No.174 2019年3月発行

撮像デバイス 特集号

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巻頭言

  • 撮像デバイスの積層化技術への期待
    東京理科大学 教授 浜本隆之
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解説

  • 光電変換膜積層型撮像デバイスの技術動向
    難波正和  相原 聡
    PDF ↓概要

    概要
    8Kスーパーハイビジョンで多彩な番組を制作するためには,カメラの更なる高感度化や小型化が求められている。NHKでは,これらの課題の解決に向けて,撮像デバイスの高感度化を目指した「低電圧増倍膜積層型撮像デバイス」と,カメラの小型化を目指した「RGB有機膜積層型撮像デバイス」の2種類の光電変換膜積層型撮像デバイスの研究開発を進めている。いずれのデバイスも,光電変換膜を信号読み出し回路上に積層することで性能の飛躍的な向上を目指すものである。本稿では,撮像デバイスの高感度化およびカメラの小型化に向けた技術について解説するとともに,光電変換膜積層型撮像デバイスの研究開発動向を紹介する。
  • 3次元構造撮像デバイスの技術動向
    井口義則
    PDF ↓概要

    概要
    撮像デバイスは,映像を捉えるカメラの心臓部であり,放送番組の制作やロボットの制御などに用いる業務用・産業用のカメラから,一般消費者向けのスマートフォンの内蔵カメラやデジタルビデオカメラまで,幅広い用途に使われている。撮像デバイスに要求される性能も,用途によってさまざまであり,例えば,テレビカメラ用には高精細で滑らかに動きを捉える性能などが,スマートフォン用には小型化や低消費電力化などが求められている。近年,撮像デバイスを3次元構造化することにより高性能化や高機能化を図り,多様な要求に応える技術に注目が集まっている。本稿では,撮像デバイスの3次元構造化に関わる技術について,そのメリットや開発動向を解説する。

報告

  • 結晶セレンによる膜積層型撮像デバイスの暗電流低減
    為村成亨  峰尾圭忠  宮川和典  難波正和  大竹 浩  久保田節
    PDF ↓概要

    要約
    高感度な超高精細カメラの実現を目指して,結晶セレン(c-Se:crystalline Selenium)を光電変換部に適用した,膜積層型撮像デバイスの研究を進めている。可視光領域に高い光吸収特性を有するc-Seを用いることで,信号読み出し回路上でも,低い印加電圧で膜内のアバランシェ増倍が発現するため,撮像デバイスの高感度化を実現できる可能性がある。しかし,これまでは,増倍動作前の低電界領域においても,c-Se膜内で発生する暗電流が増加してしまうことが課題であった。今回,Seの結晶化時に膜剥がれ防止のために用いるテルル(Te:Tellurium)結晶核の成膜条件を最適化し,Seの結晶性を大幅に改善することにより,非増倍時の暗電流を抑制した。ガラス基板上に作製した試作デバイスにおいて,逆バイアス電圧(15V)印加時の暗電流値を,従来の100分の1となる100pA/cm2以下に抑制することに成功した。
  • 有機光電変換膜を透明電極で挟んだ受光素子の特性改善
    堺 俊克  高木友望  堀 洋祐  清水貴央  大竹 浩  相原 聡
    PDF ↓概要

    要約
    カメラの小型化と高感度化の両立を目指して,波長選択性を持つ有機光電変換膜を積層した構造のRGB有機膜積層型撮像デバイスの研究を進めている。今回,赤,緑,青の各色用の波長選択性受光素子の特性改善に取り組んだ。有機膜やバッファー層に用いる材料,および透明電極の形成手法を見直すことにより,有機膜を透明電極で挟んだ構造の素子で,赤用,緑用,青用のすべてにおいて80%の量子効率を達成した。
  • 画素並列信号処理3次元構造撮像デバイスの開発
    後藤正英  本田悠葵  渡部俊久  萩原 啓  難波正和  井口義則
    PDF ↓概要

    要約
    将来の映像システムに求められる超高精細と高フレームレートの両立が可能な次世代の撮像デバイスの実現を目指して,受光部の直下に,画素ごとに信号処理回路を集積し,デバイスの深さ方向に信号を伝達する3次元構造撮像デバイスの研究を進めている。今回,微細なAu(金)電極を埋め込んだSOI(Silicon on Insulator)基板の直接接合技術を用いて,フォトダイオード,パルス発生回路,16bitカウンターを3次元的に接続し,画素内で入射光量に対応した数のパルスを発生してA/D(Analog to Digital)変換を行う撮像デバイスの試作に取り組んだ。その結果,3次元構造で画素並列信号処理を行うQVGA(Quarter Video Graphics Array)フォーマットの動画像撮像デバイスとしての動作を確認するとともに,入射光量に対応した優れた線形性と,16bitの多ビット出力,96dB以上の広いダイナミックレンジを得ることができ,将来の高性能な撮像デバイスへの適用可能性を示すことができた。

研究所の動き

  • テレビとスマホの連携を容易に ハイコネ・ライブラリ PDF

  • 曲げられるディスプレーの実現を目指して 逆構造有機EL素子の長寿命化 PDF

論文紹介

  • 論文紹介 PDF

発明と考案

  • 2018年11月~2018年12月 PDF

研究会・年次大会等発表一覧

  • 2018年10月〜2018年12月 PDF