読み込み中です...

2019年11月27日(水)

五輪代表の見本市?陣内貴美子が解説!全日本総合バドミントン

今、日本バドミントン界がとてもアツいんです!男子シングルスの桃田賢斗選手を筆頭に、女子シングルスの奥原希望(のぞみ)選手、山口茜選手、女子ダブルスの “タカマツ”ペアなどなど。男子も女子も世界のトップで活躍する選手が続々と出てきており、東京オリンピックでのメダル獲得にも期待がかかっています。

そんな実力派ぞろいの選手たちが日本一の座を懸けて戦う全日本総合バドミントン選手権大会。その大会の見どころや注目選手を元バドミントン選手で現在は解説者としても活躍する陣内貴美子さんに聞きました。

“真”の日本一が決まる!全日本総合バドとは?

ーー「全日本総合バドミントン選手権大会」とは、選手たちにとってどんな大会ですか?

陣内貴美子さん(以下、陣内):選手からすると”絶対に獲りたい!”と強く願っている大会です。中学、高校、大学、社会人とすべてのカテゴリーの選手が公平に戦うので、真の日本一を決める大会と言っても過言ではありません。この大会に照準を合わせて調整する選手も多いです。私も現役の時はそうでした。全日本総合の緊迫感はものすごくて、世界チャンピオンの桃田選手も1回戦から緊張すると言っていましたよ。手が震えてしまうって。

ーー世界ランキング1位(11月27日現在、以下同様)の桃田選手も国内大会で緊張するんですね!

陣内:それだけ重要度が高い大会ということなんですよ。特に桃田選手ら世界で戦う上位選手たちには、どうにかして食ってやろうと多くの選手が向かってきますから、プレッシャーは相当なものだと思います。それだけに、どの選手にとっても簡単に勝てる試合はありません。

現在世界ランキング1位の桃田賢斗選手

ーー東京オリンピックの出場選手は、世界ランキングによって算出されるポイントの上位から、シングルスでは34名、ダブルスでは16組が選ばれます。ただし、1か国あたり最大2名・2組しか出場できません。今大会は世界ランキングに影響するのでしょうか?

陣内:いえ、国内大会なので実は関係ありません。ですが、先ほども言ったように日本選手にとって全日本総合バドミントン選手権の優勝は憧れで栄誉あるタイトルなんです。オリンピック出場に影響がないからといって、調整程度で良しとする選手はほとんどいないと思います。

ーー日本選手同士の意地とプライドを懸けた、白熱の戦いが見られるんですね!

陣内:そうですね。それに、今大会では世界のトップランカー同士の戦いが見られるのも要注目です。特に女子ダブルスは世界ランキング2位から4位までの3組が日本のペアです。それらの激突はもともとレベルの高い試合であることに加え、日本の会場で日本のファンを前に戦うということでモチベーションも絶対に変わりますから面白い試合が期待できますよ!

ーーとてもワクワクしてきました!早速、注目選手や見どころを教えてください!

種目別の注目選手と見どころ

東京オリンピックと同じく「男子シングルス」「女子シングルス」「男子ダブルス」「女子ダブルス」「混合ダブルス」の5種目で行われる今大会。それぞれの注目選手と見どころを解説してもらいました。

男子シングルス

絶対王者・桃田賢斗の2連覇なるか!?

前回2018年の男子シングルスは桃田選手が優勝。2連覇を果たすかが見どころのひとつ

陣内:男子シングルスは桃田賢斗選手が優勝候補なのは間違いありません。ネット際にシャトルを落とすヘアピンショットが注目されていますが、スマッシュもレシーブも超一流で、実力は頭一つ出ています。縦横無尽にコートを動くプレーを見れば、バドミントンは面白いっていうことがよく分かるので注目して欲しいです。隙があるとすれば、緊張やプレッシャーで本来のプレーが出来なかった時ですね。
あと、桃田選手の試合に臨む姿勢も注目したいところ。手を抜いたプレーで観戦に来たお客さんを後悔させたくないと、すべての試合で全力を注ぐと言っています。試合に出られることに感謝を抱いているそうで、真摯なプレーは人を魅了するものがありますよ。

五輪出場枠を熾烈に争う西本と常山

西本拳太選手(左)と常山幹太選手(右)

陣内:世界ランク10位の常山幹太(つねやま・かんた)選手と15位の西本拳太(けんた)選手にも注目してください。西本選手は愚直に練習を重ねてひたむきにバドミントンに取り組む、その不器用さが魅力。桃田選手と一緒に男子バドミントン界を引っ張っている選手です。
一方で、常山選手は2人に比べて追いかける立場で楽しんでプレーします。どちらが桃田選手と戦うのか。2枠しかないオリンピック出場権も競う2人ですから、直接対決になると面白いですよ。

女子シングルス

日本の両エース奥原、山口!栄冠に輝くのは!?

奥原希望選手(左)と山口茜選手(右)

陣内:世界大会でも優勝するトップ選手が2人も出場するのが女子シングルス。注目はやはり世界ランキング3位の奥原希望(のぞみ)選手と4位の山口茜選手です。両者ともプレースタイルが違っていて、その違いを見比べるだけでも楽しいと思います。相手よりも一歩でも多く動くことを信条に粘って拾い続ける堅実なプレーが特徴の奥原選手。スマッシュやボレーでも時にトリッキーな技も混ぜながら、ワクワクするプレーの多い山口選手。おそらく決勝で当たることになると思いますが、オリンピックリオ大会で銅メダルの奥原選手がタイトル復権となるのか、全日本総合を2連覇中の山口選手が意地を見せるのか、とても楽しみですね。山口選手が腰の故障からどれだけ復調しているかがカギとなりそうです。

センス抜群のホープ、高橋沙也加

奥原、山口を追う存在の高橋沙也加選手は現在世界ランキング14位

陣内:高橋沙也加選手はセンスや感性など持っているものが素晴らしくて、勢いに乗ってくると奥原選手、山口選手でも手がつけられないほど。大物食いができる実力を備えています。ただ、上手くいかないときに表情に出てしまうなど、メンタル面が最大のウィークポイント。本人もそこは分かっているので、どう対応するのかにも注目してください。

男子ダブルス

世界を知る園田・嘉村ペアが一歩リード

園田啓悟選手と嘉村健士(かむら・けんし)選手のペア

陣内:男子ダブルスはじっくり打ち合うシングルスと違って、スマッシュの応酬などスピード感を感じられる種目です。その中では、世界大会でも決勝の舞台に顔を出す園田・嘉村ペア(世界ランキング4位)が優勝候補ですね。ほとんど番狂わせはないんじゃないかな。それくらいペアの実力が上がっています。身長やパワーでは外国人選手に敵わないけど、日本人ペアならではのスピードとテクニックを磨いており素晴らしいプレーを披露します。

多彩な技が持ち味の遠藤・渡辺ペア

遠藤大由(ひろゆき)選手と渡辺勇大(ゆうた)選手のペア

陣内:世界ランクでも6位につけている遠藤・渡辺ペアも実力派です。珍しく年齢差があるペアなんですど(遠藤選手が32歳、渡辺選手が22歳)、2人が繰り出す多彩な技に注目ですね。あとは2人と同じ所属チームの井上・金子ペアもいいものを持っていて、どこまで食い下がるか見ものです。

井上拓斗選手と金子祐樹選手のペア

女子ダブルス

三つ巴の戦い!守備のフクヒロ、攻撃のナガマツ、連携のタカマツ

8月の世界選手権で銀メダルを獲得した福島・廣田ペア

陣内:全種目の中で一番予想が難しいのが女子ダブルスです。世界のトップ水準で実力が拮抗している選手たちがそろっています。まずは鉄壁のレシーブでラリーになると絶対に落とさない福島由紀選手・廣田彩花(ひろた・さやか)選手のフクヒロペア。次に170cmの永原和可那選手と177cmの松本麻佑(まゆ)選手が繰り出す高い打点からの強力な攻撃が持ち味のナガマツペア。そしてリオ五輪の金メダリストで絶妙なコンビネーションが魅力の髙橋礼華(あやか)選手・松友美佐紀選手のタカマツペア。世界ランキングで見ると2位がフクヒロペア、3位がナガマツペア、4位がタカマツペアです。2枠しかないオリンピック出場枠を争っているペア同士ですから、ライバルとして相当な意気込みでタイトルを狙ってきますよ。どこが優勝するかは本当にわかりません。

福島・廣田ペアを制して世界選手権で優勝した永原・松本ペア

リオ五輪で金メダルを獲得し話題となった髙橋・松友ペア

下克上狙う、志田・松山ペアと荒木・今井ペア

志田千陽(ちはる)選手と松山奈未選手のペア

陣内:順当に進めば先に紹介した3ペアの中から優勝が出てくると思いますが、台風の目として注目してもらいたいのが若手の志田・松山ペア(世界ランキング11位)と荒木茜羽(あかね)・今井莉子ペア(同71位)。両ペアとも若くて元気があって勢いに乗ればジャイアントキリングがあるかもと期待出来ます。先輩たちからすると、調子を上げてくる若手は怖いんじゃないでしょうか。

混合ダブルス

この種目の第一人者、渡辺・東野ペアに期待

世界選手権でも銅メダルを獲得した実力ペアの渡辺勇大選手と東野有紗選手

陣内:この種目では渡辺・東野ペアがトップクラスです。2人は国内でも多くない混合ダブルスの専門ペアとして取り組んでいて、コンビネーションも長く培ってきています。そして世界ランキングでは3位につけているペアです。それだけに頭一つ抜け出していて、どのペアが渡辺・東野ペアへの挑戦権を獲得するかという展開になるでしょう。

勢いに乗れれば保木・永原ペア

保木卓朗(ほき・たくろう)選手と永原和可那選手のペア

陣内:渡辺・東野ペアへの挑戦権として第一候補にあがるのが、現在世界ランキング24位の保木・永原ペアです。所属チームも違うペアなので練習量は不足しているかもしれませんが、勢いに乗れれば面白い試合展開になるかもしれません。

世界レベルの試合を国内で見られる!

陣内:これまで紹介してきたように、日本には世界レベルの選手がたくさんいます。全日本総合バドミントン選手権では彼らが真剣勝負を繰り広げます。ということは国内大会にも関わらず、世界大会の決勝戦レベルの試合が行われるということ。これってとても贅沢なことですよね。ぜひお気に入りの選手を見つけて、観戦してみてください!

陣内貴美子(じんない・きみこ)

1964年生まれ、熊本出身。
日本を代表するバドミントン選手として活躍。全日本総合バドミントン選手権では88、89、90年優勝と女子ダブルスで3連覇を果たしている。1992年にはバルセロナオリンピックに女子ダブルスで出場。
現在はニュース番組のキャスターを務めるほか、日本バドミントン協会の広報委員会のメンバーとして普及活動にも力を入れている。

                   
※NHKサイトを離れます

関連記事

    人気の記事ランキング

      記事ランキングをもっと見る

      最新の記事