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衛星放送の開始

1965(昭和40) NHK独自の衛星放送構想発表
1966 技研で放送衛星研究を開始
1972 NHKが実験用放送衛星(BS)打ち上げを要望
1973 宇宙開発委員会でBS開発計画を了承
1978 BS打ち上げ
1984 BS-2a打ち上げ
1986 BS-2b打ち上げ
1989(平成1) 衛星放送の本放送開始

1984(昭和59)年5月12日、日本で世界初の本格的な直接受信衛星放送が開始された。この衛星放送によって大東島など日本のテレビ難視聴地域問題は、放送開始以来約50年で解消された。衛星放送という構想を1965(昭和40)年、当時のNHK前田義徳会長が記者会見で表明して以来、実現に20年近い歳月を必要とした。

1984 世界初の直接受信衛星放送

直接受信衛星放送の構想

宇宙空間の人工衛星から電波を送れば、一挙に広い範囲に対して通信や放送ができる。しかも、地球の自転周期と同じ周期で地球を公転する静止衛星であれば、3機の衛星で南北両極を除く世界中をカバーできる。これはイギリスの空想科学小説家、アーサー・クラークが1945年に提案したアイデアである。

20年後の1965年、NHK前田義徳会長は自前の衛星を打ち上げて、各家庭で直接電波を受信する衛星放送を行う構想を発表した。これによれば1機の衛星で日本中あまねく放送を行うことが可能になる。


放送衛星の研究開始

技研でも1966年に、衛星本体、管制、搭載用中継器、家庭用受信機等の研究に着手した。小型で、楕円低軌道の周回衛星ではあるが、音声1チャンネルを放送するA型衛星(重量約10kg)、テレビ1チャンネルのB型衛星(重量約45kg)の設計・製作を行い、宇宙環境試験室も整備して各種試験を実施した。

現在の放送衛星が、機体だけでも500kg以上あることから比べると、非常に小さな衛星ではあったが、1968年に実験機を完成させ、衛星放送の開始に向けた貴重な経験を得た。


実用化研究の進展

国としての実用衛星開発計画も本格的に開始され、1969年には宇宙開発事業団(NASDA)が発足した。また1971年の世界無線主管庁会議では、衛星放送のために12GHz帯を使用することが決定された。

1973年に国の宇宙開発委員会で実験用放送衛星(BS)の開発計画が了承され、NHKの中継器や衛星搭載用アンテナの研究等の成果がBSの設計に反映された。また、NHK関係者はNASDAに出向してプロジェクトの推進にあたるとともに、アメリカのGE社に駐在し、中継器の設計・製作支援を行った。

このBSは当時の衛星用中継器としては格段に高出力である100WのTWTを3台搭載し、2チャンネルの放送を行うものであった。また、衛星の姿勢制御方式も三軸安定型であり、スピン安定型が主流であった当時としては新しい技術であった。


衛星放送チャンネルプラン

宇宙空間から発射される電波は容易に世界各国に届く。このため、限られた電波や静止軌道位置を各国に割り当てなければならない。世界各国で衛星放送計画が盛り上がる中で、1977年の世界無線主管庁会議(WARC-BS)では、各国で使用する放送衛星の軌道位置や周波数の割り当てが行われた。
  NHKは、技研で独自開発した計算機プログラムを駆使して、この会議における周波数割り当て計画の作成作業に貢献した。これにより日本は欧州各国よりも多い8チャンネルの割り当てを確保することができた。

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