手話CG制作技術
手話を介したメディアアクセシビリティの探求
展示概要
聴覚障害者への情報保障の1つとして、伝える情報を視覚言語である手話に変換してコンピュータグラフィックス(CG)で提供する技術を研究しています。最新の気象情報を、自動で生成した手話CGによりお伝えしています。(手話クイズ・ミニ手話教室動画はこちら。)
気象手話CGができるまで
気象庁が発表する気象電文をもとに、各地の最新の天気予報、降水確率、予想気温を伝える手話CGを自動生成します。気象電文から手話の表現を生成する技術と、その手話表現をCGで表現するCG生成技術で実現しています。
電文解析・手話表現生成の仕組み
気象庁からの気象情報の電文と定型文を利用して、手話表現を生成します。
あらかじめ、左のような、天気予報、降水確率、予想最高・最低気温について、朝用、昼用、夜用 といったように複数の手話表現の定型文をあらかじめ用意しておきます。
気象庁から電文が届くと、時刻に合わせて定型文を絞り、電文の中にある、天気や気温などのデータを抜き出して定型文にあてはめることで、常に正確な手話表現を決定しています。
CG描画の仕組み
前段で生成された手話表現それぞれに相当する動きデータをモーションデータベースから抜き出し、それらをスムーズにつなげることで、最終的な手話CGアニメーションを生成しています。
手話モーションデータベースの仕組み
手話モーションのデータベースには、CGキャラクターに手話をさせるための体の動きデータが蓄積されています。
動きデータとして、定型文の手話表現と、天気、日時、数字などを表す手話表現を、個別にデータ化しています。
この動きのデータを作るにあたり、モーションキャプチャーという技術を活用しました。
頭部や手足の関節などにマーカーを取り付け、その動きを、特殊なカメラ40台以上で細かく捉え、データとして記録しました。
今後の予定
今後は、気象やスポーツなどの定型文だけでなく、任意の日本語文を手話CGでお届けできるよう、また、実写に近いフォトリアルなCGキャラクターによる、伝わりやすい手話表現について、研究開発を進めていきます。フォトリアルなCGキャラクターの制作についてはこちらへ(技研公開のページを離れます)。
- 手話クイズ・ミニ手話教室動画
- 気象手話CGサイト
技研公開のページを離れます