次世代のライブエンターテインメントを体感!

~没入感のあるインタラクティブコンテンツを展示~

6月1日(木)から4日(日)まで開催した技研公開2023では、「イマーシブメディアが描くコンテンツの未来」として、次世代のライブエンターテインメントをイメージした没入感のあるコンテンツを来場者に体感していただきました。

イマーシブメディアは、「よりリアルで没入感あふれるコンテンツ体感技術」として、技研が放送メディアの未来ビジョン(Future Vision 2030-2040)に掲げている研究の柱の1つです。将来的には、VR*1ゴーグルなどのデバイスで没入感を楽しむことや、自動運転の車内などで場所や環境を問わずにコンテンツを視聴・体感できることが想定されますが、現時点では誰もがこれらを同時に楽しめる環境は整っていません。そこで今回、より多くの方にイマーシブメディアのイメージを体感していただけるように、正面スクリーン(450インチ)の8K映像に加えて、同サイズの床面スクリーンにも4K映像を投影するとともに、立体音響技術を駆使することでイマーシブな空間を表現しました。

コンテンツ制作には、アーティストのパフォーマンスを48台のカメラであらゆる角度から撮影するボリュメトリックキャプチャー技術や、最新のCG技術を使用しています。これにより、3次元のバーチャルな世界で展開される演奏を、さまざまな視点から楽しむことができるようになりました。例えば、VRゴーグルを使うことで、自由にコンテンツの中を歩き回ったり、飛び回ったりしながらライブを楽しむことが可能になることを想定しています。

今回の展示では、このようなインタラクティブな楽しみ方のコンセプトを体感できるように、カメラワークや音の聞こえ方が異なる3つのモードを用意しました。1つ目のモードは、アーティストの間近で迫力の演奏を楽しめる「アーティストモード」、2つ目は、お薦めのカメラワークで楽しめる「ミュージックビデオモード」、3つ目は、少し離れて空から楽しめる「ドローンモード」です。これらのモードを展示担当者が毎回その場で切り替えながら上映しました。

来場者からは、「コンテンツの作り方が根本的に変わりそう。」、「すごく臨場感があって、芸術作品などへの応用にも可能性を感じた。」といったご意見をいただきました。

今後は、今回制作したイマーシブコンテンツを、マルチディスプレーやVRゴーグルなどで楽しめるようにすることで、国内外のイベントで展示していくとともに、イマーシブメディアの実現に必要な技術の研究開発を進めていきます。

技研ボリュメトリックキャプチャースタジオ
(出演アーティスト:GLIM SPANKY)
コンテンツ上映の様子
  1. バーチャルリアリティー