NHKの特許 ~成果の社会還元に向けて~

テクニカルショウヨコハマ2019の様子

NHKでは、時代に即した新しい放送サービスの実現に向けて、放送技術の研究開発を積極的に進めています。研究開発の過程で生まれた成果は、特許やノウハウなどの知的財産として権利を確保するとともに、NHKの保有技術として積極的に周知あっせんし、技術協力やライセンスにより、広く一般の皆さまにご利用いただいています。また、NHKの研究開発は受信料を基に行われていることから、利用される方から公平かつ適正な対価をいただき、成果の社会還元とのバランスをとっています。ここでは、放送に関わる標準化技術として採用された特許の有効活用を図るための取り組みである「パテントプール」と、NHK保有技術の移転に向けた「テクニカルショウヨコハマ2019」での周知あっせん活動について紹介します。

パテントプール

NHKでは、研究開発成果を国内外で広く利用できるよう放送方式などの標準化活動に取り組んでいます。標準化された技術の普及促進のため、複数の特許権者が保有する必須特許を、合理的かつ公平な条件で一括ライセンスするパテントプールという仕組みを活用して、多くの企業にライセンスしています。2018年12月1日にスタートした新4K8K衛星放送に関わる標準化技術についても、放送開始にともないパテントプールによるライセンスが本格的に始動しました。このほか、従来の地上/衛星デジタル放送や高効率映像符号化などに関わる標準化技術もパテントプールを介してライセンスしています。

テクニカルショウヨコハマ2019

NHKは、(一財)NHKエンジニアリングシステム(NHK-ES)と連携して、研究開発成果の社会還元を進めています。その一環として、2月6日~8日にパシフィコ横浜で開催された「テクニカルショウヨコハマ2019」のNHK-ESブースにおいて、NHKの保有技術を紹介しました。

ブースでは、イーサネットを利用した高速デジタル信号伝送技術、白黒映像のカラー化技術、垂直色分離型有機撮像デバイスの作製技術などを展示するとともに、技術移転可能な保有技術をとりまとめた「NHK技術カタログ*」や、保有技術を親しみやすい絵で表現した「きぬ太とネネの技術ノート」を使って紹介しました。

*NHK技術カタログ:http://www.nes.or.jp/transfer/catalog/index.html