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2020年3月5日(木)

増田明美の「マラソン中継、2時間飽きずに楽しむポイント」

競技人口が多く、さらに沿道での応援も楽しいマラソン。しかし、「2時間以上かかるマラソン中継を全部は見たことがない!」という人もじつは多いのではないでしょうか?
 
そこで、元マラソン選手であり現在は“細かすぎる解説”でもおなじみの増田明美さんならではの目線で、マラソン中継を楽しむポイントを教えてもらいました。これを知っていれば、2時間たっぷり中継を楽しむことが出来るようになりますよ!

ポイント1:前半は目立たない選手を探そう!

増田明美さん(以下、増田):スタートしてから前半、15kmくらいは目立たない選手を探してみてください。よっぽど実力の差があって“横綱相撲”をする人を除き、目立ってしまっている選手っていうのは体力や精神力の消耗が激しいんですよね。

――スタートから主導権を握る選手は後で苦戦することが多いということですか?

増田:そうですね。2時間もあるので後で失速してしまうケースが多いです。知らず知らずのうちに集団を引き連れてしまうっていうのは余分なエネルギーを使うんですよ。

スタート直後はとくに大きな集団になるので、転ばないように気を付けつつ力を溜めやすいポジション取りができる選手は強いです。あえて先頭に出ず、俯瞰(ふかん)している選手もいますね。

3月1日の東京マラソンのスタート直後。大迫選手、井上選手、設楽選手がどこにいるかわかりますか?

ポイント2:テレビ画面越しに風を感じよう!

増田:中継を見ている人も、テレビ画面越しに風を感じてみてください。選手にとって風の影響はとても大きく、体力を消耗します。だから出来るだけ風を受けないよう他の選手を“風除け”にするんですね。ランナーの集団が縦長になっているときは向かい風です。人の後ろにつこうと思うから縦長になるんですね。横に並んでいるときは追い風が吹いているときです。

――風の抵抗を受けないようにその都度ポジションを変えているということですね。

増田:はい。たとえば3月8日に開催される「びわ湖毎日マラソン」では、琵琶湖の周辺で結構風が吹くので画面を見ながら風を感じてみるとおもしろいかもしれません。

ポイント3:観光気分を味わおう!

増田:マラソンは魅力的なコースが多いので、選手が観光地を巡っているようなものなんですよね。だから選手を観光ガイドだと思って中継を見るとおもしろいですよ。スマホで地図を見ながら選手たちが走っているポイントをチェックするとその地域を知ることができます。

たとえば「びわ湖毎日マラソン」ならスタート・ゴールの競技場近くに三井寺もありますし、紫式部が源氏物語の構想を練ったといわれる石山寺もある。実況や解説で触れるかもしれないので、「行ってみたい!」と思ってもらえるのではないでしょうか。

大阪城の前を走る大阪国際女子マラソン

――選手は走りながら景色を見ているのでしょうか?

増田:女子は景色を数えながら走っている選手が少なくありません。普段のトレーニングでは信号や車が少ない、何もないところでやるので…それこそ修行僧のよう(笑)。レースは晴れ舞台になりますね。でも男子はあまり景色を見ていないようです。

ポイント4:給水所の駆け引きにも注目!

増田:自分の給水を確実に取るということは選手にとってとても重要です。経験豊富な選手は集団からうまく抜けて給水をするんですが、このときの駆け引きに注目してみてください。給水を取るために一時的にペースを上げたふりをしてそのままスパートをかける選手もいるんですよ。

――給水ポイントは何か所くらいあるのでしょうか?

増田:大会にもよりますが、約5kmごとに置かれていることが多いです。自分の給水ボトルを確実に見分けるために、特徴的な飾り付けをする選手も多いのでボトルに注目するとおもしろいですよ。なかには子供の写真やチームメイトからのメッセージを貼ったりもしています。精神的な補給、心の泉になりますね。

2019年MGCでの設楽選手のボトル。イラストとメッセージが付けられていた

ポイント5:選手のタイプがわかる?腕時計に注目!

増田:1kmごとに時計を見てペースをチェックする選手もいれば、腕時計をつけない選手もいます。緻密な戦略に則って走るのか、それとも細かいことは気にせず自分の走りたいペースで走るのか、というタイプの違いですね。

――腕時計の有無やチェックする頻度でその選手のタイプがわかるのですね。

増田:腕時計をしない選手には、自由に走りたい!とにかく勝ちたい!という勝負心が強い人が多いです。自分の感覚を頼りにとにかく楽しみながら走るっていう。時計を付けていない人がいたらその選手はとってもワイルド。走りに注目してみるのがおすすめです。

ポイント6:振り返るのは守りに入ったサイン!

増田:とくに男子の選手に多いのですが、後ろを見始めると守りに入っている可能性が高いです。前に前に、と攻めの気持ちになっているときは後ろを見ないんですが、疲れてくるとどうしても後ろが気になってきます。

――それは他の選手に弱みを見せてしまうことになるのではないでしょうか?

増田:そうなのですが、後ろを見ざるを得ないくらい疲れているともいえますよね。演技で後ろを見る人はいないですし、余裕がなくなってきたのかな?というのが分かるポイントでもあります。

ポイント7:イケメンor美女を探そう!

増田:最後のポイントはズバリ!“イケメンや美女を探そう!”です。やはり特定の選手のファンになると中継がとてもおもしろくなりますからね。

でも、マラソンの選手ってサングラスをかけていることが多いじゃないですか。あれってとてももったいないと思います。イケメンやきれいな選手が多いのにって。表情が見える方が感情が伝わりやすくなって応援したくなりますものね。

女性はとくに苦しい顔をテレビで見せたくないでしょうし、選手からしてみればそんなこと言ってる場合じゃないのでしょうけど(笑)。

最近は本当に素敵な選手が増えました。走っている姿がイケメンということは、普段の姿は相当イケメンですよ!

日本代表内定の前田穂南選手。魅力的な選手もレース中はサングラスをしているのが残念!?

増田さんは、“誰もが人生の長距離ランナー”と表現します。チャンスをつかんだり、勝負を仕掛けるタイミングを計るのは人生と同じ。そんな人生と重ね合わせながらマラソンを見てみると、さらに深い魅力に気付けるかも!?

増田明美(ますだ・あけみ)

1964年、千葉県生まれ。
1982年にマラソンで日本新記録を出し、1984年のロス五輪ではメダルを期待されたが、無念の途中棄権。1992年に引退するまでの13年間に日本記録12回、世界記録2回更新。現在はスポーツジャーナリストとして執筆活動、マラソン中継の解説に携わるほか、ナレーションなどでも活動中。 ラジオ第1の「増田明美のキキスギ?」( 毎週金曜・午後8:05~)では司会を務める。

                   
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