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2019年9月17日(火)

前田穂南 MGC女子独走の裏に「名将の戦略」あり

五輪代表を次々輩出

「名将の戦略」がピタリとはまったレースとなりました。MGCの女子のレースを制した前田穂南選手は20キロ付近からロングスパートしオリンピックの切符をつかみました。

フィニッシュテープを切った前田選手を迎えた天満屋の武冨豊監督は「まな弟子」の肩を支えながら「よく頑張った」と声をかけ、ねぎらいました。

レースは武冨監督が事前に明かしていた戦略通りに進みました。指導歴30年、65歳の武冨監督は、オリンピックに4大会連続で選手を送り出した女子マラソン界の「名将」です。

“早い仕掛け”に勝機あり

7月にインタビューに応じた際武冨監督が語っていた戦略の一端は次のようなものでした。

「最後の上りで勝負と思っている人が多いと思うが、その時点で勝負は決まっているんじゃないか」

「最後の上り」。35キロすぎからのこの「上り坂」が勝負のカギとなるという大方の予想を明確に否定したのです。

坂の「前」までに勝負を決める。意識していたターゲットは鈴木亜由子選手と松田瑞生選手。ずばぬけたスピードを誇ります。「ラストスパートでの勝負になればかなわない」という見方はほかのチームの監督も持っていました。ただ、武冨監督はMGCの2か月も前の段階で腹をくくっていたのです。

武冨監督がその戦略に合うと見込んだのが前田選手でした。前田選手の大きな武器は前半からの積極的な仕掛け。30年の指導歴を誇る武冨監督が「ずば抜けている」とたたえる「豊富な練習量」に裏打ちされたものです。

「自分のリズムで」世界との戦いを見据えた走り

武冨監督は合宿でも練習相手に合わせず自分のペースで前に行くよう指示していました。前田選手の強みを伸ばすことこそがMGCを制すると考えたからです。

「ほかの選手に左右されず自分のペースで走りたい」。

合宿を取材した時、そう話した前田選手は監督の思いを十分に理解しているように感じました。

大一番、自分のタイミングでスパートした前田選手はライバルたちを圧倒しました。

武冨監督はレース後「予想通り。最後の上りは先頭で行けばなんとかなる。そうじゃなければ勝てない」と話し、大一番で思い描いたとおりのレースをやりきったまな弟子を、優しい笑顔でたたえました。

選手の力を伸ばすことで「一発勝負」のMGCを勝ち抜いた武冨監督。これまでの経験から「外国人選手に振り回される状況で力を出せなかった」として本番で戦うためには今回のように「自分のリズムでいく」ことが大切だと強調しました。

5回目の大舞台へ、今度はどんな戦略を描くのか、楽しみです。

                   
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