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2019年10月21日(月)

証言ドキュメント日本女子OP 畑岡奈紗と「黄金世代」 

13日まで行われた、女子ゴルファー日本一を決める日本女子オープン。優勝したのは畑岡奈紗選手。20歳で既に3回目の優勝と、強さが際立ちました。

今大会、特に注目されたのは、畑岡選手と同じ1998年度生まれの「黄金世代」のゴルファーたち。予選ラウンドでは、全英オープンを制した渋野日向子選手が畑岡選手と同組に。さらに最終日、畑岡選手と優勝を争ったのは大里桃子選手でした。

「同学年だからこそ負けたくない」。

思いが交錯した4日間、3人のインタビューから黄金世代の戦いを見つめました。

予選ラウンドは「畑岡vs渋野」

練習ラウンド、畑岡選手は熱心にメモ

大会前日の練習ラウンド。厳しい表情でコースを確認する畑岡選手の姿がありました。コースの特徴やグリーンの狙いどころを、1打ごとに入念にメモ。すでにアメリカツアーで活躍する実力者が、この大会に強い思いで臨んでいました。

渋野日向子選手

畑岡選手が意識していたのは、予選ラウンドで同組で回ることになっている渋野日向子選手。8月の全米女子オープンで日本選手として42年ぶりの優勝を果たし、「スマイルシンデレラ」として一躍時の人となったゴルファーです。

畑岡選手

「(渋野選手の全英優勝は)すごくうれしかったんですけど…、やっぱり後から悔しさからこみ上げてきて。自分も頑張らないといけないなっていう気持ちにさせられました。」

この年代で常にトップを走ってきた畑岡選手にとって、自分がまだ手にしていないタイトルを、海外メジャー初挑戦で先に勝ち取っていった渋野選手は意識せざるを得ない存在でした。

予選ラウンドでの直接対決。開幕前にテレビ中継のためのインタビューでは、すでに2人の心理戦は始まっているようでした。

渋野選手

「(畑岡選手と同組は)やっぱり来たなと思いました。すごく勉強できる組なので、この1日目2日目、いい時間にしたいなと思います。」

畑岡選手

「(渋野選手は勉強になると言っていましたが)たぶん心の中はそう思ってないですよ。たぶんお互い“バチバチ”になるなんじゃないかと思います。」

本領発揮 畑岡のパッティング

渋野・畑岡両選手の周りには常に人だかり

現在の日本女子ゴルフ人気を引っ張る畑岡選手と渋野選手の直接対決は、初日から観客を沸かせました。互いに譲らず5アンダー、トップと3打差の7位タイで並びます。

差がついたのは2日目。

16番パー3。ともに長いバーディーパットを残した場面。2人のパットは対照的なものとなりました。

畑岡選手のパットはさえていた

畑岡選手は強気に打ち切ります。わずかにオーバーしますがピンそばをキープしこのホール、パーセーブ。

一方の渋野選手のパットは、手前でショート。カップまで打ち切れず距離を残します。結果、このホールはスリーパットでボギー。そのまま勢いに乗り切れなかった渋野選手は7アンダーの9位タイ。10アンダーまで伸ばした畑岡選手がトップを走る優勝争いから一歩後退しました。

ラウンド後の会見。勝負どころとなった16番を振り返った渋野選手が語ったのは、このホールで痛感させられた自分と畑岡選手との差でした。

渋野選手

「一番はやっぱりパッティングかなと思います。私が何でもない所からスリーパットするところも、彼女はパーにしていましたから。本当にレベルの差を感じました。」


どこにピンの位置を切られてもすぐに合わせられる、畑岡選手の対応力。18歳から一人で挑んだアメリカツアーでの3年間で、畑岡選手はこの力を培ってきました。日本よりもセッティングが厳しいコースで戦い続けるなかで、自ら鍛え上げてきたのです。

畑岡選手のパッティングはその後も安定。3日目を終えて15アンダー。トップに立って最終日を迎えます。

大里が感じた畑岡のすごみ

「黄金世代」のひとり、大里桃子選手

最終日。畑岡選手と首位に並んでいたのは、「黄金世代」の大里桃子選手でした。1メートル70センチの長身を生かしたドライバーショットで、プロテスト合格後1か月足らずで初優勝した期待の選手です。

大里選手にとって、畑岡選手は同学年ながら常に先を行く存在。

「畑岡選手に競えるよう、ついていきたい」。

静かに闘志を燃やしていました。

日ごとに変わるコースセッティング。最終日はさらに厳しいコースとなりました。序盤はふたりともスコアを伸ばせず我慢の展開になります。

最終日の8番ホール

明暗を分けたのはパー3の8番。グリーンの手前ギリギリにピンが切られ、狙うと前の林に落ちるリスクを伴います。

畑岡選手は、リスクを取りました。狙ったのはピン手前の狭いスペース。自分の技術に対する強い自信が表れたショット。放物線を描いたボールは、見事にピンの手前に落ちました。一方、大里選手が落としたのはリスクの少ない広いスペース。しかし距離を残してしまいスリーパットのボギーに。このホール、バーディーを奪い単独トップに立った畑岡選手。大里選手はそのすごみを間近で見せつけられたのです。

大里選手

「8番のピン位置は結構難しかったんです。畑岡選手のピンの手前に置いてくるところ、そこからしっかり決めてくるところはやっぱり、すごいなと思いましたね。」

アクシデントにも動じない強さ

次の9番パー4、畑岡選手をアクシデントが襲います。1打目を木にあててしまい、2打目で難しいアプローチを強いられます。

このピンチの中、畑岡選手が見返したのは練習で書き込んだメモでした。コースの起伏、グリーンの傾斜…。入念な準備が、スーパーショットを生みます。

起伏の複雑なコースのため、定石ではボールを高く上げてグリーン上に落とすのを狙う場面。テレビの解説者を含め多くの人がそう予想しました。しかし畑岡選手が放ったのは、低い弾道のショット。広いグリーンを転がったボールはピンそばへ。コースの起伏を読み切り、アクシデントを見事に挽回しました。

畑岡選手

「3週前ぐらいからもう練習ラウンドは来ていました。それぐらい準備しないと勝てないのが女子オープン。9番のアプローチもずっと練習していた距離だったので、自信を持って打てました。」

同世代がお互いを強くする

後半も首位を守った畑岡選手。最後は大里選手ら2位タイに4打差をつける圧勝でした。「黄金世代」の選手たちが注目される中で、やはりその先頭を行くのは自分だと、畑岡選手が強さを見せつけた日本女子オープンでした。

最終日の優勝争いで敗れた大里選手は、この悔しさを糧に奮起することを誓いました。

大里選手

「(畑岡選手には)全然歯が立たなかったです。でも同世代の選手がみんな上位にいて、自分が一番仲のいい渋野も全英オープンで勝って、いい刺激になってます。自分もこれから負けないように、もっともっと活躍していけたらいいなと思います。」

最終的に畑岡選手と9打差の7位となった渋野選手。今回のラウンドを経て、畑岡選手と同じアメリカツアー挑戦というさらなる高みへの思いを新たにしていました。

渋野選手

「今回はアメリカでやっているような気分でしたね。奈紗ちゃんにも間違えて英語で話しちゃったり。すごく勉強になった二日間でした。」

同じ1998年生まれ。日本女子ゴルフ界を席巻する「黄金世代」の選手たち。畑岡選手は、共に戦う同世代の選手たちと共に、さらなる強さを求め続けます。

畑岡選手

「パッティンググリーンで周りを見渡せば必ず1人以上は同い年の子がいたり。練習場に行けば隣が同い年の子だったり。たくさんの同級生に恵まれて、みんな切磋琢磨して頑張ってるので、私も負けないようにがんばろうと、いつも思ってやっています。」

                   
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