読み込み中です...

2020年3月10日(火)

オリンピックトリビア③「親子2代にわたるメダリストたち」

長いオリンピックの歴史のなかで、親子2代にわたってメダルへの挑戦を続けてきた日本のファミリーを紹介しましょう。

~ウエイトリフティング 三宅ファミリー~

東京大会日本の金メダル1号

金メダルを獲得した三宅義信(1964年10月12日)

ウエイトリフティングで偉大な足跡を残し、今も挑戦の歩みを続けているのが三宅ファミリーです。1964年の東京オリンピック。開会式から2日後の10月12日に実施されたフェザー級で、当時24歳の三宅義信が優勝。日本選手団の金メダル第1号に輝きました。プレス、スナッチ、ジャークのそれぞれ3回ずつ、合計9回の試技を全て成功させるパーフェクトな試合運びでトータル397.5キロの堂々たる世界新記録。競技日程を変更してまで三宅の出番を早くした期待に見事に応え、その後の日本選手団のメダルラッシュに火をつけました。

メキシコでは兄弟そろって笑顔の表彰台

優勝した兄・義信(中央) 銅メダルの弟・義行(右)

宮城県出身の三宅義信は9人兄弟の6番目。7番目が6歳下の弟・義行です。三宅兄弟は続く1968年メキシコ大会で同じフェザー級に出場。兄の義信が連覇を果たし、弟の義行も銅メダル。顔も体型もそっくりな2人が同時に表彰台に立ちました。

兄の義信はウエイトリフティング日本勢初のメダルになる銀メダルを獲得した1960年ローマ大会から1972年ミュンヘン大会まで4大会連続出場。最後は4位の成績を残して栄光のバーベルを静かに置きました。ウエイトリフティングの日本の金メダルは今も三宅義信の2個だけです。

女子初のメダルは親子2代の勲章

2012年ロンドンオリンピックで銀メダルを獲得したウエイトリフティングの三宅宏実

三宅の名前がオリンピックで復活したのは2004年のアテネ大会です。弟の義行が指導してきた娘の宏実が18歳で初出場を果たし女子48キロ級で9位に入りました。宏実は続く北京大会は4位と更に実力をつけ、迎えた2012年ロンドン大会。スナッチ87キロ、ジャーク110キロ、トータル197キロの記録で表彰台の2位。日本女子初のメダルは52年前に伯父が取ったのと同じ色の銀メダルでした。

宏実は続く2016年リオ大会も銅メダル。スナッチで8位と出遅れながらジャークで盛り返して、今度は父と同じ色のメダルをつかみ、バーベルに頬ずりしました。

バーベルへの挑戦はまだ続く

リオデジャネイロオリンピックでメダルを獲得した三宅宏実(左) 当時監督だった父義行(右)

3人で金2個、銀2個、銅2個の合計6個のメダルを取った三宅ファミリー。世界的にも珍しい記録を作った3人の挑戦はまだ終わっていません。兄の義信は自衛隊体育学校校長を務め、80歳の今も東京国際大の監督として若手選手の育成に情熱を注いでいます。弟の義行は日本ウエイトリフティング協会の会長。そして宏実は34歳という年齢や度重なる怪我と戦いながら偉大な伯父を超える5大会連続のオリンピック出場を目指しています。

~体操 塚原ファミリー~

世界が驚いた月面宙返り

塚原光男 1972年ミュンヘンオリンピックの体操男子団体総合。

日本のオリンピック史上、親子で金メダルを取ったのは体操の塚原親子だけです。父の光男は鉄棒の名手として活躍し男子団体で3個、種目別の鉄棒で2個の金メダルを獲得しました。中でも1972年ミュンヘン大会の団体自由演技で初めて披露した鉄棒の降り技、月面宙返り・ムーンサルトは世界を驚かせました。

1969年にアポロ11号が月面着陸に成功しましたが、鉄棒からヒラヒラと舞い降りる動きが月面の宇宙飛行士に似ていると名前がついたとも言われています。ムーンは英語の月、サルトはドイツ語で宙返りです。9.90の高得点をマークしたこの演技で日本は男子団体のオリンピック4連覇を達成しました。

父に続いて息子も金

塚原 千恵子(左)塚原 直也(中央)塚原 光男(右) 2014年撮影

光男の妻の千恵子も1968年メキシコ大会に出場した名選手。2人の間に生まれた直也は全日本で5連覇するなど日本の第一人者として男子体操界を支えました。オリンピックは3大会連続出場し、2004年のアテネ大会の団体で金メダルを獲得、日本初の親子金メダリストになりました。2人が獲得した金メダルは合計6個にのぼります。

~体操 相原ファミリー~

両親を受け継ぎ子もメダリスト

1960年ローマオリンピックで金メダルを獲得

これより先に2代にわたってメダルを手にした親子がいます。同じ体操で相原信行は1956年メルボルン大会で銅メダル2個。続くローマ大会で団体とゆかで金メダルを獲得しました。妻の俊子は東京大会の団体で銅。

1992年バルセロナオリンピックで、両親に続き、親子2代でメダルを獲得した相原豊の跳馬

メダリストの夫婦に生まれた次男の豊は1992年バルセロナ大会の団体で銅メダル。両親と子の3人がメダリストなのは、日本で相原一家だけ。3人で合計6個のメダルを獲得しました。

夫妻・兄弟・姉妹でメダリストになった選手たち

今度は夫妻や兄弟・姉妹・きょうだいでメダルを手にした羨ましい選手たちを紹介しましょう。

夫は最多メダル 妻は唯一のメダル

小野 清子(左)小野 喬(右)(1959年撮影)

夫と妻がそろってメダルを獲得した選手の中で、最も有名なのが体操の小野夫妻です。夫の喬は1952年から1964年までオリンピックに4大会連続出場し、金メダル5個を含む日本選手最多の13個のメダルを量産しました。1964年東京大会は日本選手団の主将として選手宣誓の大役も果たしました。妻の清子とは1960年ローマ大会から2大会続けて夫妻で出場。清子は今も女子で唯一のメダルである銅メダルを東京大会の団体で獲得しましたが、この時はすでに2児の母でした。まさに母は強しです。父もですが・・・。

田村で金 谷でも金

2000年シドニーオリンピックで金メダルを獲得した田村亮子

違う競技で、ともに複数のメダルを獲得した夫妻は柔道の谷(旧姓田村)亮子と野球の谷知佳です。亮子は1992年バルセロナ大会から2008年北京大会まで金2個を含む5大会連続メダル。

アテネオリンピックで銅メダルを獲得し、表彰台に立つ谷知佳(右)、城島健司(左)。

知佳は1996年アトランタ大会で銀。2004年アテネ大会で銅メダルを取りました。妻は「田村で金、谷でも金」をまさに有言実行しました。

夫婦でメダル3個

朝原宣治(写真左:一番右)、奥野史子(写真右)

陸上の朝原宣治とシンクロの奥野史子も夫妻でメダリストです。同い年の2人は同志社大で出会い、奥野は1992年バルセロナ大会のソロとデュエットで2個の銅メダル。朝原は2008年北京大会の400mリレーでアンカーを務め、陸上トラック男子初の銀メダル。妻と長女が見ている前で、歓喜のフィニッシュを駆け抜けました。

最強の姉妹レスラー 伊調から川井へ

北京オリンピック後の凱旋パレードの様子 姉 千春(左)馨(右)

日本が世界に誇る競技のひとつがレスリング女子です。オリンピックで初めて実施されたのは2004年アテネ大会でした。各国に先駆けて選手強化に励んだ日本は最強の布陣で臨みました。最初の48キロ級は伊調姉妹の姉の千春。優勝候補の筆頭と期待されましたが、決勝で敗れ、無念の銀メダルでした。  

同じ日の63キロ級決勝、千春の3歳下の妹の馨が金メダルを獲得。「千春と一緒に取りました」と、姉の雪辱を果たしました。続く2008年北京大会で千春はまたも決勝で敗れ連続の銀メダル。馨は2連覇を飾りました。

その後、千春が去ったマットに馨は立ち続け、2012年ロンドン大会で3連覇。鉄壁の守りと試合運びのうまさを発揮して2016年リオ大会で女子個人種目としてオリンピック史上初の4連覇の偉業を成し遂げました。

今年の東京大会。レスリング女子は伊調姉妹以来12年ぶりの姉妹出場になる川井が注目されます。

2020年レスリングアジア選手権で金メダルを獲得した 妹:川井友香子(左)姉:梨紗子(右)

姉の梨沙子はリオ大会63キロ級で金メダルを獲得。東京大会の代表争いで5大会連続出場を目指した伊調馨との激戦を制し、57キロ級での出場を決めました。妹の友香子は62キロ級でオリンピック初出場。伊調姉妹も成し遂げられなかった姉妹そろっての金メダル獲得に挑みます。

初の快挙が東京で生まれるか

川井姉妹以外にも各競技で兄弟や姉妹などが東京大会を目指しています。柔道の阿部一二三と妹の詩。

2020年柔道グランドスラムで金メダルを手にする 妹:詩(左)兄:一二三(右)

レスリングの乙黒圭祐と弟の拓斗。

2019年全日本レスリング。兄弟で優勝した兄:啓介(左)弟:拓斗(右)

陸上三段跳びの山下航と200mの潤の父は、三段跳びの日本記録保持者の山下訓文です。

2019年陸上日本選手権 山下 航

さらに体操の谷川航と弟の翔。

2019年体操個人総合のNHK杯で優勝した谷川翔(左)と2位だった兄の航(右)。

バレーボールの石川祐希と妹の真佑。

兄:石川祐希(左)妹:真佑(右)

女子ホッケーの永井友理と妹の葉月。

ホッケー女子日本代表の永井友理(左)と妹の葉月(右) 2019年撮影

そして母がボリビア人の鈴木セルヒオと弟のリカルドはテコンドーの代表に内定しました。

弟:鈴木リカルド(左)兄:鈴木セルヒオ(右)

これまで日本選手で夫妻、兄弟、姉妹、きょうだいの金メダリストは誕生していません。東京大会で初の快挙に挑む選手たちの戦いが今から楽しみです。

                   
※NHKサイトを離れます

関連記事

    人気の記事ランキング

      記事ランキングをもっと見る

      最新の記事