ごあいさつ

日頃より、NHKにご理解とご支援をいただき、厚く御礼申し上げます。

NHK放送技術研究所(技研)は、豊かな放送・サービスを視聴者のみなさまにお届けすべく、放送技術専門の研究拠点として、1930年に世田谷区砧の地に誕生しました。これまでにさまざまな研究開発と実用化を推進し、ことしはテレビ放送開始から70年、そして地上デジタル放送開始から20年の節目を迎えました。

最新の研究成果を視聴者や専門家のみなさまに公開する技研公開を、開所記念日にあたる6月1日の前後に毎年開催しています。コロナ禍のため、自由にご来場いただけない状況が続いていましたが、ことしの技研公開2023は、4年ぶりに事前予約なしでどなたでもお越しいただけるリアル開催として実施します。

技研は、研究所の目指す目標と方向性を「Future Vision 2030–2040」として描き、この実現に向けて「イマーシブメディア」、「ユニバーサルサービス」、「フロンティアサイエンス」の3つの領域で研究開発を推進しています。技研公開2023では、「メディアを支え、未来を創る」をテーマに、多様な伝送路や視聴端末に対応する技術、アクセシビリティーを高める技術、イマーシブコンテンツの制作技術、AI活用技術や撮像・表示技術の基礎研究など、最新の研究開発成果を展示します。

放送メディアを取り巻く環境は、急激に変化しています。こうした時代に、技研は最先端テクノロジーによってコンテンツ制作現場に貢献するとともに、将来のFuture Visionの実現に向けた中長期的な研究にもバランスよく取り組んでまいります。ぜひ、技研公開2023の会場にお越しいただき、技研の取り組みをご理解いただければ幸いです。今後ともより一層のご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

2023年5月
NHK放送技術研究所長  今井 亨