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2019年9月13日(金)

久保建英 新たな旅立ち その評価は?

日本サッカー界でいま最も注目を集める18歳、久保建英選手。10日に行われたワールドカップカタール大会のアジア2次予選の初戦、ミャンマー戦では終盤から出場し、ワールドカップ予選の最年少出場記録を更新しました。日本代表としての史上最年少ゴールへの期待も高まっています。

その久保選手が、さらなる飛躍の舞台として、この夏選んだのはスペイン1部リーグでした。8月下旬には、レアルマドリードからマジョルカへの期限付き移籍も決まりました。どんなスタートを切ったのか?周囲の期待は?現地で取材しました。

開幕直後の電撃移籍

「マジョルカ移籍が発表された。到着したら連絡を!」。

8月下旬、久保選手を取材するためスペインに向かう機内で上司から届いたメールです。期限付きで移籍する可能性は、現地のメディアも報道していましたが、1部リーグの開幕直後に現実となりました。

スペインに到着して最初の取材は、レアルマドリードのジダン監督の記者会見でした。久保選手は、当初、レアルマドリードのいわゆる2軍にあたるチームでプレーすると見られていました。電撃的に決まった移籍について、ジダン監督は、久保選手の新天地での成長を期待する一方で、将来性豊かな若者の成長を近くで見ておきたかったという複雑な思いもあったようにも感じました。

レアルマドリード  ジダン監督

クラブとしても監督しても、選手にとって一番いい方法を求めています。決まったのは、マジョルカでプレーしながら選手として伸びていくことです。

新天地のマジョルカ

地中海に浮かぶスペインのマヨルカ島。ヨーロッパ各地から多くの人がバカンスに訪れるリゾート地です。テニスの四大大会、全米オープンで4回目の優勝を果たしたラファエル・ナダル選手の出身地としても知られています。

久保選手が移籍したマジョルカは、この島を拠点としています。私が取材したのは、久保選手がチームに合流して2日目の練習。マジョルカの赤いユニフォームを着た久保選手は、ふだんと変わらぬ様子で、鋭いシュートを決めていました。

マジョルカは、7シーズンぶりに1部に昇格しました。かつて、元日本代表の大久保嘉人選手、昨シーズン、Jリーグの最優秀選手に輝いた家長昭博選手も在籍し、日本のサッカーファンにとっても、馴染みがあるチームではないでしょうか。特徴は、組織的な守備と球際の激しさで、久保選手には、J1のFC東京時代と同じ右サイドの前線での活躍が期待されています。久保選手は、さっそく、モレノ監督と話し込み、チームが求める戦術を落とし込もうとしていました。

現地での評価は?

久保選手は6月にスペイン1部リーグへの移籍が決まってから、その理由や思いなどについて語っていません。実績を残してから話したいという思いからです。

では周囲は、どのような評価をしているのか。1つのポイントとなっているのが、久保選手が、小学4年生だった10歳から、スペイン1部リーグの強豪、バルセロナの下部組織でプレーしたという経歴です。久保選手を獲得したマジョルカのCEOを直撃しました。

マジョルカ モランゴCEO

マジョルカのジュニアチームの新しい責任者、セルヒオ・バジェシジョは、バルセロナで過ごしていた当時の久保選手のコーチだったんです。だから、久保選手のことををよく知っていました。


アメリカで行われたプレシーズンマッチでの彼のプレーを見れば、優れた選手だということは明白でした。だからこそ、レンタルで連れてくるための働きかけをしました。

さらにスペインで40年近くサッカーの取材をしてきたベテランのジャーナリストも、恩師、バジェシジョ氏の存在が、移籍に至った大きな要因だと指摘します。

ジャーナリスト イニャキ・カノさん

バジェシジョは、久保選手のサッカーでの『親』のような存在で、本人のことをよく知る人物が身近にいたということも大きかったと言えます。


マジョルカでは、久保選手がたくさん出場する時間がもらえると思います。それは、間違いなくマジョルカで一番の選手だからです。

カノさんは、久保選手のプレーについて、国際サッカー連盟の年間最優秀選手に何回も選ばれているアルゼンチンのメッシ選手に例えました。

久保選手が、レアルマドリードの一員として参加した北米遠征でのプレシーズンマッチで、世界のトップ選手を相手にも、細かいタッチで狭いスペースを次々とつくプレーを見せたからです。

ジャーナリスト  イニャキ・カノさん

日本のファンにもわかってもらえると思うのですが、彼はマジョルカのメッシです。久保選手は、電撃的で生き生きとし素早くボールに触って動いていきます。


バルセロナで育ったからスペインのサッカー文化をよく知っています。それは本人がリズムを取っている時によくわかります。

ファンも熱視線

満松憲司朗さんと2人の息子、慶士君(左)明己君(右)

久保選手の移籍は、マジョルカのファンにとっても、思いがけないニュースとなりました。マヨルカ島の旅行会社で働く満松憲司朗さんの2人の息子、慶士(けいと)君、8歳と明己(はるき)君、6歳は、そろって久保選手のファンです。(※年齢は取材当時)。

実は満松さん、サッカーが好きな子どもたちのために、マジョルカのホームゲームをシーズン通して観戦できるチケットを購入していたんですが、久保選手の移籍で思わぬ“プラチナチケット”になりました。

満松憲司朗さん

棚からぼた餅じゃないですけど、家に帰って伝えたら大喜びしていました。うわーって。

そして、子どもたちには早くも宝物ができました。練習を見学に行ったときに、久保選手と撮った記念写真です。慶士くんは「久保選手は優しかった。最高です。100点!」と喜んでいました。

フィーバーの予感

久保選手の移籍が決まってから3日後に行われた最初のホームゲーム。スタジアムには早くも久保選手の背番号26や名前の入ったユニフォームを着るファンが現れていました。そして、久保選手は、今月1日のバレンシア戦でスペインリーグデビューを果たしました。

今後、日本代表、東京オリンピックを目指す22歳以下の代表でも活躍が期待される久保選手は、我々の想像を上回るスピードで、ステップアップしています。どこまで駆け上がっていくのか、その期待は、ますます高まるばかりです。

竹中侑毅

スポーツニュース部記者 平成21年入局。水戸局、佐賀局を経てスポーツニュース部へ。プロ野球やゴルフ、パラリンピックなどを担当。現在、サッカー担当。

                   
※NHKサイトを離れます

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