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2019年8月19日(月)

「家族の存在」が競技の支えに パラトライアスロン・宇田秀生

スイム0.75km、バイク20km、ラン5kmで競うパラトライアスロン。26歳の時、仕事中の事故で利き腕の右腕を失った宇田秀生選手は、事故から2年後の2015年にパラトライアスロンを始め、その年のアジア選手権に初出場し、いきなり優勝。さらに2017年のアジア選手権でも優勝するという快挙を成し遂げています。
そんな宇田選手に、競技の魅力や難しさ、そして自身の支えになっている「家族」についてうかがいました。聞き手は、増田明美さんです。

「ゴールしたときの達成感」が競技の魅力

宇田選手は、パラトライアスロンの魅力を「ゴールしたときの達成感」だと話します。

大阪城トライアスロン2017 エイジグループ スプリントでのゴール

「自転車っていう機材も使いますし、世界選手権では自転車がパンクする選手もいるわけで。そういうのがなく、日々コツコツ準備してレース当日を迎え、無事に全力を出し切って何もトラブルなくゴールできたときの達成感や喜びに、すごく魅力を感じます。」

スタートからゴールまで、出し惜しみすることなく全力を出し切るという宇田選手。レースでは、苦しいときにライバルを抜いたときが、一番気持ちいい瞬間だと言います。

「僕は追い上げ型のレース展開になりがちで、常に前の選手を抜かすことだけを考えてやっています。だから、抜かすことができたときは嬉しい。僕は、常にターゲットがあった方がいいのかもしれません。」

パラトライアスロンを始めたきっかけ

小学校から大学までサッカーをしていた宇田選手。サッカーをしていたことと、事故後にリハビリで始めた水泳が、パラトライアスロンを始めたきっかけになったのだそうです。

「最初は泳いでただけだったんですけど、一緒に泳いでた人に『サッカーをしてて』って話をしたら、『サッカーだったら走れるし、今泳いでるし、あとは自転車乗ったらトライアスロン出来るじゃん。』て、そういうところから始まりましたね。」

競技を始めた年にアジア選手権に初出場し、いきなり優勝した宇田選手。しかし、競技を始めた頃には苦労もあったと明かします。

2019 ITU 世界パラトライアスロンシリーズ 横浜大会より PTS4 男子(バイク)

「最初はビビってましたね。ママチャリにしか乗ったことがなかったので、初めてロードバイクにまたがったときにはすごく怖かったです。前傾姿勢だし、すごくスピードが出るし。片手なので、急ブレーキとかかけると吹っ飛びそうになる。」

一番苦手なのは自転車なのかと思いきや、実は水泳なのだそうです。

「小さい頃にあまり水泳をやってこなかったのも原因だと思います。海外の選手の中には、水泳で金メダルを取ってトライアスロンに参加する選手もいるくらいなので、みんな泳ぐのが速いんです。」

一方で「第4の種目」とも言われる、スイムからバイク、バイクからランの競技が切り替わる間の“トランジション”は得意だという宇田選手。タイムも割といい方だそうで「器用なのかも」と自己評価していました。

競技の支えとなっている「家族の存在」

宇田選手が事故で右腕を失ったのは、結婚して5日後のこと。しかし、4歳年上の妻・あきさんは落ち込む顔も見せず、がんばって支えてくれたと言います。

「(事故後に気持ちを切り替えられたのは)妻のポジティブな性格もあるんじゃないかと思います。入院中に、『これはパラリンピックに出られるチャンスがあるな』って二人で話をすることができたくらい。ちょっと(切り替えが)早すぎますよね。(笑)」

競技の支えとなっている人は誰?という質問に対し「家族」と答えた宇田選手。妻・あきさんが作る毎日の食事も、大きな支えの一つだそうです。

「普段から食事の面などで気を遣ってくれて、またそれが美味しいんですよ。僕の競技のこともですけど、子どもが生まれてから食に興味を持ちだして、すごく助かってます。バランス良くて。」

東京パラリンピックで目指すのは「表彰台」

宇田選手の東京パラリンピックでの目標は、表彰台に上がること。そのために、日ごろから大切にしているトレーニングがあると言います。

「常に(表彰台に)上ったところをイメージして練習するようにはしてますね。例えば、“高校の時の先輩が応援に来てくれて、沿道から声をかけてくれる”ような。そうやって強くイメージすると、がんばれるんですよね。普段一人で走ることが多いんですけど、なかなか人間一人だと甘えちゃう部分もあるので、そういうイメージを大事に、できるだけ追い込めるように練習しています。ちょっとイメージしすぎると、たまに泣いちゃいそうになって。」

イメージトレーニングの中には、妻のあきさんや、2人の息子さんも登場するという宇田選手。辛い練習は「これが終わったら子どもと全力で遊べる」というご褒美をイメージしながら乗り越えるのだそうです。


※この記事は以下の番組から作成しています。
2019年2月22日放送「増田明美のキキスギ?
内容は放送時のものとなります。

                   
※NHKサイトを離れます

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