読み込み中です...

2019年9月16日(月)

南スーダンの空手選手『オリンピック出場で"母国を一つに"』

アフリカの南スーダンは、8年前に独立し、かつて国連のPKO=平和維持活動で日本の自衛隊が派遣されました。

その南スーダンから日本とのつながりをきっかけに、来年の東京オリンピックを目指す若者を取材しました。

南スーダンの空手道場 道着には、日本語の文字が

南スーダンの首都・ジュバにある空手道場には、子どもから大人まで360人が通っています。

選手たちが身につけている道着には、日本語の文字が。

この道着を贈ったのは自衛隊です。2012年から5年間、国連のPKO=平和維持活動で南スーダンに派遣され、インフラ整備などを担当。任務の合間に有志の隊員たちがこの道場を訪れ、地元選手の指導にあたっていたのです。

道場"期待の星" アウェルさん

アブラハム・アウェルさん(28)

道場の期待の星が、アブラハム・アウェルさん。6月に開かれた国内の大会で優勝し、オリンピックの代表に最も近い選手です。隊員たちの教えを胸に、毎日欠かさず練習を続けています。

アブラハム・アウェルさん

2020年にオリンピックに出場して、勝ってみせます。

空手が広まれば "この国を変えられるかもしれない"

アウェルさんが空手に打ち込むのには、理由があります。南スーダンでは、民族の対立を背景にした武力衝突で、多くの市民が犠牲になりました。

アブラハム・アウェルさん

この目で衝突が起きているのを見ました。衝突の間、多くの友人が亡くなりました。

それでも道場では民族の異なる選手たちが、いがみ合うことなく切磋琢磨しています。

空手が教える「礼=相手を敬う気持ち」が、みんなを1つにしてくれているとアウェルさんは感じています。

アブラハム・アウェルさん

空手は僕たちに“お互いを尊重し敬うことの大切さ”を教えてくれました。


空手がもっと広まれば、戦いが終わり、この国を変えられるかもしれない。

強化練習で初来日 指導してくれた隊員と再会!

アウェルさんは先月、初めて日本を訪れました。日本の外務省や自衛隊の招待で、強化練習に参加できることになったのです。

アウェルさんのもとに唐牛和隆さんが駆けつけた

練習初日。アウェルさんに、うれしいサプライズがありました。かつて南スーダンで指導してくれた隊員の唐牛和隆(かろうじ)さんが駆けつけたのです。

オリンピックを目指すアウェルさんの力になりたいと、配属されている宮古島から練習に参加。

2年ぶりに稽古を共にした唐牛さん。アウェルさんの成長を頼もしく感じました。

唐牛和隆さん

3年前に比べて空手に取り組む目が変わっていて、オリンピックを目指しているという感じがしました。


2020年の東京オリンピックに出場したら、自分は仕事を休んでも応援にいきたいです。

オリンピック出場で母国を一つに!

空手がつなぐ、民族や国を超えた絆。アウェルさんは、独立後、2回目の夏のオリンピックに自らが出場し、母国を一つにしたいと願っています。

アブラハム・アウェルさん

空手が僕と日本をつないでくれました。もしオリンピックで1勝でもできれば、南スーダン中が盛り上がるでしょう。


次に東京に戻ってくるときには、成長した姿をお見せします。

田村銀河

NHK国際部記者。アフリカやヨーロッパを担当。前任地の千葉局で取材したサーフィンの魅力に取りつかれ、本場ハワイの波にも挑戦。

                   
※NHKサイトを離れます

関連記事

    人気の記事ランキング

      記事ランキングをもっと見る

      最新の記事