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2019年9月2日(月)

復活のソフトボール上野由岐子「積み重ねの先に」

来年の東京オリンピックで一番最初に行われる競技がソフトボール。日本が金メダルを獲得した2008年の北京大会以来、3大会ぶりの復活です。

再び頂点を目指すのに欠かせないのがエース・上野由岐子投手の活躍です。9月1日まで群馬県で行われた国際大会のジャパンカップで大けがから代表に復帰し、マウンドで存在感を見せました。

“進化のための時間”

上野由岐子投手

もう1つ進化するために神様がそういう時間を与えたんじゃないかな。

上野投手は大けがからおよそ4か月ぶりに実戦復帰した8月30日、報道各社の取材にほっとした表情を見せながらこう答えました。

大けがを糧に

上野投手はことし4月、所属するチームのリーグ戦でピッチャーライナーが顔面を直撃。左あごを骨折する全治3か月の大けがを負いました。

あごの骨折だけに手術後、しばらくは流動食しか口にできず、体重が5キロほど落ちました。それでも上野投手、けがをマイナスだけには捉えていませんでした。

上野由岐子投手

けがをしたことで、自分自身がどんな思いでこれからどうしていきたいか、いろいろ考える時間をもらえた。


コンディショニングの部分でも、もう一つ自分が進化するために考えを改めるきっかけを与えてもらった。

“ポスト上野”に芽生えた自覚

上野投手のけがは、日本代表のほかの投手の意識を変えました。絶対的存在の上野投手もことしで37歳。東京オリンピックのソフトボール初戦には38歳の誕生日を迎えます。

11年前の北京大会に続くオリンピックでの金メダル獲得には、上野投手に過度な負担をかけず勝ち上がることが不可欠です。そのためにも上野投手に次ぐ投手の成長が長年の課題でした。

日米対抗ソフトボール (6月) 藤田倭投手

上野投手不在の中で戦った6月の日米対抗戦では、“ポスト上野”の一番手、藤田倭投手が延長にもつれ込んだ試合を1人で投げ抜き、完封勝利をあげました。

上野由岐子投手

逆に(自分が)いないことによって(ほかの投手に)自覚が芽生えたり、それぞれの立場が変わって、いい刺激になったと思う。


若い選手にとって自信にもつながっただろうし、いい経験ができたんじゃないかな。

復帰登板で見せた姿

ジャパンカップ (8月30日)

8月30日から群馬県高崎市で3日間行われたジャパンカップ。実戦復帰でのストレートの球速は、この大会で登板した日本投手の中で最速をマーク。長期離脱のブランクを感じさせない投球でした。

勝股美咲投手

そして、上野投手の存在感はグラウンド外でも際立っていました。この大会で2試合に先発した将来のエース候補、19歳の勝股美咲投手。

ライバル・アメリカ戦ではコントロールが安定せず3回途中5失点でノックアウト。ベンチに戻ってきた勝股投手に上野投手は真っ先に声をかけました。

上野由岐子投手

フォアボールやデッドボールになると、暑い中で守ってくれている野手がいいリズムで仕事ができない。


どういう気持ちで1球を投げたのかが大切。

アメリカの打者と向き合うだけで精一杯だった若手に自身の経験を踏まえ、さらなる成長のためアドバイスを送りました。

金メダルへ積み重ねの毎日

東京オリンピックに向けて残る、約11か月をどのように使っていくのか尋ねると、こんな答えが返ってきました。

上野由岐子投手

毎日の積み重ねがすべて。先を見てきょうの練習を取り組むわけでもないし、やるべきことや進むべき方向は決まっている。


そこに向けて毎日どう積み重ねていくかを大事にしたい。またいつもの日々が始まりますね。

大けがから復帰したベテランが、東京オリンピックまでどのように代表チームのメンバーと歩みを進めていくのか。

これからもしっかり取材を続けていきます。 

沼田悠里

平成24年入局。金沢局、岡山局を経てスポーツニュース部。

                   
※NHKサイトを離れます

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