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2019年12月2日(月)

やっぱりすごかった!記録で見るレスリング界の女王・伊調馨

青森県八戸市で生まれ、3歳の頃からレスリングを始めたという伊調馨(いちょう・かおり)選手。その伊調選手がはじめてオリンピックで金メダルを獲得したのが2004年のアテネ大会。それ以降、世界のトップ選手として活躍しつづけ、あまりにもすごい記録を打ち立ててきました。今回あらためて伊調選手の功績を振り返ってみると…連勝記録、ギネス記録、国民栄誉賞とやっぱりすごかった!

“本人談”で振り返るオリンピック4連覇

女子レスリングがオリンピックの正式種目として採用されたのは、2004年のアテネ大会から。なんと伊調選手はその年から前回の2016年リオ大会まで4大会連続で金メダルを獲得!あらためて4連覇を人柄がにじんで見える本人のコメントとともに見ていきましょう。

2004年アテネ大会 姉・千春さんとともにメダルを獲得

女子レスリングがはじめて正式種目として採用されたアテネ大会。その女子フリースタイル63キロ級で伊調選手は見事に優勝を果たしました。この大会では姉の千春さんも48キロ級で銀メダルを獲得し、姉妹そろってメダルを手にしたのです。

2004年アテネオリンピックの数か月前、姉の千春さんと

優勝後のコメントでは、「オリンピックの金メダルは重みがあって良いですね。姉が前の試合で負けてしまって何も考えられなくなってしまったんですが、私の決勝の直前に姉が戻ってきてくれて『勇気を出して攻めるんだよ』と言葉をかけてもらって、試合では冷静に攻めることができました。勝って泣いたのは初めてかもしれません」とうれし涙を流しながら話していました。

2008年北京大会 苦しんで手に入れた優勝

2連覇がかかる北京大会では初戦から2試合連続のフォール勝ちで勝ち進んだ伊調選手でしたが、決勝では思うような攻撃が出来ず、苦しんだ延長の末にようやくタックルを決めて金メダルを手にしました。

北京オリンピック決勝で勝利し涙を流す伊調選手

試合後は、「今は4年後のロンドン大会のことは考えられない。4年は長い。こんな苦しい思いをまた4年するのかと思うと。今はとりあえず家族でゆっくり過ごしたいです」と話しました。

また、この大会では姉の千春さんも銀メダルを獲得し、2大会連続で姉妹そろってのメダル獲得。「自分は1人だったらそんなに金メダルをとりたいとは思わない。姉の千春が競技はこれで一区切りだと言っているなら、自分も一段落なのかなと思っています。千春がいなくなったら、なんのためにトレーニングをしていけばいいのか」という試合後のコメントからも2人の絆が感じられます。

2012年ロンドン大会 足を怪我しながらも圧倒的な強さで勝利

北京大会でのメダル獲得直後に姉妹で引退を表明した伊調選手でしたが、その後撤回。3連覇となったロンドン大会では、これまでの守備力に攻撃力も加えた圧倒的な強さを見せました。特に象徴的だったのが「ひとつのピリオドでポイントが1対0とか1対1で終わるのではなく、最低でも2点、3点を取れる試合をしたい」と、強化してきたタックル。しかし、実はロンドン入りしてからの練習で左足首のじん帯の一部を切る怪我をし、痛み止めの注射を打ちながら戦っていたのです。

3連覇を達成したロンドンオリンピックの表彰式

姉の千春さんがスタンドから声援を送っていたことについて、「『かおり頑張れ』と言ってくれたのが聞こえて、それで気持ちが入って腰もすわったので、姉の声は“天の声”です」と話していました。

この大会で金メダルを獲得した伊調選手は、日本の女子選手として史上初のオリンピック3連覇となりました(この翌日、吉田沙保里さんも3連覇を達成)。

2016年リオデジャネイロ大会 誰も成し遂げられなかった4連覇達成

リオ大会では階級区分が変わったため、本来の体重に近い58キロ級で挑みました。決勝では、相手にポイントをリードされる展開になりましたが、第2ピリオドの終了間際に逆転して優勝。2004年から積み上げてきた4連覇という記録は、女子の個人種目では世界初!「オリンピックの女子個人種目で初めての4連覇」「レスリング女子で4個の金メダルを獲得」の2つの記録が、2017年、ギネス世界記録に認定されました。

女子の個人種目では世界初となる4連覇の偉業を成し遂げた

2014年に亡くなった母・トシさんの遺影とともに会場で声援を送った父の春行さんは、「『お母さんにあげる金メダルをとるんだよ』と言ったら娘は『とるよ』と言っていた。金メダルをあげたい気持ちは強かったと思う。本当によくやってくれた。妻も喜んでいると思います」と語りました。伊調選手も試合後に、「本当に最後はやっぱりお母さんが助けてくれたと思います」と話しました。

レスリング世界選手権では10回も金メダルを獲得!

オリンピックで4連覇を成し遂げた伊調選手ですが、世界No.1を決める大会、世界選手権でも素晴らしい活躍を見せています。2002年から2015年までに出場した大会すべてで優勝し、なんと10回も金メダルを獲得!

2015年世界選手権の表彰式、10個目の金メダルを獲得した

その足跡をたどると、さらに驚きの事実が!

2002年 ハルキス 63kg級
2003年 ニューヨーク 63kg級
2005年 ブダペスト 63kg級
2006年 広州 63kg級
2007年 バクー 63kg級

2010年 モスクワ 63kg級
2011年 イスタンブール 63kg級
2013年 ブダペスト 63kg級
2014年 タシュケント 58kg級
2015年 ラスベガス 58kg級

2008年の北京オリンピック後に一度は引退を表明しましたが、その後1年と数か月の静養を挟み、3大会ぶりとなる2010年の世界選手権で6度目の優勝を果たしたのです。ブランクを覆す努力と精神力もすごいですね!

2003年から2016年で189試合勝ち続けた!?

伊調選手は2003年以来13年間もの間、2007年の不戦敗を除いて負けがなく、なんと189連勝を記録していたんです!13年ぶりに負けてしまった試合は、2016年にロシアで行われた国際大会でのモンゴルの選手との決勝でした。

衝撃の敗戦から約半年後、オリンピック4連覇という偉業でリベンジした

これだけの連勝記録があると、負けるのを恐れてしまいそうですよね。しかし、伊調選手は「むしろ負けることの方が得るものは大きいので、『負けてよかった』と思わないともったいないと感じます」と敗戦を前向きに捉えていました。

2014年からは25戦連続無失点記録

2014年にロシアで行われた国際大会から2016年の決勝で負けるまで、なんと25戦連続で無失点、つまり相手に1ポイントも取られていない、という記録も打ち立てています!その間には、アジア選手権や世界選手権という大舞台もあるのですが・・・

まさにレスリング界の女王です。

紫綬褒章を4回も受章、国民栄誉賞も!

伊調選手はその活躍が評価されて2004年、2008年、2012年、2016年に紫綬褒章を受章しています。紫綬褒章とは、長年にわたってその道一筋に打ち込んできた人や、スポーツや文化の分野で功績のあった人などに贈られるものです。羽生結弦選手や北島康介選手、吉田沙保里選手などが受章していますが、4回も受章しているのは伊調選手のみ!スポーツ界以外も含めて、最多の受賞回数となります。

4度目の紫綬褒章を受章し、伝達式に出席する伊調選手

また、2016年にはリオオリンピックでの金メダル獲得が評価され、国民栄誉賞を受賞しました。

2016年、国民栄誉賞授与式で記念品の帯を受け取る伊調選手

これだけの功績を積んできた伊調馨選手。まさに、女子レスリング界のレジェンドですね!

                   
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