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2020年2月27日(木)

オンリーワンの柔道家に 大野将平の誓い

「ナンバーワンであり、オンリーワンの柔道家に」
オリンピック2連覇の期待がかかる柔道男子73キロ級の大野将平選手。リオデジャネイロオリンピックと去年の世界選手権を制した日本柔道のエースが、柔道発祥の日本で行われるオリンピックで目指すのは、連覇の先にある柔道家の境地です。

組んで投げる原点へのこだわり

去年夏の世界選手権。大野選手は得意の「大外刈り」や「内股」で6試合すべて一本勝ちする圧倒的な強さで金メダルを獲得しました。
東京オリンピックの会場となる柔道の聖地「日本武道館」で、世界に見せつけたのは、しっかりと両手で組んで相手を投げるまさに『日本柔道の原点』でした。

その一方で世界では、近年、相手を警戒して組み合わなかったり力任せでポイントをねらったりする柔道が浸透してきました。

大野将平選手

今の世界の流れで、両手で2つ持ってそして投げるという一つの柔道の魅力が少なくなってきているなと非常に感じるんですよね。だからこそ、今の時代、私1人だけでも原点回帰と呼ばれるような柔道スタイルを目指してもいいんじゃないかなと。

“自分で自分を倒す感覚”

“正しく組んで投げる”という大野選手の柔道を築き上げたのは一見、地味な稽古です。
相手を投げるまでの動作を繰り返す「打ち込み」。
毎日1000本以上、長い時には2時間をかけて基本をひたすら繰り返すことで一本を取る技を体に覚え込ませてきました。

さらに試合を想定した「乱取り」では、あえて相手に先に襟を持たせ自分に不利な組み手を作ってから攻めに転じる形などを試します。時には、ふだんの組み手とは逆の左手で相手の襟をつかみ、右手で袖を持つ「左組み」で一日中、稽古をすることもあります。
海外勢が大野選手を倒そうと血まなこになってあらゆる対策を取ってくる中、その対策をさらに上回ってみずからの技で相手を投げる方法を常に考えています。

大野将平選手

自分の嫌がることを自分自身で探しているような、自分で自分を倒そうとしている感覚ですかね。

鋼の肉体は100キロ級クラス

大野選手のぬきんでた強さを支えるのが、柔道の技に加えて鍛え上げてきた肉体です。

稽古以外にみずかららの体重の何倍ものおもりや、器具を使った上半身と下半身のトレーニングのほかに、ランニングなどのメニューを分けて1日に3回。
リオデジャネイロオリンピックまで男子の日本代表を指導した、専属トレーナーの守田誠さんとメニューを相談しながら全身の筋肉をまんべんなく鍛えています。

大野選手の筋力について守田さんは「同じ階級の外国人選手と比べてもトップ。日本では1つ上の81キロ級どころか100キロ級の選手にも匹敵する」と話します。

目指すのは唯一無二の柔道家

世界屈指の技術と肉体を兼ね備える大野選手。
リオデジャネイロオリンピックでは決勝で勝ったあと、笑顔やガッツポーズを見せることもなく、相手や畳に対して深々と礼をした立ち居振る舞いも高い評価を受けました。

金メダル候補の筆頭として臨む柔道発祥の日本で行われるオリンピックまで5か月。大野選手が目指すのは、柔道の精神性も含めたすばらしさを唯一無二の柔道家として世界に伝えることです。

大野将平選手

オリンピックの国技は、僕は柔道だと思っているし、スポーツの祭典ではあるが、武道でもあるので、その一面を何か表現できたらいい。勝つことですべてが証明される。
“ナンバーワンであり、オンリーワンである”そういった柔道家になれれば1番うれしいと思う。

(取材:スポーツニュース部 記者 鎌田崇央)

                   
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