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2019年8月16日(金)

リオ五輪バドミントン スペイン初の金メダルの理由とは?

アジアの選手が頂点に立ち続けてきたバドミントン女子シングルス。そこに待ったをかけたのがカロリナ・マリン選手です。リオデジャネイロオリンピックでスペインに初めて金メダルをもたらしました。

カロリナ・マリン選手

8歳からバドミントンを始めました。バドミントンの練習場に行った時、長いラケットと羽根のついたシャトルが気に入りました。そこからすべてが始まりました。

母 トニ マルティンさん

私たち家族はバドミントンについて何も知りませんでした。でもあの子はずっとラケットをねだったんです

当時スペインではマイナーだったバドミントンに興味を持ったマリン選手。そんな彼女の才能を見出したのがリバスコーチです。

コーチ フェルナンド・リバスさん

当時13歳のカロリナの試合を見に行きました。もちろん技術面はまだまだ未熟でしたが、光るものを持っていました。その年代にしてはスピードや力強さが際立っていたんです。彼女にはバドミントンの才能があると感じましたよ。

マリン選手

初めてリバスコーチと話した時、“バドミントン選手としてどこを目指すか”と聞かれました。私は世界選手権やオリンピックで世界一になりたい、誰よりもうまくなりたいと答えました。
私は14歳の時に、故郷の3倍も大きなマドリードに行きました。リバスコーチの下で練習するためです。私は一人っ子でしたので、両親からすれば、娘が600キロも離れたところで暮らすのは、心配だったと思います。それでも私は、どうしてもマドリードへ行かせて下さいとお願いしました。それを許してくれた両親には本当に感謝しています。
リバスコーチは、私の人生を変えてくれました。コーチとしてだけでなく、父親としての役割も果たしてくれました。家族も友人もいないマドリードで、いつもそばで私を支えてくれたんです。

しかし、バドミントンが盛んではないスペインから、世界の頂点を目指すのは簡単なことではありませんでした。

リバスコーチ

スペインにはバドミントンの選手を育成する環境が、まだ整っていませんでした。前例がないことを成し遂げるためには、ひたすら練習するしかありませんでした。私も指導者としてはまだ新米でしたから 正直言って不安もありました。


マリン選手は信頼するコーチと二人三脚で、バドミントンに向き合ってきました。その成果が出始めます。
年代別の国際大会から着実にステップアップ、2014年のヨーロッパ選手権でも優勝します。さらに世界選手権を連覇、これはヨーロッパの女子選手では初めてのことでした。マリン選手は実績を積み上げていきました。

オリンピックの舞台へ

そして迎えたリオデジャネイロオリンピック。前回のロンドン大会で金メダルを取った中国の選手と準決勝で対戦しストレートで勝利。1ゲームも落とすことなく決勝に勝ち上がりました。

いよいよ決勝の大舞台。相手は世界選手権3位になったこともあるインドのプサルラ選手です。第1ゲーム。マリン選手は最後まで粘りましたが接戦の末、この大会初めてゲームを落とします。

リバスコーチ

第1ゲームを落として、カロリナが自分を見失っているのが分かりました。私は彼女の気持ちに寄り添うことを心がけました。カロリナが14歳でマドリードに来たころを振り返り彼女に言いました。“あのときの君を思い出せ、あの子は今の君を信じている。だから前に進み続け戦うんだ”と。

そして第2ゲーム。リバスコーチのアドバイスが功を奏します。集中力を取り戻したマリン選手は第2ゲームを取り返すと、その勢いのまま第3ゲームへ。アジア勢が制してきた金メダルまであと一歩です。

母 トニ マルティンさん

興奮してずっと立ちっぱなしでした。落ち着いて座っていられる心境ではなかったんです。

そしてマリン選手は、バドミントンでスペイン初の金メダルを手にしました。それは、リバスコーチと努力したことが、実を結んだ瞬間でもありました。

マリン選手

最後の得点を取った直後、私は床に倒れ込みました。あの瞬間は本当に忘れられません。
その夜、私は泣いてよく眠れませんでした。私が表彰台にのぼる時、最初に頭をよぎったのは、自分の夢がかなったんだということでした。そして表彰台に立つと、この瞬間を楽しもうと思いました。それから、私を支えてくれた家族やコーチに感謝の気持ちでいっぱいでした。

リバスコーチ

今ではスペインはバドミントンの弱小国ではありません。世界で一目置かれる存在になりました。私とカロリナは長い間、精神的にも肉体的にも大変な努力を重ねてきました。その苦労が金メダルを取ったことでようやく報われたのです。

マリン選手

スペインの小さな町から来た女の子が、世界の頂点に立ったんです。スペインでバドミントンをメジャーなスポーツにするのは大変なことでした。それが現実のものになったことは、素晴らしいことだと思います。

偉大な功績がたたえられ、マリン選手の名前がついた練習場も設立されました。コーチとの強い絆で勝ち取った金メダルはスペインの歴史を変えただけでなく、世界のバドミントンの勢力図に、新しい風を吹かせました。次の東京オリンピックで連覇なるのか、注目されます。

※この記事はオリンピックチャンネルのVTRを再構成して制作しました。

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