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高度衛星デジタル放送の伝送路符号化方式
橋本 明記 / 放送ネットワーク研究部、 鈴木 陽一 /放送ネットワーク研究部、 小島 政明 /放送ネットワーク研究部、 木村 武史 /放送ネットワーク研究部、 田中 祥次 /放送ネットワーク研究部、 正源 和義 / 研究主幹 工学博士
↓概要
- 概要
- 高度衛星デジタル放送の伝送路符号化方式では,ロールオフ率の低い急しゅんな遮断特性を持つフィルターを採用し,帯域幅を拡大することなく高いシンボルレートによる伝送を可能としている。また,LDPC(Low Density Parity Check:低密度パリティー検査)符号を採用し,所要C/N(Carrier to Noise Ratio)を低減している。従って,現行のBSデジタル放送と同等のサービス時間率を確保した場合においても,情報ビットレートを30%以上増加でき,約70Mbpsの伝送が可能である。本稿では,フレーム構成,誤り訂正符号,変調信号形式などの伝送路符号化の要素技術と伝送信号点配置信号を用いた伝送特性の改善方法について述べる。また,ARIB(Association of Radio Industries and Businesses:(社)電波産業会)で実施した実証実
験の結果についても報告する。
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高度衛星デジタル放送の誤り訂正技術
鈴木 陽一 / 放送ネットワーク研究部 橋本 明記 / 放送ネットワーク研究部 小島 政明 / 放送ネットワーク研究部 田中 祥次 / 放送ネットワーク研究部 木村 武史 / 放送ネットワーク研究部 正源 和義 / 研究主幹 工学博士
↓概要
- 概要
- 高度衛星デジタル放送の誤り訂正技術として,伝送フレーム構成の符号長に適したLDPC(Low Density Parity Check:低密度パリティー検査)符号について報告する。初めに,誤り訂正符号の要求条件を述べ,LDPC符号の符号パラメーターを導出する。次に,LDPC符号に用いる検査行列の設計指針として,サイクル4およびサイクル6の除去方法について述べ,計算機シ
ミュレーションによる白色雑音下での伝送特性結果を示す。最後に,16APSK(Amplitude and Phase Shift Keying:振幅位相変調)および32APSKにLDPC符号を用いた場合に最適となる半径比の設計指針を示し,最適半径比を適用した場合の伝送特性結果を示す。
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高度衛星デジタル放送におけるIPパケット多重化方式
青木 秀一 / 次世代プラットフォーム研究部 青木 勝典 / 次世代プラットフォーム研究部
↓概要
- 概要
- 放送においても,通信で広く用いられているIP(Internet Protocol)パケットを多重することで,送出システムや受信機での放送・通信の共通処理が進展し,放送・通信を連携させた新しいサービスの実現が期待できる。しかし,現在のデジタル放送に採用されている多重化方式であるMPEG-2 Systemsを用いてIPパケットを放送伝送路に多重する方式では,オーバーヘッドが大きくなるという欠点がある。そこで,放送伝送路におけるIPパケットの効率的な多重化方式として,IPヘッダー情報の圧縮方式,IPマルチキャストグループのリストを提供する伝送制御信号,可変長パケットのカプセル化方式から成る多重化方式を開発した。開発した多重化方式は高度衛星デジタル放送における蓄積型放送サービスのTLV(Type Length Value)多重化方式として採用された。本稿では,TLV多重化方式が他のIPパケット多重化方式と比較して低オーバーヘッドの多重が実現できることを述べる。更に,高度衛星デジタル放送の伝送装置を用いたIPパケットの伝送実験を行い,TLV多重化方式で効率的なIPパケットの伝送が可能であることを示す。