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2019年9月3日(火)

谷真海選手が選ぶ!「このパラ競技がすごい!」

開幕まで1年を切った東京パラリンピック。チケット販売受付も始まりましたが、「どの競技を見に行けばいいんだろう・・・?」と思っている方も多いのでは。パラ競技をまだ詳しく知らなくても大丈夫。今回はパラトライアスロンの谷真海選手に、パラ競技とアスリートの魅力を分かりやすく紹介してもらい、「観戦者目線」でパラリンピアンの面白さを伝えます!

2020を目指す 谷真海選手

パラトライアスロンで東京大会出場を目指す谷真海選手は37歳。
6年前、東京大会招致の際はスピーチの場で活躍しました。

「スポーツには新たな夢と笑顔を育む力があります。希望をもたらす力、人々を結び付ける力があります。」

まさに東京パラリンピックの実現に貢献した立役者です。

谷選手は去年、自身の障害のクラスが東京大会に採用されないという壁にぶつかりましたが、現在は自分よりも障害の軽いクラスで競技に臨むというチャレンジを続けています。その力になっているのは、家族の存在だといいます。

「今こどもが4歳なんですけど、先日お台場でやったパラリンピックのプレ大会も応援に来てくれて、『ママ頑張れー!』って沿道で応援してくれたので、ママがアスリートであることはわかってるんだと思います。障害の軽いクラスでハンディなしでやるのは厳しい戦いですが、出場権を取るために頑張ります!」

陸上はメダル候補が豊富

東京パラリンピックは来年8月25日から9月6日まで、今大会で初めて採用されるバドミントンやテコンドーなど、あわせて22競技が行われます。

まず注目するのは陸上。リオ大会では史上最多の7つのメダルを獲得しました。

実は谷さんはトライアスロンに転向する前は走り幅跳びの選手としてパラリンピックにも出場しています。谷さんの目から見た、日本パラ陸上の世界の中での位置づけは?

「パラ陸上は欧米が世界をリードしているのは事実ですが、日本は確実に前大会もメダルをとっています。今回も金メダルを含めて、メダルを狙える選手はたくさんいるので、やはり期待してますね。」

世界記録を持つトラック2種目で金メダルを目指す佐藤友祈選手(車いすのクラス)や、マラソンで世界選手権2連覇中の道下美里選手(目に障害のあるクラス)など、数いるメダリスト候補の中で谷選手が注目しているのは、走り幅跳びの山本篤選手(足に障害のあるクラス)。過去3大会に連続出場し2つの銀メダルを獲得した日本のレジェンドです!

「山本選手とは年も近くて、義足で走り始めたのも同じ時期だったので、本当に親しくしています。彼は本番に強いタイプで度胸があるので必ず活躍してくれると思いますし、彼の活躍は励みになりますね。それに、ベテランアスリートとして『パラスポーツを広げたい』と言う思いも強くで発信力もあるので、がんばってほしいです!」

見どころは選手だけじゃない!

様々な障害がある選手が競技するパラリンピックには、パラならではの戦い方があり、そこを楽しむのも魅力のひとつです。パラリンピックは選手と共に戦う人たちの支えが欠かせないのです。

例えば視覚障害者マラソンは、選手に目の障害があるので、伴走者と共に走ってゴールを目指します。写真で道下選手と伴走者の志田淳さんをつないでいるロープは「絆」と呼ばれています。

この「絆」と伴走者からのコースの指示を頼りに42.195キロを走り続ける、まさに伴走者と選手の絆が試される競技なのです。

「タッパー」がかける選手への思い

選手を支える道具としてもうひとつ。競泳で目に障害がある選手が使う「タッピング棒」です。

タッピング棒が使われるのは、目に障害がある選手が壁に近づいたとき。「タッパー」と呼ばれる人が選手の頭をたたき、ターンのタイミングを知らせます。タッパーの合図がある事で、壁にぶつからず泳ぎ続ける事ができるのです。

競泳界のエース・木村敬一選手は、タッパーを信じる心があってこそ、全力でレースに臨めると話します。

木村敬一選手

信頼関係を作り上げたタッパーさんでないと、恐怖心がどうしても出てしまってフルパワーで泳いで突っ込んでいけません。最高のレースを東京で見せるために、チームで信頼関係を作り上げたいです。

タッパー 寺西真人さん

選手の努力を知ってますからね。私たちが100%の力を引き出してやりたい。自分のちょっとしたミスで彼らの4年間を、長い練習期間を無駄にしてしまうのはイヤだという、恐怖心、プレッシャーはかかります。我々もタッピングのスキルを上げて、選手には気持ちよくいい記録を出してほしいです。

パラリンピックでは選手だけでなく伴走者やタッパーなど、「バディ」と言える存在のひとたちも最高のパフォーマンスをしなければ勝てない、独特の緊張感がある。谷選手は、そこに注目してみるのも、パラ観戦ならではポイントだと言います。

ちなみに、谷選手にとっての「バディ」は?

「いっしょに厳しい練習をする練習仲間。それに私の場合は義足がないと競技ができないので、義足を作ってくださる義肢装具士の方ですね。もう15年以上、二人三脚でやってます。」

谷さん注目の競技!

ここで、谷選手が個人的に特に注目する競技を紹介。

まず一つ目はボッチャです。

ルールは至ってシンプル、白い球に青と赤のボールを近づけた方が勝ちです。パラリンピックの中でも、より重度の障害のある選手でも参加できる競技であり、今では様々な場所で体験会も開かれています。子どもから高齢の方まで幅広い人たちがすぐに参加できる「ユニバーサルスポーツ」です。

谷選手も体験会を通してその魅力に引き込まれたそう。

「自分たちでやってみると、実は頭脳戦で本当に難しいですね。体験していているうちどんどん真剣になっちゃって、速く自分の番にならないかなって思うくらいです」。

そして二つ目はブラインドサッカー

アイマスクで視界を完全にシャットアウトした状態で、ボールから鳴る金属音と、指示の声を頼りにプレーするサッカー。視覚情報がないとは思えないほど鮮やかなドリブル突破や強烈なシュートがどんどん跳び出します。

「選手が音を頼りにプレーをしてるので観客は静かにしないといけないんですが、実際に見に行くと興奮して声を出してしまいそうですごい緊張感があります。そしてゴールしたら一気に歓声があがるので、盛り上がりがすごいですよ!」

国枝選手からの言葉

そして、谷さんがオススメとして特に見てほしい選手がいます。
それは車いすテニスの国枝慎吾選手、35歳。

「国枝選手の試合のチケットは、『買い』です!実は2013年、大会招致の最終プレゼンで東京開催が決定して、帰りの飛行機のトランジットでブエノスアイレスの空港でお会いしたんです。その時に国枝選手が『東京大会が決まって、興奮して寝られなかった。おかげで東京まで頑張ろうって決めたよ』と言ってくれたのが印象的です。」

パラリンピックを見に行こう!

最後に谷選手に伝えたい思いを聞くと、パラリンピックの魅力を語ってくれました。

「まずは会場に気軽に足を運んで、競技を見ていただきたいんです。特に子どもたちに見てもらいたい。障害だけじゃなく、人種、国籍、さまざまな壁を取り払ってくれるのがパラリンピックだと思います。言葉ではなくスポーツを通して、壁を取り払えるということをパラリンピックの魅力を通して子どもたちに自分の感じ方で、体感してほしいです。それがその後の社会にもつながっていくのが、一番理想かなと。お互いが違いを認め合ってリスペクトしていく社会の実現に近づくといいですね。」

パラリンピックまであと1年。日々準備が進むパラリンピックに向けて、谷選手はアスリートとして決意をあらたにしています。

「ここから1年がパラリンピックにとっては大事な期間です。世界中から観客がやってくるオリンピックに比べてパラは国内の盛り上がりが大事だと言われているので、ぜひ1人でも多くの方にチケット買って頂いて、応援してもらいたいなと思います。そして自分はまずひとりのアスリートとして、出場権を得られるように最後まで戦いたいと思います。」


                   
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