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2020年2月6日(木)

女子カーリング頂上決戦!今季の日本選手権はどうなる?

昨シーズンは中部電力が日本選手権で全勝優勝、世界選手権で4位という好成績を残し、着々とレベルを上げている日本の女子カーリング。日本選手権が間近に迫った今、元カーリング日本代表で現在は解説者として活躍する市川美余さんに、現在のカーリング事情や日本選手権の見どころをうかがいました。

中部電力の飛躍が印象的だった昨シーズン

――昨シーズンの日本選手権は中部電力が全勝で優勝しました。あらためて振り返ると、強さの秘訣は何だったのでしょうか。

市川美余さん(以下、市川):しっかりとピークを日本選手権に持っていけたということが言えます。あと、優勝候補であったロコ・ソラーレの国内の対策が不足していたというのも要因ではないでしょうか。氷や対戦相手の戦術、得意不得意という部分の対応がしきれていなかったように感じます。

――世界選手権では中部電力が4位と健闘しましたね。世界の強豪を相手にこの結果はいかがでしょう?

市川:とても好成績でしたよね。大会の中で多少のアップダウンはありましたが、テクニックの面でも安定性を発揮していたと思います。

一方で、体力面に課題が残り戦い抜けなかったかな?という部分はあったので、その点を今季どれくらい改善できたのかが気になりますね。

――他のチームについてはどうでしょうか。

市川:ロコ・ソラーレは、2019年12月に行われたブーストナショナルという国際大会の途中で吉田夕梨花選手が離脱して3人で戦いました。セカンドの鈴木選手やサードの吉田知那美選手がそれぞれ追加のストーンを投げたのですが、それでもしっかりクオリファイ(決勝トーナメント)に残り、準決勝まで進出出来たということは、3人でも戦えるほど個々が強い証拠だと思っていいですよね。

他のチームは氷を読んだ上で自分たちがどう戦うかを考えるのに対して、ロコ・ソラーレの場合は氷を読んだ上で、対戦相手への対応を組み立てることが出来ています。そこがロコ・ソラーレの強みでもあり、昨季の課題でもあったと感じますが、今季は試合数をこなしてそういったところもレベルアップしていると感じますね。

日本女子4強は変わらず!優勝候補は?

――女子は中部電力、ロコ・ソラーレ、北海道銀行、富士急が4強と言われますが、今季もこの状況は変わりませんか?

市川:変わらないですね。この4チームは他と比べても実力がありますし、しばらくは変わらなそうです。

4チーム中3チームは企業が持っているのに対して、他のチームは学生たちの集まりや、学生と社会人のミックスだったりして全員集まって練習できる機会が少ないんですよね。練習しやすい環境に恵まれているというのはとても重要です。

優勝候補筆頭!人気・実力ともにトップクラスのロコ・ソラーレ

2018年ピョンチャンオリンピックで日本初となる銅メダルを獲得し話題となったロコ・ソラーレ。人気と実力を兼ね備えた、日本のカーリングを語るうえで欠かせない存在です。

左から藤澤選手、吉田知那美選手、鈴木選手、吉田夕梨花選手

リード:吉田夕梨花(よしだ・ゆりか)
セカンド:鈴木夕湖(すずき・ゆうみ)
サード:吉田知那美(よしだ・ちなみ)
スキップ:藤澤五月(ふじさわ・さつき)

市川:ロコ・ソラーレは今回の優勝候補ですね。ワールドツアーでの大会規模や強さに応じて決まる世界ランクでは現在5位(取材当時)まで上がってきていますが、これって素晴らしい快挙なんですよ。日本のチームがここまで来られたっていうのは彼女たちが持つ作戦、テクニカル、メンタル、チームワークなど全てを整えてきている結果だと思うので。

――他のチームに比べると世界大会の経験も豊富ですよね。

市川:そうですね。彼女たちの実績を見た世界中のカーリング連盟から「大会に参加して欲しい」と声がかかるので、いい大会にたくさん出られる、より高いレベルで戦い続けられているというのも強みです。

全てにおいて他のチームよりもちょっとずつ上にいるのがロコ・ソラーレ。世界での経験を経て手に入れた「私たちはトップチームなんだぞ」という自信が良い方に出るか、もしくは悪い方に出てしまうかに注目というところでしょうね。

狙うは2連覇!世界を経験しレベルアップした中部電力

前回の2019年日本選手権で全勝優勝を遂げた中部電力。今年はホームとなる軽井沢アイスパークで2連覇を狙います。

左から北澤選手、中嶋選手、松村選手、石郷岡選手

リード:石郷岡葉純(いしごうおか・はすみ)
スキップ:中嶋星奈(なかじま・せいな)
サード:松村千秋(まつむら・ちあき)
フォース:北澤育恵(きたざわ・いくえ)

市川:昨年世界選手権に出場した際、メンバー4人のうち3人がはじめて世界を経験するという状況でした。その後のツアーでも世界を経験したことで、今年の日本選手権はこれまでとはまた違ったものになるはずです。

メンタルの強さはチームとしての強みでもあると思いますし、開催会場がホームなのでプレッシャーを感じずにのびのびできたらいいですね。

とくに北澤育恵選手は世界選手権でスーパープレーをたくさん見せてくれましたし、安定感があります。一方、世界選手権で珍しく調子が落ちた経験もしたので、これをどうとらえて1年を過ごしていたのかが日本選手権に表れてくると思いますね。

体力を強化して優勝をねらう北海道銀行

2014年ソチオリンピックに日本代表として出場した北海道銀行。2019年10月に行われたグランドスラムマスターズでは、アジアの女子カーリングチームでははじめて決勝に進出、準優勝を飾りました。

左から船山選手、近江谷選手、吉村選手、小野寺選手

リード:船山弓枝(ふなやま・ゆみえ)
セカンド:近江谷杏奈(おうみや・あんな)
サード:小野寺佳歩(おのでら・かほ)
スキップ:吉村紗也香(よしむら・さやか)

市川:北海道銀行はさまざまなスポーツやトレーニングを取り入れて体力面のレベルアップに力を入れていると聞いているので、試合に安定感が出てくるのではないでしょうか。ここ数年、いつ優勝してもおかしくないチームではあったので、あと一歩超せない何かを今季は超せているか?というのが見どころになりそうです。

なかでも吉村紗也香選手は昔からトップにいる選手なんですが、いまいち上がり切れず優勝を逃す機会が多かったです。優しい性格が影響しているのかな?とも思うのですが、負けず嫌いの一面も持っているのでそこをもっと前面に出せたら勝ってくると思います。

総合力アップで2年ぶりの優勝をめざす富士急

選手の入れ替えをしながらチームの力を向上させてきた富士急は2018年の日本選手権で優勝。2大会ぶりの優勝を目指します。

左から石垣選手、小穴選手、小谷有理沙選手

リード:小谷有理沙(こたに・ありさ)
セカンド:石垣真央(いしがき・まお)
サード:小谷優奈(こたに・ゆうな)
スキップ:小穴桃里(こあな・とうり)

市川:若手も育ってきていますし、世界選手権を経験した後に実力が伸びてきて、テクニカル、体力、メンタル全てを揃えて総合力がついてきたように思います。

昨年、創設時からのメンバーである西室淳子選手がチームを離れたのですが、このことが若い選手には刺激になったと思いますし、その反面、精神的な支柱を失った部分でもあります。

西室さんがいなくなって、どう影響するのか?というのも注目したいポイントですね。

たった1つの枠をめぐって争うし烈な戦い

――今年もおそらく4強の中から優勝が決まるだろうということですが、日本選手権で優勝するとどのような影響がありますか?

市川:大きな違いは世界大会に出られるかどうかです。皆がその舞台に立って経験を積みたいと思っているので、世界に出られるかどうかというのはとても重要です。1枠しかない代表権を取りに行く、そこで負けたら次の大会に行けないというところで緊張感はあります。

――海外遠征にはお金がかかりますが、遠征費などのサポートを受けることが出来たりは…??

市川:はい、遠征費全額というわけではありませんが、2位のチームまで強化費が出ますよ。なので最低でも準優勝する必要がありますね。

――1位になるということは、追われる身になるということでもありますよね。

市川:そうですね、他の(負けた)チームの想いも乗せて戦わなくてはいけないですし、日の丸を背負う意識、責任感は生まれてきますね。

今は日本のレベルも上がり、4強であれば世界の上位に食い込めるのではというくらいまで変わっています。その分、国内の争いを勝ち抜くことが大変になりましたし、日本選手権で優勝することの重要度がかなり高くなりましたね。

世界選手権出場の切符をかけたカーリング日本選手権は2月8日(土)に開幕!熱い戦いに注目です!

市川美余(いちかわ・みよ)

長野県出身、1989年生まれ。
元カーリング女子日本代表・元中部電力カーリング部主将。
7歳からカーリングをはじめ、2005年の日本ジュニアカーリング選手権で優勝。
高校卒業後の2008年に中部電力に入社し、カーリング部に所属。
2011〜2014年、日本カーリング選手権4連覇。
日本カーリング界の人気を支えるも2014年に引退し、現在は解説者として活躍中。

                   
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