18 フロンティアサイエンス 中長期

自然光でのホログラフィー撮影技術

高精細な3次元情報の取得を目指した光利用効率向上

展示概要

太陽光などの自然光やLED照明光などの下で、高精細な3次元情報を取得できる撮影技術の研究を進めています。画質を改善するために、光の利用効率を向上させたインコヒーレント※1デジタルホログラフィーの撮影装置を紹介しています。

LED照明でのホログラフィーの撮影のイメージ

自然光で撮影できるホログラフィー

一般的なホログラフィーはレーザー光を用いるため、撮影できる場所や被写体に制限があります。一方、インコヒーレントデジタルホログラフィーでは自然光やLED照明光で撮影できるため、一般的なカメラと同じようにさまざまな場所で人物を撮影することが可能です。

透過型液晶レンズ※2による光利用効率の向上

従来の撮影装置の光学系は反射型の液晶パネルを用いていたため、光利用効率が低下するという課題がありました。今回、透過型の液晶レンズで構成した光学系により光利用効率を4倍に向上させ、画質の改善と被写体サイズの拡大を実現しました。

【今後の予定】

2027年までに動画化とカラー化に必要な要素技術を開発し、2030年頃までにカメラを試作します。

【関連文献】

  • インコヒーレント:光の波長、進む方向やタイミングがそろっておらず、波どうしで干渉性が低いこと。太陽光やLED照明光など。
  • 液晶レンズ:液晶分子の向きによって屈折率が異なることを利用して作られたレンズ。

この研究の一部は、シチズン時計株式会社と共同で進めています。