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世界に広まった
ハイビジョン

1981(昭和56) NASA有人再使用型ロケット「スペースシャトル」、初飛行
1989(平成1) 放送衛星BS-2でMUSE方式による実験放送開始
1990 デジタル帯域圧縮技術であるMPEG-2方式の研究開始
1990 CCIR総会でHDTVスタジオ規格勧告(勧告709)が成立
1991.11 NHKハイビジョン試験放送開始
1995.1 阪神・淡路大震災
1998 スペースシャトルに初めてハイビジョンカメラを搭載
2000.3 総走査線数1125本で世界統一
2000.12 BSデジタルハイビジョン放送開始

1964年に開始されたハイビジョン研究は、それから36年たって、デジタルハイビジョン放送に結実した。ハイビジョンは世界中で放送されているばかりでなく、医療など放送以外の分野でも活躍している。

1964-2000 ハイビジョンが世界統一規格に

放送方式の開発

1983年に、HDTV信号を1/4に圧縮して衛星放送の1チャンネルでハイビジョンを放送することができるサブサンプリングと、動き補正技術を用いたMUSE方式が開発された。一方、1990年にはデジタル帯域圧縮技術であるMPEG方式の研究がはじめられた。ハイビジョン放送にとって必要とされる画質と所要ビットレートやエンコーダ機能最適化などの研究が行われた。

1989年に放送衛星BS-2で開始された毎日1時間のMUSE方式による実験放送は、1991年に放送衛星BS-3を使用して1日8時間の試験放送となった。そして、2000年12月にBSAT-1bを使用して7チャンネルのデジタルハイビジョン放送が開始された。


HDTV規格の国際標準化

HDTVを開発するテレビ技術者にとって、次世代のテレビは、標準テレビのように国ごとに異なる方式ではなく、世界共通の規格となることが夢であった。HDTVは、1981年、初めてアメリカで実演展示が行われて、関係者にその映像の美しさで大きな衝撃を与えた。HDTV規格は、その豊かな将来性ゆえに、企業間競争や国家間の駆け引きなどで、大きな国際的問題となった。1986年5月の国際標準化会議CCIR(現ITU-R)総会では、ヨーロッパ諸国が総走査線数1250本、50フィールド方式を主張し、世界統一とならなかった。1987年以降はデジタル技術の論議もそれに拍車をかけて、さまざまな方式が提案された。しかし、1990年に成立した規格(ITU-R勧告709)をベースに、1997年有効走査線数が1080本に、2000年には総走査線数が1125本に世界統一された(ITU-R勧告709改訂)。


世界中に普及

デジタル放送の開始とともに世界中でハイビジョン放送が行われるようになった。また、ハイビジョンは放送に限らず医療など様々な産業でも、走査線数525本/625本の標準テレビに代わり一般的に使われるようになった。

“宇宙仕様” 宇宙から見たリアルな地球の姿

スペースシャトル「ディスカバリー」は、ハイビジョンカメラを搭載し、1998年10月29日(現地時間)フロリダ州ケネディー宇宙センターから打ち上げられた。NHKは宇宙開発事業団(NASDA)の協力のもとアメリカNASAと連携し、スペースシャトルに搭載する宇宙仕様のハイビジョンカメラ(VTR一体型カメラ)を開発した。NASAの定める厳しい安全基準を満足させるためには、バッテリーの安全対策や電磁輻射対策など多くの課題があったが、NHKの技術者は4,000ページに及ぶ研究結果と28項目の安全対策を施してハイビジョンカメラの宇宙仕様を達成した。人類誕生以来初めて宇宙から地球をとらえたハイビジョン映像の撮影に成功した。人類はハイビジョンの高精細でリアルな映像で宇宙から地球の姿を見ることができた。

その後、月周回衛星「かぐや」(2007年打ち上げ)にもハイビジョンカメラが搭載され、月面からの「地球の出、地球の入り」がテレビを通じてお茶の間に届けられた。

ハイビジョンカメラを持つ向井千秋宇宙飛行士(1998.11.13) NASA・JAXA提供

ハイビジョンカメラを持つ
向井千秋宇宙飛行士(1998.11.13)
NASA・JAXA提供

 
「かぐや」の見た地球(2008) JAXA/NHK

「かぐや」の見た地球(2008)
JAXA/NHK

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