読み込み中です...

2020年3月19日(木)

サッカー日本代表ユニフォームはどうやって選ばれるのか?

さっそくですが、現在のサッカー日本代表のユニフォームはどんな柄でしょうか?今までとはちょっと違ったデザインですよね。
 
じつはあの柄は…。
 
おっと、ここからは2020東京オリンピックのユニフォームの真相と歴代のユニフォームの裏話について、日本サッカー協会に聞きましょう。

やってきました日本サッカー協会!

御茶ノ水駅から「サッカー通り」を歩いて10分くらいの場所にあります

サッカーの総本山日本サッカー協会に到着。快く取材に応じてくれたのは、マーケティング部長の髙埜尚人さん。挨拶もそこそこに、早速、気になる疑問をぶつけてみました。

ーーこれまでにないデザインのユニフォームで、初めて見たときは驚かされました!

髙埜尚人さん(以下:髙埜):ありがとうございます!今回のユニフォームは”日本晴れ”というコンセプトで、浮世絵から着想を得たスカイコラージュのグラフィックを用いているのが特徴です。背面は空に見立てたブルーで、赤であしらわれた背番号や選手名に”青空の頂点へ日の丸が登っていく”という願いがこめられています。

インパクト抜群のスカイコラージュ柄が特徴の2020モデル

ーーユニフォームひとつのデザインに、そんな想いが込められているんですね。それにしても、大胆なデザインだと思いますけど、どういった経緯で決まったのですか?

髙埜:デザインに関しては、日本サッカー協会と日本代表のオフィシャルサプライヤーメーカーで話し合いを重ねて決めています。その過程では、過去日本代表として戦ってこられたOB、OGあるいは裏方で支えてきた方、そしてファンやサポーターの方々など彼らの思いを丁寧にヒアリングします。そして日本代表のユニフォームに相応しいと確信を持って、製作にのぞんでいます。それは今回のモデルに関わらず、過去のモデルでも同じことが言えます。

ーーちなみに製作期間はどれくらいかかるんですか?

髙埜:あしかけ1年半くらいはかけています。最初はコンセプト作りから。サプライヤーからコンセプトの提案を頂いて、それをベースに議論したり、関係各所にヒアリングしたりして進めていきます。ちょっと違うなとなったらやり直して、「それ」を繰り返してという感じです。デザインはそのあとで、ラフスケッチからはじめます。

終始にこやかに質問に答えてくれる髙埜さんは、マーケティング部長としてユニフォームの開発からプロモーションまで幅広く携わっています

ーーでは最終決定まで、会議を何度も行なっているんじゃないですか?300回とか?

髙埜:実は会議として集まる機会はそんなに多くないんですよ。今回のモデルだとデザイン決定まではトータルでも6回、7回くらい。もちろんその間に電話やメールでのやり取りはしていますけどね。

ーー意外とすんなり決まるものなんですね。

髙埜:コンセプト、デザインに関しては毎回そんなに難航しないですね。それもユニフォーム製作に関わっている日本サッカー協会とオフィシャルサプライヤー両者で意識がきっちり共有されていることが大きいと思います。根幹の部分は変わらないしブレませんので、すんなりいくのかもしれませんね。

ーーちなみに今回のモデルでデザインのボツ案はありました?

髙埜:ボツ案とまではいきませんが、初期の初期という段階でのブレストでは色々ありますよ。日本を象徴するという意味で、富士山をかたどってみようとか、鷹をあしらってみようとか。

ーー富士山イメージも面白そうですね。ちなみにデザインを決定していくプロセスで大切にしていることはなんですか?

髙埜:最も大切なのは、日本を代表する選手たちが着用するユニフォームですので、イメージやブランドをしっかり表現できるものにしようということだと思います。ユニフォームは、もちろん日本サッカー協会のものでもないですし、それに選手だけのものでもありません。ファンやサポーターがこれを着た選手を見て、応援したいと思えるものじゃないといけないと思っています。本当にその一心でやっています!

日本サッカー協会にはサッカー界への発展、貢献を願った、「理念・ビジョン・バリュー」を記したポスターが掲示されていました

髙埜:そういう意味では、世間のみなさんがどう思っているかは気になりますし、プレッシャーでもあります。どのユニフォームでも賛否両論が出ることは承知してるんですけど、それでもネガティブな意見が多いとやっぱり落ち込みますね。

評判の良かった歴代ユニフォームは?

1997年のユニフォーム。ワールドカップ初出場を決めた岡野選手のゴールは日本中が歓喜に包まれた

ーーなんだか質問攻めになっていますが、歴代のユニフォームで評判が良かったモデルはどれなんでしょう?

髙埜:なかなか難しい質問ですね。どの時期の日本代表と密に接したかによって、意見が分かれるんですよ。僕は42歳なんですが、近い年齢の人は1997年の炎のデザインのユニフォームが印象に残っている人が多いのではないかと思います。これは日本が初めてワールドカップ出場を決めた”ジョホールバルの歓喜”の時のユニフォームで、そのシーンとのリンクがあるのだと思います。そういった部分も含めて良い評判は多く聞きますね。

あとは2014年の円陣をモチーフにしたユニフォームですね。これは円陣を組んだ時に背の赤いラインが輪となるというもので、その仕掛けも面白いと良い評判を聞いています。

2014年のユニフォーム。ブラジルワールドカップでは1勝もできずにGL敗退という悔しい結果に

ーー2018年のモデルも記憶に新しいですね。

髙埜:2018年のモデルはコンセプトが”勝ち色”で、戦国武将が戦地でまとった藍染めの着物である鎧下をモチーフにしたユニフォームでしたが、そのコンセプトを伝えるところはチャレンジングでしたね。鎧下に馴染みがない人もいますし、勝つための験を担いでいるという藍色に込めた意味など、プロモーションをする点は丁寧に作業しました。

2018年のユニフォーム。香川選手のPKゴールを皮切りに日本代表は躍進。

理想は様々な競技の日本代表を応援する1着

ーーユニフォーム製作には強い思いがあるんですね。

髙埜:強い思いがないと作れませんし、作る資格がないとも思っています。それだけに今回のモデルではネガティブな意見・感想も多く聞こえてきて、悔しい思いをしています。私たちが正式発表する前にユニフォーム画像のみがリークされてしまいました。僕らはまったく違うものから着想を得てコンセプトを作り、強い思いをデザインに込めたんですが、全然違う見方でミスリードされてしまい、その時点での評判は厳しくて、辛い思いをしました。

ーーたしかにこの時は、メディアでもネガティブな意見が多く取り上げられていましたよね。

髙埜:けれど、その思いもよらないネガティブなイメージを払拭するだけの、いいコンセプトを作り、デザインで表現できたと自負がありましたので、ローンチ以降は丁寧にみなさんにお伝えする努力をしました。すると間もなく「悪くないね」「私は好きだな」といった声も届き出しました。これだけネガティブな世相で、ポジティブな意見が聞こえてきたのはとても嬉しかったですね。

ーーいい評判が聞こえ出した今、スカイコラージュに込めた思いがより伝わるといいですね。

髙埜:はい。みんなそれぞれ場所、時間、状況、気持ちによって見える空の色は違います。けれどもその空がひとつに混ざり合って、最後は背中で表現された快晴の日本晴れに日の丸が昇っていくというコンセプト。戦う選手だけでなく、応援するみなさんの思いもデザインに込めています。このユニフォームをまとった選手たちファンたちが、勝利を目指しひとつになれると信じています!

赤い背番号は快晴の空で輝く日の丸のように見える

日本代表のユニフォームが青い理由

1936年のベルリンオリンピックで使用されたユニフォーム

ーーお話は尽きませんが、素朴な質問をいくつかさせてください。サッカー日本代表のユニフォームはなぜ青なんですか?

髙埜:これは諸説あるんですよ。1930年当時の日本代表チームが東京帝国大学のメンバーが中心だったため、そのサッカー部のユニフォームの青を採用したことや、ほかにも日本の国土を象徴する海と空の青のイメージからなど。ただ正式な文献が残っていなくて、なぜ青なのかというのは不明なんです。

ーーそれでも1930年からずっとサムライブルーなんですね。

髙埜:1989年と2012年に赤にしたことがあるんです。

赤のユニフォームの時代。モチーフはもちろん日の丸

ーーサムライブルーではなく、サムライレッドだったこともあったんですね!最後に、胸についている鳥のマークのエンブレムって何ですか?

髙埜:これはサッカー日本代表のエンブレムで、日本サッカー協会のシンボルマークと同様、3本足のカラスを使用しています。イングランド代表はスリーライオンズと呼ばれるライオンや、ドイツ代表では鷹があしらわれています。なぜユニフォームの胸にエンブレムが付くのかは定かではありませんが、サッカーでは世界的にポピュラーなものです。ちなみにオリンピックで着用するユニフォームでは、レギュレーションによりエンブレムは付いていません。

ーー素朴な疑問にまで答えてくれてありがとうございました。

髙埜:いえいえ、こちらこそありがとうございました。ぜひユニフォームを着て日本代表を応援しましょう!

                   
※NHKサイトを離れます

関連記事

    人気の記事ランキング

      記事ランキングをもっと見る

      最新の記事