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2019年8月28日(水)

さくらジャパン・永井友理が見せる"華麗なるスティックワーク"

女子ホッケー日本代表「さくらジャパン」。2018年、インドネシアのジャカルタで行われたのアジア大会で格上のインドを破って初優勝を飾り、脚光を浴びました。オリンピック連続5大会出場となる東京大会でもメダルへの期待が高まっています。ホッケー日本代表といえば、濃いさくら色の鮮やかなユニフォームが目を引きますが、あわせてぜひ注目していただきたいのが、華麗なスティックワークです。先の曲がったJ字形のスティックだけで、ボールを巧みに操り、時速120kmの速さのシュートでゴールを貫きます。スピードとテクニックが魅力のホッケー、その基本となるプレーを「さくらジャパン」フォワードの永井友理選手に見せて頂きました。

スティックの片面だけを使ってボールを右へ左へ

1チーム11人の選手がスティックでボールを操り、縦91.4m、横55mの人工芝のフィールドで得点を競う競技、それがホッケーです。試合時間は各15分の4クオーター制(計60分)。いつでも何回でも選手交代ができます。ホッケーの最大の特徴はシューティングサークル(図のオレンジのエリア・半径14.63m)と呼ばれるゴール前の半円の中から放ったシュートのみが得点と認められること。そのため、永井選手ら攻撃の選手が、ドリブルやパスで相手の守備をかいくぐり、ボールをゴール前に運ぶ必要があります。

ただし、ゴールキーパー以外の選手がボールに触ることができるのは、長さ90cmのカーボン製のスティックの片面のみです。ボールの大きさは直径7.5cm、野球のボールとほぼ同じ。そのボールをスティックの片面だけでどのようにドリブルするのか、まずは、その妙技をご覧いただきましょう。

永井友理選手

スティックの裏側の盛り上がっている部分でボールを打つと反則になってしまうため、ドリブルは、手首でスティックをくるっと回しながら、片側の面だけでボールを運びます。手首ですばやくスティックを返すのがコツなんです。なるべくスティックとボールがくっついて離れないように、柔らかくボールを抱くような感覚でやっています。

スティックの「反り」をいかしたパス

相手のディフェンスの網をかいくぐりシューティングサークル内にボールを持ち込む手段として、ドリブルと共に多用されるのがパスです。ホッケーには、サッカーのオフサイドのルールがないため、シューティングサークルの手前の選手にボールを送れば、一気にシュートチャンスが生まれます。このパスを出す際に大事になるのが、スティックの「反り」です。スティックの形をよく見てください。まっすぐな棒ではなく、なだらかな曲線を描くように弓状に反っています。

スティックの「反り」を使って、ボールを空中にすくい上げ、遠く離れた味方にパスをするプレー、「スクープ」。「スクープ=Scoop」とは、「すくい取る・すくい上げる」といった意味です。「反り」が大きいスティックを使うと飛距離が伸び、なんとコートの半分以上の50mも飛ばす選手もいるとか。

永井友理選手

相手の強いプレスがくるとどうしても下だけではボールが通せない。相手が高い位置でプレスをかけてきたときに、裏のスペースが空いているところへ、スクープを使ってボールを飛ばします。相手も走りながら空中でボールを止めるのは難しいので、結構ミスが起きることが多くて、裏にボールがこぼれることがあります。そんな時、味方がそのボールをキャッチできれば、ゴールにつながるチャンスが増えます。ということで、レシーブが苦手なチームと対戦するときは、戦略的にスクープを使って、相手がボールをこぼすことを狙うこともあります。

くるっと一回転!守備の選手を交わして前へ、前へ

ドリブルで突進しても、パスを受けてシュート体制に入っても、ディフェンスは執ように迫ってきます。そんな時に使われるのが、スティックの「反り」を生かした独特のテクニック、「ターニング」です。スティックでボールをつかむように引きずりながら、相手選手の前でくるっと一回転。守備の選手とボールの間に自分の体を入れることで、相手からボールを隠しながら、方向転換する技です。

永井友理選手

四角いコートには、行き止まりがあるので、隅に追いやられたときに使うのが、ターニングです。自分の後ろのスペースを使ってターニングで方向転換して、また前に向いてからパスとか次のプレーに移ります。自分はフォワードなので前を向くときや、相手の足を止めさせてから動き出すときに使います。コツは遠心力を生かすこと。中途半端なスピードでやるとボールがスティックからこぼれるので、自分の遠心力が一番強くかかる状態でやることが大事ですね。このテクニックもスティックが反っていからできる技です。ボールがこぼれにくいですからね。

東京五輪の女子ホッケー出場チームは12チーム。トップ3は、いずれも体の大きな選手がそろっているオランダ、オーストラリア、アルゼンチンです。小柄な日本代表が、俊敏な動きと華麗なスティックワークで強豪国をいかに切り崩すか、悲願のメダルへ向けて戦う「さくらジャパン」の華麗なスティックワークをお見逃しなく。

                   
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