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2019年9月29日(日)

陸上男子50キロ競歩で鈴木が優勝 金メダルの裏に緻密な戦略

カタールで開かれている陸上の世界選手権 男子50キロ競歩で鈴木雄介選手が優勝し東京オリンピックの代表に内定しました。20キロか、50キロか。葛藤の末につかんだ日本初の金メダルの背景には日本代表チームが力を注いできた徹底した暑さ対策と冷静なレース戦略がありました。

陸上の世界選手権の男子競歩50キロで金メダルを獲得した鈴木選手。深夜から未明のレースにもかかわらず気温31度湿度74%の過酷な条件のもと有力選手が次々と「脱落」するのを横目に「1人旅」を続けました。

レース中、徹底したのが暑さ対策でした。手に氷を持ち、首を冷やし、深夜で日の光がないにもかかわらず帽子をかぶったのは氷で頭を冷やすためでした。

そして給水地点を通るたびに2本のドリンクを飲んでは水を頭からかぶり、もう1つ手にした袋からは新たな氷を取り出しまた手にしていました。

その慌ただしい様子はひときわ目立っていました。この徹底した「暑熱対策」。日本陸上競技連盟の競歩の日本代表チームが長年、取り組んできたものでした。

日本代表の合宿では「酷暑」が予想される東京オリンピックを見据え科学分析を行うチームが練習前後の体重はもちろん、体温の変化や汗の量や成分の分析などを行い、どこを冷やすと効果が高いかなど暑さ対策を探っていたのです。

こうした対策は「仮想東京」とも言えた高温多湿のインドネシア・ジャカルタで開かれた去年のアジア大会で、勝木隼人選手が獲得した金メダル、そして今回の鈴木選手の世界選手権での金メダルで実を結びました。

もう一つは冷静なレース戦略です。40キロを過ぎた終盤、鈴木選手は給水地点で繰り返し足を止め大幅に歩くスピードを緩めました。

2位の選手とのタイム差が2分ほどあったとはいえ普通では考えにくい状況です。これを鈴木選手は「戦略だった」と振り返りました。

「脱水のような症状があり歩きながら飲むのがきつかった」と究極の状況のなかスピードを緩めて体力を回復させるという戦略を実行した冷静さが光り、スピードを取り戻していく姿は印象的でした。

快挙を成し遂げたレース後の記者会見で鈴木選手は驚くべき発言をしました。

「世界記録を持っている20キロでも代表を目指す」と再び20キロにも挑む意向を示したのです。

「最大の目標は、競歩の世界的なレジェンドになること」。鈴木選手にとっての「頂」は、日本選手初の金メダルという快挙を達成してもまだ、先にあるようです。

                   
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