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2019年10月7日(月)

ふたりはライバル 奥原希望と山口茜メダリスト候補2人にクロスインタビュー

東京オリンピックの決勝で、日本選手同士が金メダルを懸けて対決する。

そんなシーンが現実味を帯びてきています。

バドミントンの女子シングルス、世界ランキング1位の山口茜選手と3位の奥原希望選手です(ランキングは2019年9月17日時点)。世界最高峰のレベルで競い合うふたりは互いをどう見ているのか。対照的なふたりの言葉で迫ります。

先輩・奥原とゆるキャラ・山口?

24歳の奥原選手と。

22歳の山口選手。

まずは後輩の山口選手から見た、先輩・奥原選手の印象は?


「全部がお手本のような人。
積極的です。
海外でもこの店おいしかったとか教えてくれます。」

実業団を退団し、ひとりのプロ選手として戦う奥原選手は、これまでのNHKの取材でも、海外ツアーの合間に後輩たちを引き連れて街に繰り出し、リラックスする姿を見せていました。

まさに先輩らしい姿を見せている奥原選手。その奥原選手から見た山口選手の印象は、ちょっと変わっています。

「(山口選手は)たぶん本当の天才。
普段は“ぼややーんとしてる感じですけど。
バドミントン界のゆるキャラみたいな存在です。
時々“茜タイム”みたいなものが流れるので。」

奥原選手の言う“茜タイム”とは?例えばとある大会後のメディアへのインタビューで、「試合中どんな事を考えてプレーしてるんですか」と聞かれた時…。

山口選手

「点数の事とか。例えば『12点』だったら、ほかの数字よりは約数が多いなとか。」

まさに“茜タイム”としか言いようのない受け答え。さっそく2人の対照的な性格が浮き彫りになりました。

身長が低いハンデ 乗り越える武器は対照的

そんなふたりの共通点を聞くと、同じ答えが返ってきました。

「身長が小さい。」

「身長は一緒、小さいですね。」

世界では身長1メートル70センチを超える選手も少なくないバドミントン女子。身長が高ければ打点の高いスマッシュが打て、手足が長ければより遠くのシャトルにも追いつけると言われています。

そんな中で、奥原選手と山口選手の身長は1メートル56センチ。日本代表の中でもひときわ小柄です。

共通する身長のハンデ。しかし乗り越える方法は対照的です。奥原選手が見る、山口選手の武器は。

「アグレッシブなプレーですね。」

抜群のバトミントンセンスを生かした攻撃的なスタイルを持つ山口選手。一瞬の判断からの意表をつくショットで相手をほんろうします。

「パって思いついて、すぐにできちゃう。
茜ちゃんにしかできないプレーです。
誰もまねできないですね。」

一方の奥原選手の武器を、山口選手はどう見ているのか。

「(奥原選手は)ラリーが長くなる。
相手からしたら嫌だなと思います。」

奥原選手の武器は何といっても粘り強い守り。相手のショットを拾って、拾って、勝利を手繰り寄せてきました。

先輩の背中を追いかけて

今では世界のトップクラスに位置するふたり。常に一歩先を歩んできたのは、3学年上の奥原選手でした。
16歳の時、史上最年少で日本一に輝いた奥原選手。その後しばらくの間、山口選手目の前には奥原選手が立ちはだかってきました。

「最初は全然勝てなかったですし。
常に上にいるような存在ですね。」

山口選手が奥原選手の力を見せつけられたのが、3年前のリオデジャネイロオリンピック。ともに初出場のふたりは準々決勝でぶつかります。

山口選手は持ち前のセンスを生かして果敢に攻めますが、奥原選手の粘りに阻まれます。逆にミスを重ねて力負け。勝ち上がった奥原選手は、この大会で女子シングルス史上初の銅メダルを獲得しました。

大会後のインタビューで、山口選手はうつむきながらも強い決意を語りました。

「これが今の自分の実力です。もっと強くなりたいと思います。」

その言葉通りに、山口選手は強さを手に入れていきました。

奥原選手の背中を追うように、強さを培ってきた山口選手。去年、奥原選手も到達した事のない、世界ランキング1位にたどりついたのです。

「(奥原選手からは)刺激をもらえています。
練習でも、常に自分に厳しく頑張ってるイメージ。
そういう人が一緒に身近で練習してると、
自分が妥協しそうな時に頑張ろうって思えます。」

競い合い、高め合う

そんなふたりは、今年の夏。東京オリンピックと同じ会場で行われたテスト大会の決勝で激突。本番を見据えた直接対決に注目が集まりました。

試合を前にした二人は…。

奥原選手

「泥仕合、我慢比べには必ずなってくると思う。」

山口選手

「泥仕合になったら向こうの勝ちだと思うので、長い試合にならないように。」


奥原選手の粘りが生きる展開になるのか、それとも、山口選手が主導権を握るのか。

試合序盤、奥原選手は持ち前の粘りを見せます。攻め急いでポイントを失う山口選手。事前に口にしていた「泥仕合」の様相を呈してきた試合。

ここで山口選手は決断します。ミスからすぐに切り替えて、奥原選手が得意とする長いラリーにあえて付き合う事を選択したのです。

奥原選手の得意な展開の中で耐え、そして気を見て攻めに転じます。結果ゲームの主導権を握った山口選手が勝利。優勝を果たしました。

巻き返しを誓う奥原選手。山口選手もさらに気を引き締めています。

「オリンピック会場でのプレ大会で負けたことは、
ものすごく悔しかったです。」

「奥原選手に追いつけるように。
これからもやっていかなきゃいけないと思ってます。」

競い合い高め合うふたり。

最後に、オリンピック決勝での対戦への思いを聞きました。

「オリンピックの決勝での対戦は、
日本バドミントン界の歴史でもないこと。
その偉業を成し遂げられたらすごい事だと思うし、
私もその舞台に立ちたいと思っています。」

「そういう期待をする声はあると思うので、
それが実現できるように頑張りたいとは思ってます。
でもまあ、もう日本人対決なら、
どっちが勝ってもいいじゃないですか。」

                   
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