、分担してどっちがはやく干せるかな~。よーいドン! 靴下なら多少干し方が曲がってもイライラしないので、子どもに任せてみてはいかがでしょう。

お風呂の中でハンカチ洗い ―― おうちの人と一緒にごしごし洗ってみよう。手洗いは、「洗う」「絞る」「広げる」など、さまざまな手指の動きが経験できるので、手の力がついたり、器用さを育むことにもつながります。


いろいろな工夫をしてみても、うまくいかないこともあります。でも、小さいお子さんの場合は、できないのが当たり前。「できなくてはいけない」「させなくてはいけない」と焦る必要はありません。この時期、いちばん大事なのは、イライラの種をつくらないこと。まずは、親がイライラせずに任せられるお手伝いを選んでください。家事の時間を、親子のいい時間にできるといいですね。


おうちの方へのメッセージ

斉藤明美さん

外出自粛期間を気分よく過ごすために大切なのは、できるだけ子どもの生活リズムを崩さないことだと思います。起きる、ごはんを食べる、寝る、という基本的な生活時間は崩さないほうが、子どもも安定しておだやかに過ごせます。まずは、起きる時間を一定にすることに気を配ってみてください。そうすると、自然と寝る時間やごはんの時間も定まってきます。子どもも不必要にグズグズすることが減り、気持ちよく1日を過ごせるようになっていくと思います。みなさんが、この時期を健やかな気持ちで過ごせますように、心から願っております。