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2020年9月23日(水)

日本ハム 杉谷拳士選手 仕事の流儀とは

プロ野球12球団の担当記者がチームを引っ張る役割を担う選手の思いに迫るシリーズ。6回目は日本ハムの杉谷拳士選手です。チームのムードメーカーとしてはもちろん、新型コロナウイルスの影響を受けた今シーズンは、複数のポジションを守れるユーティリティープレーヤーとして大きな存在感を示していますその裏には強い信念を持って日々の試合に臨む杉谷選手の素顔がありました。

今シーズン 持ち味を発揮

プロ野球は今シーズン、新型コロナウイルスの影響で開幕時期が遅れたことにより、6連戦が続く過密日程となっています。

毎試合先発出場するレギュラーの選手は、試合前に体のケアをしたり、終わってからも遅くまでマッサージを欠かさなかったりするなど、例年にはない疲れが出てきているといいます。

そうしたなか、杉谷選手はここまで、試合によってピッチャーやキャッチャー、それにショート以外のすべてのポジションを任されています。様々なポジションを守ることができる杉谷選手が先発や途中から出場することで、主力選手を休ませることができているのです。

杉谷選手

近藤健介選手や西川遥輝選手など、毎試合出場する選手が本当にきつそうにしているので、彼らが少しでも気持ちよくプレーできるように今シーズンは挑んでいる。誰かができないことを僕がやることで足りないピースをしっかり埋めていきたい。

準備①「球場入りは6時間以上前」

杉谷選手は、様々な選手の代わりを務める“準備”をするために、他の選手が誰もいない試合開始の6時間以上前から球場に入ります。ストレッチやランニングなどをしながら、自分のその日の体の調子をチェックしています。

杉谷選手

体を動かす仕事でケガをしたら、仕事もできなくなる。自分の体としっかり向き合う時間を試合前につくって、そのうえで試合に挑みたい。

準備②「異なるポジション練習」

また、試合前の練習では、ファースト用、内野用、外野用と異なるポジションのグローブを手に取ってグラウンドに入ります。毎試合どこを守るか、試合の展開によって変わるため、毎日すべてのポジションで打球への入り方やスローイングを1つ1つ確認しています。

準備③「実戦を想定したバッティング練習」

さらにバッティング練習では、あえてプレッシャーがかかる場面を想定して打席に入っています。例えば、ノーアウト一塁二塁の想定で、三塁側方向に打球の勢いを落としたバントを繰り返すなど、あらゆる場面に対応できるように準備しているのです。

“準備”が実を結ぶ

こうした“準備”が実を結んだ試合がありました。8月20日の楽天との試合で、1点リードの7回にノーアウトランナー一塁の場面で代打で登場した杉谷選手。

相手がバントを予想する中で、送りバントをしっかりと決めて追加点の起点となりました。

起用に応えた杉谷選手に対して、栗山英樹監督は「ナイスバントだった。今後も頼む」と厚い信頼を寄せていました。

準備が信頼を生み 信頼がチャンスを生む

難しい場面でも活躍を求められる杉谷選手には仕事への流儀があります。それは“準備が信頼を生み、信頼がチャンスを生む”ということです。

杉谷選手

例えば会社で上司の方に『これやっておいて』と言われて、『できませんでした』と言ってしまったら、上司はその部下に仕事を頼まなくなると思う。野球で言うと監督に『代打バント、代走、守備』と言われて、『すいません。できません』って答えてしまったらチャンスがなくなる。それだったらしっかり“準備”をして、自分のやれることをできるようにしないといけない。プロ野球はきらびやかな世界だと思われるがやっていることはプロ野球も、会社も一緒だと思う。

目指すのはレギュラー

どこでも守れて、厳しい場面でも活躍できるように準備をする杉谷選手。レギュラー定着を一番に考えて常に試合に臨んでいます。

杉谷選手

監督に行けと言われたときにしっかり結果を残して、また『あいつ使いたいな』と思わせることが一番。そうすることでレギュラーに近づくと思う。会社のなかの縁の下の力持ちになることは大事だが、やっぱり会社でも1番になりたいのは当たり前のことだと思う。レギュラーになれるためにもしっかりこれからも“準備”をしていきたい。

プロ野球選手という職業は、一見きらびやかに見えますが、求められることや、やるべきことは、世の中の職業と変わらないということを杉谷選手を通して改めて感じました。私も仕事でうまくいかないときは、杉谷選手の“準備”を思い出して、頑張りたいと思います。

阿久根駿介

札幌局スポーツ担当。
大学まで野球一筋。ポジションはピッチャーで、高校2年生の秋に杉谷選手擁する帝京高校との試合で先発登板。その試合でチームが勝ったことから、杉谷選手からは「センバツにいけなかった原因」としていじられるも、仲良くさせていただいています。

                   
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