海外派遣報告 アメリカ・ダートマス大学

テレビ方式研究部 船津良平

2014年9月から半年間の予定で、アメリカ・ニューハンプシャー州にあるダートマス大学のエリック・フォッサム教授の研究室に訪問研究員として滞在しています。フォッサム教授は、携帯電話のカメラなどに広く利用されているアクティブピクセル方式* のCMOSイメージセンサーを提案した世界的に著名な研究者で、現在は光の粒子(フォトン)の到来を直接検出するための、新しい原理に基づく「量子イメージセンサー」の研究を行っています。

技研では、8Kスーパーハイビジョン(8K)や将来の立体テレビの実現に向けて、より高感度で画素数の多いカメラの実現を目指しており、この量子イメージセンサーを用いればカメラの飛躍的な性能改善が見込まれます。

私は現在、量子イメージセンサーの信号を実時間で処理する手法について研究しています。将来、この研究成果を応用することで、8Kカメラの高画質化や立体テレビ用カメラの開発につなげたいと考えています。

* アクティブピクセル方式:画素内に増幅器を設けることで低雑音・高感度・低消費電力を実現した、現在広く普及しているCMOSイメージセンサーの方式