読み込み中です...

2020年1月21日(火)

瀬戸大也 金メダルへの「3学期大作戦!」

1月5日放送のサンデースポーツ2020では、東京オリンピック、パラリンピックで活躍が期待されるアスリートたちをゲストに招き、2020年を迎えての思いを語ってもらいました。

競泳からは、「日本のエース」瀬戸大也選手が登場!

去年夏の代表内定からの長い調整期間をどう過ごしているのか。NHKの取材から見えてきたキーワードは、「3学期大作戦」?瀬戸大也選手の金メダル獲得戦略に迫りました。

悲願の金へ、新たな試み

「日本競泳チームのエース」といわれる瀬戸選手の年末年始は各方面にひっぱりだこ。イベントや特番の出演、さらにNHK紅白歌合戦の審査員を務めるなど多忙を極めました。その合間には家族と時間を過ごし、新年3日に「初泳ぎ」。勝負のオリンピックイヤーが幕を開けました。

瀬戸大也選手

この年末年始で、2020年の夏に向けてパワーをためられましたね。初練習では、気持ちよく泳いできました。

瀬戸選手が最も得意とするのは400メートル個人メドレー。前回リオデジャネイロ大会では銅メダルを獲得しました。身長は1メートル74センチと競泳選手としては小柄な体格ながら、世界と渡り合うために卓越した技術を磨き上げてきました。
そして去年夏の世界選手権、2種目で金メダルを獲得。日本選手で唯一、東京オリンピックの代表内定を決めました。


集大成となる東京オリンピックでの金メダル獲得へ。
瀬戸選手は今回、代表内定から本番までの1年間の過ごし方を4年前と大きく変えました。1年間の長い調整期間を3つのタームに分け、それぞれに目標となる大会を設定。NHK取材班はこの新しい試みを、学校生活の1年間に見立てて、

「3学期大作戦」

と(勝手に)命名!その狙いを瀬戸選手に語ってもらいます。

「3学期大作戦」は4年前の教訓から

東京オリンピック、400メートル個人メドレーでの金メダルへ。瀬戸選手の「3学期大作戦」。その内容は次の通りです。

去年夏の代表内定から秋にかけての期間を1学期。目標は10月末の短水路(25メートルプール)の日本選手権での世界新記録です。

2学期は去年秋から今年春まで。4月に行われる長水路(50メートルプール)の日本選手権で、日本新記録を出すこと。

そして3学期は7月の東京オリンピックまでの期間。目標はもちろん金メダル獲得です。

この調整方法を導入した背景には、4年前の「教訓」があると言います。前回のリオ大会でも本番1年前に代表内定を決めましたが、本番のオリンピックでは金メダルを獲得した萩野公介選手の後塵を拝し、銅メダルでした。

瀬戸選手

自分の夢はオリンピックの金メダル。
4年前はまだまだ自分の考えに甘いところがたくさんあったので、今回は失敗しないようにしたいんです。
1年間というのは長いようで短い。自分の性格上、ひとつひとつ目標を立てないと『本番で結果を出せばいいや』と甘い考えでずるずる行ってしまう。4年前はそうやって本番を迎えてしまいました。明確な目標をポイントごとに設定して、トレーニングの成果を再確認する。この1年はそこをしっかりやっていこうかなと思って、1年をプランニングしています。

世界新目指す1学期に密着!

NHKの取材班は、瀬戸選手の「1学期」に密着。「期末テスト」となる短水路日本選手権にいかに臨んだのか。カメラは記録してきました。

「1学期」も大詰めの去年10月。瀬戸選手は標高2000メートルを超えるアメリカ・アリゾナ州の高地で、合宿に臨んでいました。

技術はこれ以上ないと言うほど磨き上げてきた瀬戸選手。金メダルへの残る課題は「スタミナの強化」。最後に泳ぐ自由形で、いかに力を振り絞る事ができるか。

練習ではスタミナを鍛えるための地獄のメニューが行われました。まずはバタフライ、背泳ぎ、平泳ぎを順番に20本近く、レース同様のタイムで泳ぎます。酸素が薄い高地で、体力は限界に近づいた状態。ここで最後の自由形を、短い間隔で50メートル4本。全力のスピードで力を出し切ります。3週間に及ぶ合宿で、徹底的に自らを追い込みました。

厳しい練習の合間、瀬戸選手がスマートフォンで見ていたのは家族の写真でした。リオ大会のあとに結婚し、2年前には長女も誕生しました。しかし日本ではあえて自宅に帰らず、練習施設に寝泊まりする事もあるといいます。

全ては金メダル獲得のため。瀬戸選手は現在の心境を「覚悟」という言葉でこう表しました。

瀬戸選手

家族のためじゃなくて、自分が決めた夢をまず達成するために覚悟を決めている。言い方は悪いですけど、自分のことだけ考える『ジコチュー』ですね。

迎えた去年10月の日本短水路選手権。「1学期の期末テスト」となる大会です。強化してきたスタミナで、400メートル個人メドレーの世界記録(3分55秒50)更新を目指しました。最初のバタフライから積極的に飛ばし、続く背泳ぎ、平泳ぎでも世界記録ペースを上回ります。いよいよ最後の自由形。ここでもスピードは落ちないままフィニッシュ。

タイムは、自己ベストを大幅に更新する3分55秒53。しかしわずか100分の3秒、世界記録には届きませんでした。瀬戸選手は頭を抱えて天を仰ぎ、悔しさをあらわに。レース後のインタビューでも「めちゃくちゃ悔しいです!」と語った一方で、表情には充実感があふれていました。

それからおよそ2カ月後。瀬戸選手は「期末テストの追試」に臨みました。アメリカでの短水路の大会、ここで瀬戸選手は世界記録を更新します(3分54秒81)。
「追試」に見事合格して、2019年を締めくくりました。

1学期の自己採点は

「3学期大作戦」の「1学期」。その結果は、瀬戸選手自身満足のいくものだったと振り返ります。

瀬戸選手

(点数をつけると)99点…いや、99.97点くらいですかね。
400メートル個人メドレーの短水路の世界記録は、オリンピックまでに達成したい目標でした。「追試」になっちゃったんですけど、達成できてよかったです。

とはいえ取材VTRの中で印象的だったのが、わずかの差で短水路の世界記録に届かなかった時にあらわにした、悔しい表情。短水路の大会は長水路に向けた調整ととらえる選手もいる中で、そこで世界記録にこだわる理由はどこにあるのでしょうか。

瀬戸選手

自分は短水路が得意なので、そこで自信をつけて長水路の大会につなげていく、というのがスタイル。
世界記録まで100分の3秒差といっても、100分の1秒まで勝ち負けがはっきりする競技ですから。最後のワンストロークまで、本当に気合を入れないといけないなと思いました。

2学期の目標は日本新記録

オリンピックまでの1年間を3学期に分けた時、瀬戸選手は現在「2学期のなかば」。当面の目標となる「期末テスト」は、4月の日本選手権。長水路での400メートル個人メドレー日本新記録を出すことです。

瀬戸選手

長水路での400メートル個人メドレーの日本記録は、2016年のリオ大会で萩野公介選手が出したタイム。やっぱりまずそこを超えたいなと。

瀬戸選手

オリンピック前にそれだけ調子を上げて大丈夫なの?とおっしゃる方もいるんですけど、僕はオリンピックまでに自分の底力、自分の実力をできるだけ上げたい。勝てる実力をつけておきたいんです。自分の実力を確実なものにしておけば、もしオリンピック本番で調子が悪かったとしても、気持ちで持っていける、戦えるんじゃないかなと思っています。

待ち構えるライバルは

では、瀬戸選手の前に立ちはだかるライバルは誰か。まず挙げられるのは、リオオリンピックで銀メダル、翌2017年の世界選手権で金メダルを獲得した、アメリカのチェイス・カリシュ選手。
去年の夏の世界選手権では金メダルを獲得した瀬戸選手に対して、カリシュ選手はまさかの予選落ち。しかしカリシュ選手はNHKの取材に対し、オリンピック本番への自信をのぞかせています。

チェイス・カリシュ選手

「(2019年までの)3年間はあまり重要だと思っていません。4年前のリオの時も、オリンピックイヤーに入ってから3秒半もタイムを縮めましたから。戦略を実行していけば異次元のレベルに到達できる自信があります。」

この発言に対して、瀬戸選手も負けてはいません。去年12月、世界新記録を出した大会でカリシュ選手と直接話をした時のエピソードを明かしてくれました。

瀬戸選手

カリシュからは、レース前に「君は今回世界記録出せよ。俺は夏にフォーカスするからね」って言われました。
その時の彼の表情を見ても、2017年の世界選手権で彼に負けた時に感じたオーラは感じませんでしたね。むしろ自分の方がオーラは増している感じがしますよ。「世界記録出せよ」と言われて、自分はその通りの結果を出したので、僕からの「先制パンチ」は結構効いていると思います。
去年の世界選手権で金メダルをとって、年末の短水路でも世界記録を出して、ライバルの選手たちにはプレッシャーをかけられていると思います。まだまだ自分もタイムを縮められる感触があるので、本番が楽しみです。

そして、瀬戸選手にとって特別な「ライバル」も、復活へ歩みを進めています。
去年不調から休養し、その後復帰を果たしたリオ大会金メダリストの萩野公介選手。
去年11月の大会では9か月ぶりに対決。この時は瀬戸選手の完勝に終わりましたが、萩野選手は「大也と泳げたことが幸せ。自分はまだ実力が足りないけど、絶対にいつか勝つとライバル心をのぞかせました。

瀬戸選手

(萩野選手は)自分にとっては絶対欠かせない存在です。彼がいるから自分は頑張れるし、自分が落ち込んだ時は彼の活躍を見て頑張ろうと思いました。やっぱり本番で一緒に戦いたいという気持ちは自分も強いです。ただ、彼には負けないですよ!

目標は「金」!

最後に、2020年にかける思いを、漢字一文字に表してもらいました。

その一文字は…「金」

瀬戸選手

自分の目標、金メダルの「金」です。目標というより、もうここしか目指していません。
4年前と比べて、自分でも力がついているなと感じますし、ここまですごくいい感じできています。
でも、ここからが本当の勝負。自分の夢をかなえられるように、しっかりと集中して残り少ない日数を頑張っていきたいと思います。


                   
※NHKサイトを離れます

関連記事

    人気の記事ランキング

      記事ランキングをもっと見る

      最新の記事