13 フロンティアサイエンス 中長期
イマーシブコンテンツ体験に向けた
ディスプレー技術
柔軟に変形できるディスプレーを目指して

展示概要
いつでもどこでも没入感・臨場感あるコンテンツを楽しめるよう、柔軟でさまざまな形状に変形できるディスプレーの実現に向けた研究を進めています。ここでは、伸縮可能なディスプレーと、色鮮やかな表示を目指した量子ドット※1EL※2素子を展示しています。

伸縮可能なディスプレー
柔軟なゴム基板を用いて、伸縮可能なLED※3ディスプレーを開発しました。各画素を伸縮配線で接続することで自由に伸縮させることができ、ドーム型などさまざまな形状に変形させたり、肌に貼りつけて映像を表示するディスプレーが実現できます。
色鮮やかな量子ドットEL素子
量子ドットは粒子状の半導体結晶です。インクのように塗ることができ、色純度の高い発光材料として期待されています。有毒なカドミウムを含まない新しい量子ドット材料を使用し、材料組成と素子構造の改善により、ディスプレーの広色域化に有効な色鮮やかな赤・緑・青色EL素子を実現しました。
【今後の予定】
2025年頃にディスプレーの高精細化・高画質化を進めたプロトタイプを試作し、2030年までの実用化を目指します。
【参考文献】
- M. Miyakawa, H. Tsuji, and M. Nakata, "Highly stretchable island-structure metal oxide thin-film transistor arrays using acrylic adhesive for deformable display applications," J. of the SID, 2022, 30(9), 699-705.
- G. Motomura, T. Uematsu, S. Kuwabata, T. Kameyama, T. Torimoto, and T. Tsuzuki, "Quantum-Dot Light-Emitting Diodes Exhibiting Narrow-Spectrum Green Electroluminescence by Using Ag–In–Ga–S/GaSx Quantum Dots," ACS Appl. Mater. Interfaces, 2023, 15(6), 8336-8344.