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2020年2月17日(月)

空手・組手 西村拳 ライバルは「憧れの存在」

東京オリンピックの新競技、空手。沖縄発祥とされ、今ではおよそ1億人が愛好するといわれる世界的なスポーツです。

2月9日のサンデースポーツ2020では、日本期待のメダル候補が生出演。
一対一で戦う「組手」の西村拳選手は、世界王者の父を持つ「空手界のプリンス」。金メダルを目指す挑戦に迫ります。

その名も「拳」!期待の24歳

西村拳選手は福岡県出身の24歳。おととしの世界選手権では銅メダルに輝くなど、「組手」期待のホープです。両親ともに空手の元選手で名前の「拳」の由来はそこから。東京オリンピック出場もほぼ確実な状況ですが、目標はあくまでその先にあると言い切ります。

西村選手

オリンピックに出場することが目的じゃない。東京オリンピックで金メダルをとることが目的なので、代表内定はあくまで通過点としてとらえています。

相手の死角からの上段蹴り

組手は一対一の対戦形式、試合時間は3分です。頭や顔などの上段と、胸や腹などの中段に攻撃が決まるとポイントが得られ、多くポイントを取った方が勝利します。

技の種類によってポイントの大きさも変わり、例えば突きは上段も中段も1ポイント。中断蹴りは2ポイント。上段蹴りや投げた相手への突きは3ポイントです。

西村選手が得意としているのが上段蹴り、決まれば3ポイントの大技です。この上段蹴りが、普通とは違います。

西村選手

基本的な上段蹴りは右足で蹴る場合、相手と距離をとって構えて遠目から相手の左側を蹴るのが普通。
僕の場合はあえて逆に近くに引き付けます。至近距離で相手の死角から一気に膝を振り上げて、相手の右側を蹴る。相手の近いところから蹴ることは他の人はあまりしないので、そこを極めました。この距離では蹴りはないだろうと相手が油断したところで、一気に蹴るんです。

最大のライバルは憧れの存在

世界大会の上位選手がいる国々

沖縄発祥の空手。日本は発祥国として有力選手を輩出していますが、近年の世界大会の成績上位者を見ると、西アジアや中央アジア、中東、ヨーロッパなど幅広い地域に有力選手がいることがわかります。

西村選手

空手がオリンピック競技に決まったことによって、世界各国が今まで以上に強化に力を入れるようになっています。
有名なコーチを招聘したり練習会をたくさん開いたりして、各国の競技レベルが上がり世界のあちこちに強い選手が出てきていると感じています。

世界の強豪選手の中でも、西村選手の「憧れの存在」がアゼルバイジャンのラファエル・アガイエフ選手、34歳です。

アガイエフ選手(左)と撮影した一枚

170センチに満たない小柄な体格ながら、その技は豪快。相手を投げての突きに上段蹴り、さらに相手を誘ってのカウンター。多彩な技を繰り出す変幻自在の空手で、無差別の階級も含む、世界選手権を5回制覇した「生きる伝説」です。

西村選手は、子供のころに見たアガイエフ選手の空手をきっかけに、もともとは嫌いだった空手にのめりこんでいったと言います。

西村選手

「2メートルくらいの選手を投げ飛ばすし、『なんや?あのちっこい選手は?』と思いました。トリッキーでなおかつパフォーマンスにも長けた空手で、一瞬でファンになりました。」

西村選手は徐々に力をつけ、国際大会で優勝するなど、憧れのアガイエフ選手に近づいていきました。そしておととし、彼からオリンピックへの原動力となる言葉をかけられました。

「東京オリンピックの決勝は、拳とやりたい」。


憧れの存在から、ひとりのライバルとして認められた瞬間でした。
そして去年9月、オリンピックの前哨戦ともいえる国際大会で、アガイエフ選手を破って優勝を果たしたのです。

追われる立場でぶつかった壁

しかし西村選手はその後、結果が残せない大会が続いています。

原因は、海外勢の試合運びが変わったことです。西村選手の技を警戒し、距離をとってカウンターを狙う選手が増えたのです。攻める空手が信条の西村選手は強引に攻めに出たところを狙われ、直近の3大会全てでメダルを獲得できず敗退。「西村対策」を進める海外選手に対応できず、自分の攻撃パターンの少なさを痛感しました。

西村選手

「逃げに徹底される経験が今までなかったので、ちょっと戸惑った部分があります。やりにくいです、正直。」

オリンピックが半年後に迫った先月下旬。西村選手が立て直しを図ろうと向かったのが、アゼルバイジャンでした。「憧れの存在」の強さの秘訣を学ぶために、アガイエフ選手と共にトレーニングを行ったのです。

その詳細は報道陣に明かされない非公開のものでしたが、西村選手は「回数は多くなかったけど、アガイエフと組ませてもらって勉強になりました。」と手ごたえをつかんだと語りました。

海外選手への対応もすでに進めていると言います。

西村選手

相手の対策には、やっぱり慣れる事が一番大事。
日本では『前に出なさい、ぶつかり合って勝ちなさい』という教えで練習や試合をしているので、逃げに徹される展開は経験がなかった。
だから今は、あえて対戦相手に『逃げに徹してもらう』練習もしています。「逃げてくれ」と頼んで、その相手を追う練習ですね。


空手が初めてオリンピックで行われる東京大会まで半年。

憧れのアガイエフ選手と決勝で戦い、そして金メダルと取るという目標に向かって歩みを進めます。

西村選手

東京でオリンピックが行われること自体が、そもそも奇跡に近い事。そういうチャンスをつかむために日々努力をしてきたので、東京オリンピックでは日本武道館の舞台で、力をしっかり出せるように頑張りたいです。

                   
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