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2019年9月10日(火)

ラグビーW杯 日本の対戦相手を予習!勝つための条件は?

2019年9月20日(金)からいよいよラグビーワールドカップが開幕!しかも今大会は日本各地にある12の会場で試合が行われるということもあり、全国的に注目度が高まっています。

「でもラグビーについてあまり詳しくない……。」そんな方のために、今回は日本代表チームの特徴とともに、予選で戦うことになるライバルたちを紹介!

対戦国であるロシア、アイルランド、サモア、スコットランドってどんなチーム?ラグビーを楽しむための見方は?そんな疑問を解消するべく、ラグビー元日本代表で解説者の砂村光信さんに教えてもらいました。

日本代表の試合をより楽しむためにここで予習しておきましょう!

世界ランク10位!ラグビー日本代表ってそもそもどんなチーム?

対戦相手を知る前に、まずは日本代表について知っておきましょう。

キャプテン・リーチ マイケル選手率いる日本代表

――いま日本は世界ランキング10位(9月9日現在。以下、同様)。そもそも、ラグビー日本代表はどんなチームなのでしょうか?

日本人は昔から器用で足が速いと言われていました。また、今の日本代表の強みを挙げるとすればパスの正確さ。パスの技術は世界一といえるでしょう。さらに、合宿をたくさんしているだけあって団結力も強いですね。選手同士はまさに家族のような繋がり。仲間意識が強く、試合中も含めてコミュニケーションが豊かです。

――それでは、逆に日本の弱みや課題はどういうところにあるのでしょうか?

パスのキャッチング能力は強豪国と比較すると弱いですね。正確な位置にパスをすることは出来るけど、予測しない位置に飛んできたボールをキャッチするのは苦手、といった弱点があります。もちろんそれは自覚しているので、いろいろなパスを取れるように練習して、今はその弱点を克服してきていますね。

あとは、点差がつくと追いつけないところでしょうか。日本はチームワークで時間をかけて徐々に相手を切り崩していくチームなので、前半で20点くらい離されてしまい、後半の出鼻もくじかれてしまうと勝てない傾向があります。一発で試合の流れを変えるようなプレーが少ないので、集中力が切れてしまうのかなと思います。

――他の国に比べると、日本は体格差で不利なイメージがあるのですが……。

たしかに今はどの国も身体が大きくなっているので、当たり負けない力をつけなければいけません。しかし、日本はこの1年ハードな合宿をして体力強化をしてきました。先日のフィジー戦でも当たり負けていなかったですし、暑い中でも体力が落ちず完勝しましたからね。吹っ飛ばされる恐怖心がなくなり、自信と体力がついたのが今の日本代表なのではないかと思います。

7月27日に釜石で行われた試合では格上のフィジー戦に対して34対21で勝利した

油断大敵の初戦!勢いのあるロシアは先行して逃げ切れ!

ワールドカップに出場する20チームは、5チームごとの4組(プール)に分かれて予選を行い、各プールで勝ち点(マッチポイント)の高い2チームが決勝トーナメントに進出できます。プールAはアイルランド、スコットランド、ロシア、サモア、そして日本の5チーム。ワールドカップの開幕初日となる9月20日に日本はロシアと対戦します。

――日本が初戦で戦うことになるロシアはどのようなチームでしょうか?

以前は決して強いチームではなかったのですが、最近はロシアの国自体がラグビーに力を入れていて、世界ランキングも現在20位と少しずつ上がってきていますね。

格下のチームですが、世界と比べると身体は大きくて強いので気を抜くと当たり負けてしまいます。昨年の秋もロシアと日本が戦いましたが、油断してしまったのか前半でリードされ、後半でなんとか逆転したということもありました。ましてや今回は初戦ですし、気を抜かず全力で戦わないと危険な相手です。

ただ、チームプレーのような連携して戦う技術力はそれほど高くないので、そこを上手くつき、前半40分で勝負を決めてしまうのがいいでしょう。試合の序盤で相手と点差をつけ、離していけるといいですね。

近年、力を伸ばしてきており、ロシアはパワー勝負のチーム

世界ランク上位の強豪チーム!アイルランドは粘り勝ちをねらえ!

ロシア戦から8日後の9月28日、2試合目の相手となるのが強豪アイルランド。静岡県にある小笠山総合運動公園エコパスタジアムで試合が行われます。

――2試合目の相手、アイルランドはどのようなチームでしょうか?世界ランキングではかなり上位にいるみたいですが……。

アイルランドは現在世界ランキング1位です。

ボールを持って前に出る強さが特徴で、キックパスも非常にうまくグラウンドを広く使うチームですね。バランス感覚が良く、ボールを持った選手が倒れずに前に行く粘りや推進力をもっていて、体格的な強みとスピードを兼ね備えたチームです。

なかでもジョナサン・セクストンという選手がとても賢く器用で、正確なキックができる選手です。彼が中心となってラグビーを組み立てています。

アイルランドのジョナサン・セクストンは2018年のワールドラグビー年間最優秀選手に選ばれた

アイルランドは身長が大きいので日本の選手が取りづらい高めのパスを出しますし、パスを取れる範囲は日本よりも広いです。また、ディフェンスは相手に考えさせる暇を与えないくらい速いといった特徴もあります。

日本はいかに相手を疲れさせるかが重要ですね。早くボールを動かして疲れさせるのと、高温多湿な日本の気候を味方につけて、先行逃げ切りを目指せば、勝つチャンスは十分にあると思います。ラグビーは時間が長いスポーツなので、先に点をとってプレッシャーを与えるのが有利なんですよ。

ボールを持った際の粘りと推進力に優れるアイルランド

爆発的な突進力に注意!サモアはミスを誘え!

続く3戦目の相手はサモア。10月5日に愛知県のトヨタスタジアムで行われます。

――サモアというと筋肉隆々で屈強なイメージ。ラグビーも強そうですね。

サモアは狩猟民族なので骨格がしっかりした身体をもっているのと、走力が非常に高いチームです。天才的な走力をもつ選手もいますし、フォワードを前面に出してくる正攻法なチームでしょうか。世界ランキングでは日本よりも格下の16位ですが、油断はできません。

かつてサントリーサンゴリアスで活躍したトゥシ・ピシという選手もサモア出身ですし、バックスとして日本で活躍する選手もいます。

国際大会であるスーパーラグビーにおける日本チーム・サンウルブズでも活躍したトゥシ・ピシ

身体が小さい選手でも弾丸のように入ってくるので、日本はとにかく当たり負けないようにしたいですね。かつて日本はサモアに当たり負けてしまうと言われてきましたが、今はトレーニングの成果もあって克服できているのではと思います。相手がこれを上回るパワーで来るかどうかですね。

あとは短気な選手が多いように感じるので、あえて相手が嫌がることをして反則やミスを誘うというのもひとつの戦略です。前回のワールドカップではサモアから退場者が2人も出たほどです。技術力がとくに高いというわけではないのですが、個々の能力で攻めるチームなので好きなようにさせない方がいいチームではあるでしょう。

頑強な肉体を持ち、スピード&パワー勝負に定評のあるサモア

精神的にタフな方が勝つ!最終戦のスコットランドは国民の応援を糧に戦え!

10月13日の予選リーグ最終日に戦う相手は世界ランキング7位のスコットランド。神奈川県の横浜国際総合競技場で行われます。

――予選リーグの最後の相手はスコットランド。イギリスを構成するイングランド、ウェールズ、アイルランドと並んで、スコットランドも世界ランキングの上位にいますが、どのようなチームなのでしょうか?

スコットランドは身体が大きく、両ウィングの背の高さを生かしてグラウンドを広く使った攻撃をしてきます。とくにスクラムハーフのグレイグ・レイドローという選手が非常に巧みに相手を切り崩します。世界ランキングは7位で日本よりも上位にいますが、お互いに予選最後の試合になるので、どちらが精神的にタフかどうかで勝敗が決まるのではないでしょうか。

スコットランドのスクラムハーフ、グレイグ・レイドロー

日本はここまでの試合で良い結果を残し、精神的に有利な状態で最終戦に挑みたいですね。ロシアとサモアには勝ってそれぞれ4ポイント。アイルランドはかなりの強豪ですが、仮に敗れた場合でも7点差以内におさえれば1ポイントもらえるので、それを狙うとか。本当はアイルランドにも勝って4ポイントを獲得しておきたいところではありますが、スコットランドもおそらくここまで2勝1敗になることが予想されるので、1ポイントでも非常に大事になります。

今大会の日本の試合日程を見ると、すべての試合に1週間の空きがあるので、しっかりと身体を休めることができますし、相手を分析する時間も取れるのも良いですね。スコットランドは9日の第3戦から4日しか空いていないので。また、せっかくの日本開催ですから、国民の応援を糧にしたいところです。

長身を生かし巧みに相手を切り崩すスコットランド

決勝トーナメントに進むことが出来るか!?注目の日本選手

――砂村さんが注目している日本選手はいますか?

稲垣啓太選手は人としてすごく面白い。常に頭を使っているので、ボールを持ったときに相手にぶつかるのかパスするのかが読めないくらいいい動きをしますね。ディフェンスも前にいてタックルするし、吹っ飛ばされてもすぐに戻ってきますよ。稲垣選手を追うとよく走っているなというのは分かりますね。

フォワード最前列・左右のポジション、プロップを担う稲垣啓太選手

あとは堀江翔太選手でしょうか。パスやキックのセンスがとても良いですね。相手に当たるときはわざと半歩ずらし、真正面からハードなタックルを食らわないようにするという個性的な個人技ももっています。くるっとターンして前に行ったりもしますし…相手の分析をくつがえすプレーというか、「分析にははまらないぞ!」というのが彼のスタイルなのでしょう。

フォワード最前列・中央のポジション、フッカーの堀江翔太選手

初戦のロシア戦は9/20!ラグビー日本代表に声援を送ろう

日本代表の初戦は9月20日(金)19:45キックオフ!ロシアに勝って弾みをつけ、予選突破を目指して突き進んでほしいところ。

日本開催ということもあり、国民の声援が大きなアドバンテージになるはずです。みんなでラグビー日本代表を応援しましょう!

砂村光信(すなむら・みつのぶ)

1959年生まれ。ラグビー元日本代表。國學院久我山高校、明治大学を経てリコーのラグビー部で活躍し、日本代表にも選出される。引退後はU-23日本代表監督も勤めた。現在はラグビー解説者としても活躍中。

                   
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